
#12 日産 Be-1(邂逅編)
最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった日本発のクルマたち。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう「ヘンアイ国産自動車の会」。バブル期に日産が生産したパイクカーの先駆け、Be-1に乗る埼玉県のUさんを紹介します。
2台目にして奇跡の極上車と出会う
今回ご登場いただく、埼玉県在住のUさん。日産のパイクカー、「Be-1」に乗るオーナーさんです。1988年式でボディカラーはカタログイメージカラーであるパンプキンイエローで、キャンバストップ付き、さらに走行距離約2万キロという驚くべきコンディションの一台です。
「一番最初はパオも候補だったんですけど、奥さんが『これが可愛い!』っていうので、Be-1にしたんです。最初はこれとは別の白いのに乗ってました」

ところが白いBe-1は、なんと交差点のど真ん中で突然止まってしまいます。エンジントラブルだったそうですが、エンジンの修理を諦め、別の個体を探すことに。そんな時に中古車屋で偶然見つけたのが、この黄色いキャンバストップ付きだったというわけです。今からおよそ8年前のことです。
「初代オーナーはずっとガレージ保管だったそうで、状態も驚くほど良いし、当時のオプションパーツもたくさん付いてて、走行距離も購入時は1万キロちょっとでしたから、本当に満足です。でもね、奥さんはあの故障以来Be-1に乗ってくれないんですよ」

運命を感じて乗り続けることを決意
「実は一度手放そうと思ったことがあって、中古車屋に電話を入れたことがあるんですが、その後連絡が途絶えちゃって。それでなんとなく手放せなくなっちゃったんですよ(笑)」
その出来事に運命を感じたUさんは、以降可能な限り維持していくことを決意。雨漏りをしていたキャンバストップは張り替え、エンブレムも新品に交換し、ダッシュに備わるドリンクホルダーも自分でボディカラーにDIYでペイントするほどの溺愛ぶりです。

■プロフィール
Uさん
埼玉県在住。Be-1はこれで2台目。コンディションを維持するため、このBe-1はガレージで保管。他にも国産旧車を所有するクルマ大好きの52歳。
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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)
