#42 フォルクスワーゲン タイプ3ファストバック(歴史&スペック編)
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【趣味人ジドウシャ部】︎

#42 フォルクスワーゲン タイプ3ファストバック(歴史&スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回紹介するのは、歴史的にも有名なフォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)の派生モデル、タイプ3ファストバックです。




スタイリッシュでコンパクト


フォルクスワーゲン タイプ3ファストバックは、タイプ1のリアエンジン、リアドライブという機構を踏襲し、新設計のフラッシュサイドボディを持つタイプ1の上位モデルとして1961年に登場しました。セダンのノッチバック、ステーションワゴンのスクエアバックなど、ボディバリエーションごとに名前が付けられ、車体後部の形がそれぞれ異なります。




タイプ1に比べて乗用車然としていますが、ラジエターグリルがない独特のフロントフェイス。ボディバリエーションは違っていても、タイプ3のフロントは共通のデザインを持ちます
 出典  Funmee!!編集部
タイプ1に比べて乗用車然としていますが、ラジエターグリルがない独特のフロントフェイス。ボディバリエーションは違っていても、タイプ3のフロントは共通のデザインを持ちます


ファストバックはそのバリエーションのひとつで、スポーティなスタイルからいまでも高い人気を誇ります。

 

取材車両は1969年式で、その前年からラインナップされた3速フルオートマチックトランスミッションを搭載しています。タイプ3は1970年にフロント周りを大きくモデルチェンジし、後期モデルがデビューします。そのためフルオートマチックを搭載した前期モデルは2年間しか存在しない貴重な存在です。




後ろへ流れるような美しいボディラインをもつファストバック。リアフェンダー上部のスリットは、エンジンの冷却や吸気のためのものです
 出典  Funmee!!編集部
後ろへ流れるような美しいボディラインをもつファストバック。リアフェンダー上部のスリットは、エンジンの冷却や吸気のためのものです


ボディシェルに別体のフェンダーを持つタイプ1と比べて、全長で10cm弱、全幅にいたってはわずか数cmしか大きくなっていないものの、フラッシュサイドボディを持つタイプ3の車内は格段に広く、よりモダンです。またタイプ1では平面的なフロントガラスも、大きく湾曲した立体的なものになりました。



全長は約4.2mとコンパクトです
 出典  Funmee!!編集部
全長は約4.2mとコンパクトです

偉大なタイプ1の後継モデルとして登場


第二次世界大戦前のドイツで誕生したKdFは、戦後イギリス軍による再建を経てフォルクスワーゲンとして再スタートを切ることとなります。当初は単一車種だったこともあり、単に「フォルクスワーゲン」と呼ばれていましたが、後にワンボックススタイルの派生モデル「トランスポーター(タイプ2)」と区別するために、型式を元に「タイプ1」と呼ばれるようになります。



戦前にポルシェ博士の設計で誕生したKdFは、戦後フォルクスワーゲンへと生まれ変わります。写真は1938年のプロトタイプです
 提供  VOLKSWAGEN
戦前にポルシェ博士の設計で誕生したKdFは、戦後フォルクスワーゲンへと生まれ変わります。写真は1938年のプロトタイプです


そんなタイプ1をベースにより高級な乗用車として1961年に登場した「第3のフォルクスワーゲン」がフォルクスワーゲン1500(タイプ3)です。タイプ1のエンジンをベースに排気量を1,500ccに拡大した新型エンジンを搭載。当初はセダンスタイルのノッチバックのみで、1962年に「バリアント」と呼ばれるステーションワゴンのスクエアバックが、1966年に今回紹介するファストバックが、それぞれラインナップに追加されます。



1961年のデビュー当初はセダン「ノッチバック」(手前)のみで、翌年ステーションワゴン「スクエアバック」(奥)が登場します
 提供  VOLKSWAGEN
1961年のデビュー当初はセダン「ノッチバック」(手前)のみで、翌年ステーションワゴン「スクエアバック」(奥)が登場します


それまで大衆車路線だったフォルクスワーゲンに、量産型としては世界初となる電子式燃料噴射装置やフルオートマチックなどをいち早く導入し、高級車路線を開拓したタイプ3でしたが、タイプ1より先に1973年に生産を中止。新登場のパサートやゴルフといった新生フォルクスワーゲンにバトンを渡すことになります。12年間という生産期間は、タイプ1と比べて短いと表現されることが多いですが、他のメーカーであれば十分にベストセラーといえるでしょう。

 

「生産台数がタイプ1と比べて少ないため、良い個体を入手することは年々難しくなってきていますが、いまでも多くのパーツや保安部品は入手可能なので安心して乗ることができます」と空冷フォルクスワーゲン専門店フラット4代表の藤田さん。ひと味違ったフォルクスワーゲンを相棒にしたい人にぴったりの一台です。



空冷フォルクスワーゲン専門店フラット4は、1Fは車両のショールーム、2Fはパーツショールーム、そしてB1Fがミュージアムとなっています
 提供  フラット4
空冷フォルクスワーゲン専門店フラット4は、1Fは車両のショールーム、2Fはパーツショールーム、そしてB1Fがミュージアムとなっています

タイプ1やタイプ2、ゴルフなどフォルクスワーゲンの新旧の名車たちを一堂に会した一冊。


■取材協力

フラット4

 

東京の目黒通り沿いにショールームを構える空冷フォルクスワーゲン専門店。車両販売はもちろん、各種パーツの販売、修理、レストアなども行っています。さらに地下1Fには歴史的にも貴重なヴィンテージフォルクスワーゲンを収蔵したミュージアムを併設しています(見学は予約制)。

 

東京都目黒区鷹番1-1-5

TEL:03-3792-7151

営業時間:9:30〜19:00

休み:日曜、祝日

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年8月21日
Funmee!!編集部
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