【ザ・使い込んでる部】#16 初めてのアルバイトで購入した剣道防具、『八光堂』の胴


使い続けるのには理由がある。愛し続けられるのには想いがある。そんな趣味にまつわるこだわりの“私物”を紹介する「ザ・使い込んでる部」。


今回ご登場いただくのは、小学生の頃より始めた剣道に親しむエンジニアの山岸祐介さん。高校時代、初めてのアルバイトの給与で購入した胴を、現在も愛用し続けているそうです。



購入理由は真剣に取り組むと決めた決意の証

現在、山岸さんが使用している防具一式

 出典  Funmee!!編集部


小学校5年生で剣道を始め、中学、高校でも剣道部に入りました。防具は中学生の頃からもっていましたが、その時に使っていたものは一式7〜8万程度の安いヤツです。金額だけみると決して安価ではないのですが、価格がピンキリの“剣道の防具”としては安い部類なんです。



関東大会の会場で販売されていた手拭いには、出場校と出場者の名前が掲載されています。山岸さんのお名前も

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中学で関東大会にも出場しましたが、正直、高校では本気で剣道に取り組むつもりはなかったんですよね。だけどやっぱり試合にでれば勝ちたいですし、先輩たちも練習に励んでいた。だから僕もちゃんと打ち込もうと決意。となれば立派な防具が欲しいなと、アルバイトをすることにしたんです。



デザインに惹かれて選んだ胴

山岸さんの胴は、竹をつなぎ合わせて胴のかたちをつくる「竹胴」と呼ばれるもの

 出典  Funmee!!編集部


アルバイトをしたのは高校1年生の頃。年末年始、実家近くの神社会館が出店する屋台でした。普段は部活が忙しいので、冬休みの短期バイトしかできなかったんです。


よく足を運んでいた剣道の防具屋さんが年始にセールを行なっていたので、そのチラシを見てどの防具を買うかを吟味。『八光堂』の胴にした決め手はデザインでしたね。深みのある胴台の色合いや胸飾りの刺繍などが気に入って。価格は5万円くらいでした。


同じ剣道部の同級生も一緒にバイトをしていたんですよ。友達もバイト代で防具を購入していました。親には頼まず自分で買う。真面目なヤツが多かったんです(笑)。



借りた垂れも10年以上愛用中

手前にあるのが垂れ。垂名札には、現在所属している団体の名称が

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垂れも大学時代から使っているんですけど、実はこれ、先輩からの借りものなんです。学校が文系キャンパスと理系キャンパスに別れていて、それぞれの道場に防具一式が置いてあった方が楽ですから、「貸してくださいよ」ってお願いしてそのまま(笑)。



大学時代に行った剣道合宿での練習風景

 提供  山岸祐介さん


その先輩の垂れが格好よくて、「いいな」って思っていたんですよね。仲もよかったですし、言いやすくて。先輩は2〜3年しか使っていなかったそうですが、僕はもう10年以上愛用しています。もちろん「返して」と言われたら返しますよ。ただ先輩、いまアメリカにいるんです。だからもうしばらく使っていても大丈夫かな(笑)。



道具を大事にするのが剣道

いまは勤務する会社の剣道部と、住まいの近くの剣道団体に所属しているそうです

 出典  Funmee!!編集部


道具を大切にするのが、剣道ないし武道のよさだと感じています。試合に負けたからといって、道具に当たるということはありえません。


いまでも忘れられないのが、中学生の時のとある大会で、整えて置かれていた防具に誰かがぶつかり、崩してしまった光景を目にしたことがあるんですね。そうしたらとても強い他校の先輩がそそくさと駆け寄り、その防具を直していたんです。


感動というか、衝撃というか、「礼に始まり礼に終わる」という武道の精神を目の当たりにした気がしましたね。その方は後に国体でも優勝され、現在は教員になっているそうです。



高校時代から使用している竹刀袋もいまだ現役です

 出典  Funmee!!編集部


大学院を卒業後、しばらく剣道から離れていましたが、数年前から再開したんです。理由は「引っ越して道場が近くになった」という単純なものですが……(笑)。


久しぶりの剣道はやっぱり楽しかった。意外と身体も動きましたしね。学生時代とは異なり、社会人のチームではさまざまな人たちと一緒に剣道ができるのも面白い。胴も使える限り使ってきたいと考えています。




■プロフィール

山岸祐介さん


1983年神奈川県生まれ。理工学修士。大学院卒業後、精密機器メーカーにエンジニアとして勤務。好きな言葉は「切磋琢磨」。現在の目標は、レギュラーとして全日本実業団剣道大会に出場すること。   



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文:大森菜央 (Nao Ohmori)

写真:六本木泰彦(Yasuhiko Roppongi)



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Funmee!!編集部

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