#43 MGF(歴史&スペック編)
自動車
【趣味人ジドウシャ部】︎

#43 MGF(歴史&スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。


今回はMGブランド復活のためにローバーグループが生産したライトウエイトスポーツ、MGFを紹介します。




全長4m未満のコンパクトな2シーター


紹介するのはMGFという2シーターのオープンモデルです。MGというと、かつてイギリスで最も有名なスポーツカーブランドとして多くのスポーツカーをリリースしていました。しかし、イギリス自動車業界再編の波に揉まれ、統合や再編を繰り返した結果、ローバー傘下となります。そんなローバー傘下でMGブランド復活の一環としてリリースされたのが、MGBのシャシーにV8エンジンを搭載して1992年にデビューしたRV8と、今回紹介するMGFだったのです。



全幅1.63m、全長3.9mとMGFは余裕で日本の5ナンバーサイズに収まります
 出典  Funmee!!編集部
全幅1.63m、全長3.9mとMGFは余裕で日本の5ナンバーサイズに収まります


新設計のコンパクトなボディは、不要なものを徹底して排除した結果、車重約1トンと非常に軽量です。前後オーバーハングも短いうえに、ミッドシップにエンジンを搭載しているため、驚くほど高い運動性能を持ちます。幌も軽量化のために電動化はせず、手動で開閉します。近年のスポーツカーらしく、フロントウインドウはかなり傾斜していて、CD値も0.36とコンパクトなオープンカーとしては良好です。



フロントウインドウがかなり傾斜していることがわかります。幌の開閉は手動ですが、非常に簡単です
 出典  Funmee!!編集部
フロントウインドウがかなり傾斜していることがわかります。幌の開閉は手動ですが、非常に簡単です


MGFはさらにオプションでハードトップを購入することができました。ハードトップはボディ同色で、丸みを帯びた形状がボディにマッチします。また若干ですが幌を閉めた状態よりヘッドスペースも広くなります。




ボディ同色の丸みを帯びたハードトップ。セットすると幌とは違った雰囲気に
 出典  Funmee!!編集部
ボディ同色の丸みを帯びたハードトップ。セットすると幌とは違った雰囲気に

小さなガレージからスタートしたイギリスの自動車メーカー


のちに自動車メーカー「Morris Motors」の経営者となるW・M・モリスが自転車の組み立てと自動車販売を行う工場として1910年に「Morris Garages」を発足します。Morris Motorsを設立後、Morris Garagesはモーリス車のスポーツバージョンを製作するファクトリーとしてレーシングカーやスポーツモデルを手がけるようになります。

 

これがMGのルーツです。そんなMGの名前を世に知らしめたのが、1924年頃に製造されたといわれる『OLD NUMBER ONE』と呼ばれる車両です。当時MGに在籍していたレースにも参戦していたセールスマネージャー、セシル・キンバーのために製作された車両で、MGの名前を冠した第一号車となる記念すべきモデルです。セシルのドライブでレースにも参戦し、優勝するなど高性能ぶりをアピールしました。



MGの名前を世界に知らしめたOLD NUMBER ONE
 提供  MG
MGの名前を世界に知らしめたOLD NUMBER ONE


戦後になると1961年にオースチン・ヒーレースプライトの兄弟車となる小型オープンのMGミジェット、MGAの後継車として1962年に登場したMGBとたて続けにヒット作を連発し、MGの黄金期を形成します。ところがMGの大きな輸出先でもあったアメリカに置ける排ガス規制の強化などによって徐々に販売は低迷し、ついに1980年、当時の親会社であるBritish LeylandはMGBの生産中止とアビンドン工場の閉鎖を決定。事実上MGブランドは消滅してしまうのです。MGFはそんな時代背景の中、ローバー傘下となった1995年に、MGブランドの復興という使命を背負って登場するのです。



1962年から1980まで18年もの間生産され続けたMGBは一般的に最も知られているMGといえるでしょう
 提供  クラシックガレージ
1962年から1980まで18年もの間生産され続けたMGBは一般的に最も知られているMGといえるでしょう


MGというブランド名を冠しながら、ローバー傘下で製造されたMGFは、MGのなかでは異端の存在かもしれません。しかしMGBなどの価格が顕著に高騰している現在、MGFは最も気軽にオープンスポーツを楽しむことができるMGブランドのクルマでもあるのです。

 

「ハイドラガス・サスペンションやエンジン本体の不具合がない状態の良い個体を選べば、MGFはMG入門用として最適ですね」とクラシックガレージの小林さん。ブリティッシュライトウエイトスポーツに乗る良いチャンスかもしれませんね。



首都高5号線戸田南インターからすぐという好立地に位置するクラシックガレージ
 出典  Funmee!!編集部
首都高5号線戸田南インターからすぐという好立地に位置するクラシックガレージ

MGをはじめ、モーリスやロータス、ジャガーなど英国生まれの名車たちが多数掲載。モデルとブランドの相関図も。


■取材協力

クラシックガレージ

 

欧州車を中心にクラシックカーやヴィンテージカーの販売やメンテナンス、レストアなどを行なう専門店。幅広い欧州車に精通したメカニックが腕を振るうファクトリーを併設しています。また最近開始したクラシックカーのレンタルも人気です。

 

埼玉県戸田市早瀬1-19-1

TEL:048-421-0347

営業時間:9:00〜19:00

休み:日曜(相談可)

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年8月23日
Funmee!!編集部
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