【趣味人ジドウシャ部】#02 クラシックMINI(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載「趣味人ジドウシャ部」。前回に引き続き「クラシックMINI」です。


ザ・ビートルズやエリザベス2世なども乗っていたことで知られるイギリスの国民車は、単なる4人乗りの経済的な小型車である以上の魅力を備えています。今回は、乗り味やメンテナンスについて紹介します。



“ゴーカートのような”キビキビとした走り

ラジエーターが横に配置されたエンジンルーム

 出典  Funmee!!編集部


1959年に登場した初代MINIのエンジンは、排気量848㏄のOHV直列4気筒でした。その後1968年に998ccエンジンが追加され、クーパーやクラブマンといった派生モデルを除くベーシックモデルは、基本的に848㏄と998㏄の二本立てとなりました。そして1980年代からは998ccのみとなり、さらに1990年代からは1,271㏄に統一されています。また1992年からは全車インジェクション仕様の1.3ℓエンジンとなっています。


MINIはオイルショックでガソリン代が高騰したことへの対策として開発されたクルマなので、旧車にしては非常に低燃費。車両のコンディションにもよりますが、15km/ℓ前後は走ります。これは車重が初代モデルで600㎏ちょっと、エアコンなどがついて重くなった末期モデルでも700kgちょっとという軽さも大きな理由です。



運転が楽しくなるコンパクトなコックピット

 出典  Funmee!!編集部


初代モデルのエンジンは、最高出力34ps/5,500rpm、最大トルクは6.08kgm/2,900rpm。末期モデルでも最高出力53ps/5,000rpm、最大トルク9.3kgm/2,600rpm。ハッキリ言って、現代のクルマと比較するととっても非力です。ですが、車重の軽さもあって、現代でもクルマの流れについて行けずに苦労するようなことはありません。むしろ、非力な分、思い切ってアクセルを踏んで、エンジンを回して走る楽しみが味わえます。



ダイレクトな操作感が楽しめるステアリング

 出典  Funmee!!編集部


MINIには、末期モデルでもパワーステアリングは搭載されていません。旧車に乗り慣れていない人は、ハンドルの重さにとまどうかもしれません。しかし、MINIはステアリングギア比が小さくクイックな設定、つまりハンドルを回した角度に対するタイヤの向きが変わる度合いが大きくなっています。そしてタイヤが1983年までは10インチ、それ以降でも12インチと小径なのも相まって、高い旋回性を備えています。この「ゴーカートのよう」と形容される操作性もMINIの魅力。慣れてしまえば、遊びの少ない重ステならではのダイレクトなハンドリングが楽しくなってきます。


革新的だったとはいえ、40年前の設計なので、現代のクルマのような静粛性やスムーズさはありません。乗っていると、エンジン音をはじめあちこちから音がしますし、振動も伝わってきます。しかしメリハリのあるアクセル&ハンドル操作を心がけて走らせていると、峠道のワインディングはもちろん、交差点の右左折まで楽しめて、いろんなネガ要素も逆にポジティブに感じられてしまうクルマなのです。



外車、旧車の登竜門としてもおすすめ

マニュアル車もいいですが、気軽に乗るならオートマ車もおすすめ

 出典  Funmee!!編集部


今なお世界中に多くのユーザーがいるMINIですが、市場に出回るのは、ローバー時代のMINIが中心になります。


「1990年ごろからMINIは日本をメインマーケットにしていて、年間1万台も売れていたんですよ。今はかなり減りましたが、それでも十分な数があります」と語る、クラシックMINI専門ショップ「ミニマルヤマ」の丸山和夫さん。


MINIを製造してた親会社は1981年からホンダと提携していたため、1990年代以降は日本製パーツが多く使われるようになって信頼性が高くなっているそうです。


「ただし、メーカー末期になると造りが雑になってしまいました。だから特定のモデルや年式にこだわりがないなら、1990〜1996年ごろの車両が狙い目とされていますね」



キュートな後ろ姿にも愛着が湧いてきます

 出典  Funmee!!編集部


MINIに限らず、旧車にはトラブルがつきものと思っている人は多いでしょう。しかし壊れやすいかどうかで言うと、MINIは壊れにくいクルマです。構造がシンプルなので、訳の分からないトラブルはほとんどありません。ただし、消耗パーツを定期的に交換してあげることが必要です。今の日本車のように、ほぼノーメンテでそのまま乗り続けていると、壊れます。


「MINIのよいところは、部品が潤沢にあり、かつ安価なことです。なので維持費も比較的かかりません。その点で、同じ旧車でもイタリアやフランスの旧車とはちょっと世界が違うかもしれませんね」と、丸山さん。こまめにメンテナンスすることは必要だけれども、そのために高い維持費がかかるということはありません。


「MINIは、外車の中では日本的なところのあるクルマです。外車、旧車に乗ってみたいと思っている人の登竜門としてもおすすめですよ」



ミニマルヤマの丸山和夫さん

 出典  Funmee!!編集部


■取材・撮影協力

ミニマルヤマ

1973年創業のクラシックMINI専門ショップ。1986年にはオリジナルチューンの「MINI・ジョン・クーパー」を販売。後にローバー・MINIにクーパーグレードが復活するきっかけを作った。現在はほとんどのパーツを新品に交換し、新車同様に仕上げた中古車両を販売している。消耗部品やカスタムパーツの在庫も豊富。



東京都墨田区東墨田2-21-2

TEL:03-3613-6622

営業時間:9:00〜18:00(月曜〜木曜、土曜)、9:00〜21:00(金曜)、12:00〜18:00(日曜)

休み:無休



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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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Funmee!!編集部

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