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#27 ボルボ240シリーズ(ディテール編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#27 ボルボ240シリーズ(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。


一度乗ったら病みつきといわれるボルボ240シリーズですが、240から240に乗り換える、そんなオーナーもいます。ディテール編では狙い目の年式や維持費、相場観に触れていきます。



過不足なくトコトコ走る心地よさに魅了される

まさにクラシックという風情が漂う240シリーズ。なによりも安全性が大切という基本理念はDNAのごとく現行モデルの「V90」(左)にも生かされています
 出典  Funmee!!編集部
まさにクラシックという風情が漂う240シリーズ。なによりも安全性が大切という基本理念はDNAのごとく現行モデルの「V90」(左)にも生かされています


ボルボ240ワゴンは速いクルマではありません。信号待ちからのスタートならイマドキのハイブリットカーの方が遥かに出足はいいのです。しかし、もし高速道路の制限速度の上限が120km/hに上がったとしても十分に流れに乗れる実力を備えますし、安全性に配慮した設計思想と装備は現在も通用します。



路面がフラットならメーターは180km/h付近まで上昇可能な力をもっています
 出典  Funmee!!編集部
路面がフラットならメーターは180km/h付近まで上昇可能な力をもっています


購入を検討するならば、バブル期の影響から流通量の多い1990年式から1993年式の最終モデルがその範囲となります。また、1992~1993年の2年間はSRS運転席エアバッグとABSが装備されますし、エアコンのガスも新タイプとなり熱交換効率が向上しています。



側面衝突に対応するインパクトビームを内蔵する厚みのあるドア。ヒンジやキャッチ部分、ピラーの構造などさまざまな工夫が見受けられます
 出典  Funmee!!編集部
側面衝突に対応するインパクトビームを内蔵する厚みのあるドア。ヒンジやキャッチ部分、ピラーの構造などさまざまな工夫が見受けられます


ボディサイズは全長4,785×全高1,715×全幅1,500mm。エンジンは2.3ℓ直列4気筒の自然吸気で最高出力115ps、最大トルク18.9kg-m(約185Nm)/2,750rpmを発生します。車重は日本仕様の最終モデルで1,390kgですが、フロア下の錆止めのアンダーコートだけでおよそ30kg近くありますので、そう重いクルマでもありません。



クラシックなボディデザインを印象づける側面のメッキモール。年式や個体によりブラックモール装着車もあります
 出典  Funmee!!編集部
クラシックなボディデザインを印象づける側面のメッキモール。年式や個体によりブラックモール装着車もあります


基本的な安全対策として、ドア内のインパクトビームの装備、樹木への衝突を想定したオフセット率のクラッシュテスト、2系統のブレーキ配管などは共通しますので、他のクラシックモデルと比較して安心して乗ることができるでしょう。



見た目以上に操作系のフィールに北欧生まれを感じさせるボルボ

ドアミラーの角度調節は室内側のレバーをアナログ操作します。物理的に破損しない限り寒冷地でも故障知らずな構造です
 出典  Funmee!!編集部
ドアミラーの角度調節は室内側のレバーをアナログ操作します。物理的に破損しない限り寒冷地でも故障知らずな構造です


ちょっと細身のステアリング、間隔が開き気味のスイッチ類のレイアウトなど、現代車両に馴染んだ身体には少し違和感を覚えるかも知れません。しかし、極寒の北欧なら手袋をしてハンドルを握ることもあるでしょうしインパネ操作もしかり。



ボルボのモデル名は3ケタ表示で、最初の2がシリーズ名、真ん中がエンジンの気筒数、末尾が当初はドア数を現していました。240エステートの場合、かつては245と表記され、その名残がシリアルプレートに見受けられます
 出典  Funmee!!編集部
ボルボのモデル名は3ケタ表示で、最初の2がシリーズ名、真ん中がエンジンの気筒数、末尾が当初はドア数を現していました。240エステートの場合、かつては245と表記され、その名残がシリアルプレートに見受けられます


決してスポーティとは言えないハンドリング特性も、アンジュレーションが不均一な雪道を走ることを想定すれば、逆にスポーツカーのようなシビアさはドライバーを疲れさせてしまいます。この適度な“ゆるさ”もこの時代のボルボの特性であり、それが魅力となりクラシック・ボルボを手放せない理由のひとつとなります。

 

旧車ということでトランスミッションの耐久性が心配されますが、ATは日本のアイシン製(4速AT)で、従来、外国車のウィークポイントとされてきた部分はジャパンクオリティなのもボルボの信頼性を高めているのです。



クラシックモデルの純正パーツをいまなお再生産・供給するボルボ

ヘッドライトはCIBIEブランドの再生産品です。メーカーロゴも入る純正品です
 出典  Funmee!!編集部
ヘッドライトはCIBIEブランドの再生産品です。メーカーロゴも入る純正品です


今回、取材にご協力いただいたのは、日本の窓口であるボルボ・カー・ジャパンが運営する「ボルボ クラシック ガレージ」です。同拠点のマネージャーを務める阿部昭男さんはボルボ一筋に30年を超えるキャリアをもつ人物。

 

撮影車両は同店が仕上げた1992年式で「この先20年、安心して乗っていただけるように仕上げました」という物件(売約済み)。フロントグリルやヘッドライトなどの灯火類一式を新品の純正パーツに交換。サイドモールとホイールはオリジナルをレストアし、仕上げられています。



右利き、左利きのどちらにも等しく対応した形状のラゲッジハンドル。こうした配慮がいかにもボルボらしい部分なのです
 出典  Funmee!!編集部
右利き、左利きのどちらにも等しく対応した形状のラゲッジハンドル。こうした配慮がいかにもボルボらしい部分なのです


ボルボには生産終了後も純正パーツを再生産・供給する「ジェニュイン クラシック パーツ」という部門があり、タイミングにより一時的に欠品することがあっても純正パーツを入手することができるのです。

 

取材当日もスポーツクーペの名車と言われる1971年式P1800と、1967年式アマゾンが入庫中でした。最新ボルボと並ぶその姿は感慨深いものがあります。



ボルボの人気キャラクターの「エルクくん」はその名の通りヘラジカがモチーフです。ぬいぐるみはカワイイのですが本物のヘラジカは大型動物で体長3mを超える個体もいるのだとか
 出典  Funmee!!編集部
ボルボの人気キャラクターの「エルクくん」はその名の通りヘラジカがモチーフです。ぬいぐるみはカワイイのですが本物のヘラジカは大型動物で体長3mを超える個体もいるのだとか


ボルボ240ワゴンは、しっかり仕上がった個体なら維持費も安く国産車並のランニングコストで収まる“極上の趣味ジドウシャ”です。無論、過去の経緯や乗り方、ベース車両の込んできションにも左右されますが、まともな個体なら外装をオールペイントで仕上げても300万円でオツリがくるはずです。10年乗れると思えばこの価格は決して高くはありません。



モダンで清潔感のある外観からはわかりませんが、このショールームの奥に「ボルボ・クラシックガレージ」があります。キッズスペースやメイド・イン・スウェーデングッズもあり気軽にファミリーで立ち寄れます
 出典  Funmee!!編集部
モダンで清潔感のある外観からはわかりませんが、このショールームの奥に「ボルボ・クラシックガレージ」があります。キッズスペースやメイド・イン・スウェーデングッズもあり気軽にファミリーで立ち寄れます

ドイツのミニカーブランド「ミニチャンプス」が手掛けるシリーズです。ボルボ240のディテールも精細に再現されています。


■撮影協力

ボルボ・クラシックガレージ

 

正規ディーラーであるボルボ・カーズ東名横浜内に併設。車両販売から定期メンテナンス、旧モデルの純正パーツ取り寄せまで幅広くクラシックモデルに対応してくれます。また、すでにオーナーとなられた方も一度診断で訪れてみては。

 

東京都町田市南町田5-9-18

TEL:042-796-1190

営業時間:9:00~19:00

休み:火曜

 

 

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文:教重誠一(Seiichi Norishige)

写真:新井康介(Kousuke Arai)



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2018年4月25日
Funmee!!編集部
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