【趣味人ジドウシャ部】#02 クラシックMINI(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。2台目は「クラシックMINI」です。


BMWからMINIが製造販売されるようになって17年。今では「MINI」と聞くと、BMW MINIを思い浮かべる人がほとんどになっているかもしれません。それでも、それ以前のMINIを見たことがないという人はいないでしょう。


1959年から2000年まで製造されていたクラシックMINIは、イギリスの国民車と言える存在ですが、今なお日本を始め世界中に多くのファンを持っています。眺めてよし、乗って楽しい、長く愛着を持てるクルマなのです。



機能美を体現するシンプルなデザイン

丸目に大きなメッキグリルがトレードマーク

 出典  Funmee!!編集部


MINIが生まれたのは、1959年。このクルマが開発されたきっかけは、1956年に勃発したスエズ動乱を発端とする、世界的な石油価格の高騰です。当時のイギリスの大衆は、ガソリン代の高さ故にクルマに乗ることが困難な状況になっていました。そこで「より経済的な4人乗りの小型車を」ということで、MINIが開発されたのです。



コンパクトながらトランクルームも備えています

 出典  Funmee!!編集部


MINIを設計したのは、イギリス最大の自動車メーカー、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)のエンジニア、アレック・イシゴニス。彼は小型軽量なボディに大人4人が乗れるスペースを確保し、そして壊れにくく、壊れても直しやすいクルマにするために、徹底して合理的な設計を行いました。


床を低くするために、床下にプロペラシャフトを配置する必要のないFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を採用。そしてボンネットをコンパクトにするために、直列4気筒エンジンを横置きし、さらにエンジン下にトランスミッションを一体化しました。



全体的に丸みを帯びたボディデザイン

 出典  Funmee!!編集部


ボディサイズは、全長3,051mm、全幅1,410mm、高さ1,346mm。エンジンを別にすれば、現代の日本の軽自動車規格に収まってしまうコンパクトさです。このスタイリングも、イシゴニスが自らデザインしたもので、無駄を極限までそぎ落としたものとなっています。


「フロントとリアのバンパーが共通だったりして、シンプルなつくりになっています」と語るのは、クラシックMINI専門ショップ「ミニマルヤマ」の丸山和夫さん。


「しかし同時にじつによく考えられている。ボディの丸みは衝突時の衝撃を吸収するため。1950年代に設計されたクルマなのに、衝突安全ボディを備えているなど、今見ても革新的なクルマなんですよ」


そんな合理的な考えに基づいたデザインなのに、どこか愛らしささえ感じさせるMINI。そこにはまさに機能美、用の美が体現されていると言えるでしょう。



基本設計を変えることなく約40年作り続けられたクラシックMINI

大人4人が乗れる必要最小限の室内スペース

 出典  Funmee!!編集部


デビュー当初のMINIは、BMC傘下のオースチンとモーリスのふたつのディーラー網で、それぞれ「オースチン・セブン」と「モーリス・MINI・マイナー」という名で販売されました。エンブレムが違うだけで、仕様は同じクルマです。


そして1967年にボディデザインを変更したMk-2(マーク2)が登場し、1969年にはさらに若干の変更を受けたMk-3となります。その後もマイナーチェンジを重ねつつも、基本設計を変えることなく2000年までの間にじつに530万台もの車両が製造されました。


また1960年代にはチューンナップ版のクーパーおよびクーパーS、ワゴン版のモーリス・MINI・トラベラーおよびオースチン・MINI・カントリーマンなどが販売されたほか、別ブランドから内外装を高級化したウーズレー・ホーネット、ライレー・エルフも登場するなど、多くの派生モデルも生まれています。



ウッドのインパネがおしゃれです

 出典  Funmee!!編集部


MINIが製造された約40年の間に、親会社であるBMCはたびたび経営統合による社名変更を行っていましたが、1986年からはローバー・グループという名になりました。従ってこれ以降のMINIは「ローバー・MINI」と呼ばれています。


ちょうどこのころ、1976年以来ストップしていた日本へのMINIの正規輸入が再開され、MINIの人気が高まったこともあって、日本ではこの名前になじみのある人も多いでしょう。ただし、設計がまったく変わっていないだけに、ローバー時代のMINIであっても、内外装、時には機関も含めてBMC時代の仕様にカスタムされているクルマも多いです。


「ネジ1本まで製造年代のオリジナルにこだわるマニアもいれば、自由にカスタムを楽しむ人もいます。日常の足として普通に使っている人もいるし、自由度の高いクルマですね」と語る、丸山さん。気軽に楽しむこともできるが、その気になればディープでマニアックな世界にのめりこむこともできる。そんな裾野の広さもこのクルマの魅力なのです。



撮影車両は1992年式のローバー・MINIですがモーリスのエンブレムを装着

 出典  Funmee!!編集部


■取材・撮影協力

ミニマルヤマ

1973年創業のクラシックMINI専門ショップ。1986年にはオリジナルチューンの「MINI・ジョン・クーパー」を販売。後にローバー・MINIにクーパーグレードが復活するきっかけを作った。現在はほとんどのパーツを新品に交換し、新車同様に仕上げた中古車両を販売している。消耗部品やカスタムパーツの在庫も豊富。



東京都墨田区東墨田2-21-2

TEL:03-3613-6622

営業時間:9:00〜18:00(月曜〜木曜、土曜)、9:00〜21:00(金曜)、12:00〜18:00(日曜)

休み:無休



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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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Funmee!!編集部

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