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#21 日産・サニートラック(スペック編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#21 日産・サニートラック(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介する連載「趣味人ジドウシャ部」。今回は1967〜1994年に生産されていた日産・サニートラックです。

 

「サニトラ」の愛称で親しまれているこのクルマは、旧車初心者にピッタリな一台。スペック編では、歴史やスタイリングの特徴などについてご紹介します。



乗用モデルとは別の歴史を歩んでいったサニトラ

撮影車両は1994年式の「DX(デラックス)ロング」
 出典  Funmee!!編集部
撮影車両は1994年式の「DX(デラックス)ロング」


日産「サニートラック」は、名前の通り「サニー」のピックアップトラック版です。ベースになったサニーは、当時の日産の主力小型車だった「ブルーバード(2代目/410型)」が1,200ccクラスへと移行したことを受け、それに代わる1,000ccクラスのエントリーモデルとして1966年に登場しました。


ちなみにブルーバードもサニーも「ダットサン」ブランドから発売されたので、このブランドが廃止される1980年代まで名称は「ダットサン・サニー」でした。



初代ダットサン・サニーの4ドアセダン
 出典  Funmee!!編集部
初代ダットサン・サニーの4ドアセダン


発売当初は2ドアセダンおよびライトバンのみでしたが、翌年以降トラック、4ドアセダン、2ドアクーペとラインナップを増やし、1970年にB10型からB110型へとモデルチェンジ。この2代目サニーにも初代と同様のラインナップが設定されました。


なお、トラックに関しては商用モデルとしての位置づけだったため、型式は他の乗用モデルと異なり初代がB20型、2代目はB120型と区別されていました。



こちらは2代目サニーの2ドアクーペ。2代目サニトラの中期型のフロントグリルはこれと同じデザインです
 出典  Funmee!!編集部
こちらは2代目サニーの2ドアクーペ。2代目サニトラの中期型のフロントグリルはこれと同じデザインです


その後乗用モデルのサニーは、モデルチェンジを重ねながら9代目が2004年まで販売されました。


ところがサニートラックについては、3代目のB210型がトラック化しづらいスタイリングだったこと、それでいてトラックの需要は高かったことから、2代目のままフルモデルチェンジなしで製造が続けられました。基本設計を変えることなく、国内では1994年まで、海外生産を含めれば2008年まで製造されたのです。



セダンおよびクーペの2代目サニーにはSUツインキャブを搭載したスポーツグレードの「GX」も登場しました
 出典  Funmee!!編集部
セダンおよびクーペの2代目サニーにはSUツインキャブを搭載したスポーツグレードの「GX」も登場しました


1980年代までは、大半が農業や建設業などの自営業者向けの作業車として使われていたサニートラック。しかし1980年代後半になると状況が変わってきます。


新しいクルマのスタイリングは好みでない、かといって1970年代に生産終了したガチな旧車は維持費も考えるとちょっと手が出ない、という層に注目され、熱い支持を受けるようになっていったのです。



2代目以降、フルモデルチェンジなしで20年以上生産された

ロングのボディサイズは全長4,140mm×全幅1,495mm×全高1,390mm。ショートに対しホイールベースが230mm、荷台は295mm長く設計されています
 出典  Funmee!!編集部
ロングのボディサイズは全長4,140mm×全幅1,495mm×全高1,390mm。ショートに対しホイールベースが230mm、荷台は295mm長く設計されています


サニートラックは前述の通り初代と2代目がありますが、初代はかなりレアで、一般的に「サニトラ」と親しまれているのは2代目です。この2代目は、マイナーチェンジを境に前期、中期、後期に分類できます。

 

1971年から登場した中期型は、前期型がステンレス製の3ピース構成のグリルだったのに対してプラスチック製グリルとなり、またインテリアが黒からブラウンになって、メーターが長方形から丸型3連になりました。



後期型のマスクは、中期以前に比べてより実用車的なデザインに感じます
 出典  Funmee!!編集部
後期型のマスクは、中期以前に比べてより実用車的なデザインに感じます


1989年からの後期型は、ヘッドライトが丸型から角型になり、グリルもシンプルなデザインに。さらに途中からはバンパーがメッキから樹脂製に変更されています。そしてフロントにディスクブレーキが採用されたほか、キャブレターが電子制御式になり、また排ガスおよびNOx規制対策のために三元触媒が搭載されました。

 

サニトラは前期型発売時にはスタンダードとデラックスのふたつのグレードがありましたが、後にデラックスのみの設定になりました。また前期型の途中からホイールベースおよびベッド(荷台)を拡張したロングが追加され、ショートとロングの2本立てとなっています。



後期型のフェンダーミラーは黒い樹脂製ですが、これは金属製に交換されています
 出典  Funmee!!編集部
後期型のフェンダーミラーは黒い樹脂製ですが、これは金属製に交換されています


「現在流通しているサニトラは、やはり平成になってから製造された後期型がほとんどですね」と語る、サニートラック専門店「青葉オート」代表の松尾義明さん。


今回撮影させていただいた車両は1994年式のDX(デラックス)ロング。サニトラはどこかしらカスタムされているものがほとんどですが、これは珍しくミラー以外ノーマルの車両です。



旧車ならではの三角窓
 出典  Funmee!!編集部
旧車ならではの三角窓


それにしても、1990年代に造られたクルマとは思えない、なんともノスタルジックなスタイリングです。ミラーはフェンダーに備わっていて、ドアウインドウには三角窓もついています。



小ぶりなリアのコンビネーションランプがキュートです
 出典  Funmee!!編集部
小ぶりなリアのコンビネーションランプがキュートです


1990年代にあって、1970年代から変わらないスタイリング。中古は言わずもがな、当時は新車でもリーズナブルな車両価格。なにせまだ新車が作られていたので、当然パーツは潤沢にあり、維持は非常にラク。構造がシンプルなのでカスタムもしやすい。国産車でそんなクルマ、他にはありません。生産終了間近になって人気が高まったのもうなづけます。

 

その状況は現在も同じ。生産終了から20年以上経ち、サニトラ自体、旧車の領域のクルマになりつつありますが、これから旧車に乗ってみたいという人にとってはおあつらえ向きのクルマと言えるでしょう。



ロングの広々とした荷台。バイク運搬用のクルマとして愛用しているオーナーも多いです
 出典  Funmee!!編集部
ロングの広々とした荷台。バイク運搬用のクルマとして愛用しているオーナーも多いです
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サニートラック ロング (B121)をベースにしたカスタム仕様をレジンモデルで忠実に再現した商品です。


■取材・撮影協力

青葉オート

 

1993年ごろからサニートラックをメインに扱い、1998年からサニトラ専門店に。仕入れた車両は配線から内装まで整備し直したうえで販売している。純正品からオリジナルのドレスアップパーツまで豊富なパーツ在庫を持ち、さまざまなカスタムにも対応。

 

 

神奈川県横浜市青葉区恩田町2073-6

TEL:045-962-0671

営業時間:9:00〜19:00(月〜金曜)、10:00〜19:00(土日祝)

休み:水曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)、和田達彦(Tatsuhiko Wada)



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2018年2月13日
Funmee!!編集部
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