世界一美しい水槽を生み出した、クリエイターに聞く。アクアリウムの魅力


水槽の中にサンゴや水草をレイアウトし、観賞魚を飼うことで、神秘的な世界をつくり出すアクアリウム。もっともイメージしやすいのは水族館でしょう。


そのため、始めるまでのハードルが高く設定されがちな趣味の一つでもあります。


そこで、アクアリウムの中でも水草や流木を配置し、世界中の川を再現している水景クリエイターの深田崇敬さんにアクアリウムの魅力をうかがいました。



アクアリウムと恋に落ちた瞬間

水景クリエイターの深田崇敬さん

 出典  Funmee!!編集部


世界水草レイアウトコンテストで2015年、2016年と2連覇し、世界一美しい水槽をつくった深田さんですが、本格的にアクアリウムの世界に踏み入れるまではかなり悩んでいたそう。



仕事の休憩中に、ふと立ち寄った小さなアクアリウムショップに陳列されていた写真集を手に取ったときに、感動したのがきっかけだったのだとか。


深田さんは「写真を見たときはすごい世界があるんだなと感じました。ただ、生き物の命を扱うという点でなかなか覚悟ができなかったんです」と当時を振り返ります。



毎日、様子を観察していくうちに魚も人間を認識するようになってくるそう。

 出典  Funmee!!編集部


それでも、始めたい気持ちから手始めにホームセンターで買った大きめの花瓶の中にメダカを入れてみたという深田さん。しかし、なんとなく毎日見ている間に、メダカの元気がなくなっていくのが分かったそう。



魚と同じ水槽で飼われているエビ。複数の生き物を入れることによって1つの生態系が作られている。

 出典  Funmee!!編集部


深田さんがアクアリウムの存在を知ってからおよそ15年。「飼っているメダカを元気にしたい」という理由からついに本格的な水槽レイアウトの世界に飛び込みます。



コンテストに出すことで趣味が学びにつながる

2016年に世界水草レイアウトコンテストでグランプリを受賞した作品。タイトルは「Mighty Cave(神窟)」

 出典  Funmee!!編集部


趣味を楽しむ中で、それを他人と比べ、競い合うことはなかなかありません。深田さんも考えは同じで「いつもお世話になっているアクアリウムショップの店主から誘われましたが、1年目はお断りして様子を見て、次の年から挑戦してみた」といいます。




芸術系のコンテストに出場したことのある方はご存知のように、“なんとなく綺麗な作品”というだけでは審査員の心を掴むことはできません。それはアクアリウムでも同じ。深田さんもしばらくは本選にも選ばれない渋い結果が続いたそうです。



国際水草レイアウトコンテストで獲得した賞の数々。

 出典  Funmee!!編集部


初めてグランプリを獲ったのは2015年。深田さんは家族が寝静まったあとに、郵送された結果通知を一人で見たそう。当時はまだ会社員だった深田さんは「コンテストでは、しっかり時間をかけて方向性を定めることが一番大事だということが証明できた」とこれまでの試行錯誤が実った喜びをじっくりと噛み締めたんだとか。



一つの水槽で自然の美しさと生態系を再現する

生き物の住みやすさを第一に考えて作られた水槽。中で泳ぐ生き物たちの元気さが素人目でも分かる。

 出典  Funmee!!編集部


深田さんのご自宅にはリビングに魚たちが元気に泳ぐ水槽が一台と、水槽レイアウトに没頭するためだけの部屋が一室。


花瓶でメダカを飼い始めたころからは比べものにならない拡大ぶりですが、ご家族から水槽レイアウト作品はインテリアとしても使えるという点で受け入れられているようです。「僕のあまりの熱中ぶりに呆れられたりもしますけどね(笑)」と語ります。



最初は失敗も多かったという深田さん。今では、水槽の微妙な水の色を見分け、対策をすることもできるそう。

 出典  Funmee!!編集部

アクアリウムは楽しい!新しい第一歩を

深田さんも始めたばかりのころは何か変化があるとすぐに行きつけのアクアリウムショップで相談していたそう。

 出典  Funmee!!編集部


専門的な道具や知識が必要なアクアリウム。一見始めにくい趣味かと思いきや、今はどんなショップでも必ずいいアドバイスをくれる店員さんがいるそうなので、確実に間口は広がっています。


アクアリウムは単に自分や家族の心を癒すだけではなく競技要素もあり、一歩その世界に踏み込んでみると多岐にわたる可能性に満ちているものでした。




■プロフィール

深田崇敬さん

水景クリエイター。TAU(tokyo aquascape union)所属。水中で繁茂する水草の美しさに魅せられ、その世界観を水槽レイアウトという手法で表現するために創作活動中。世界水草レイアウトコンテストでは2013年金賞、2014年銅賞、2015・2016年グランプリを受賞。



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文: たなかもみこ(Momiko Tanaka)

写真:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)



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Funmee!!編集部

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