成功の理由は「好き」と「徹底した分析」! 『野菜を食べるカレーcamp』佐藤卓さんの、マーケティング術【後編】


マーケティングをフル活用し、「野菜感」と「ライブ感」という2つの要素を組み合わせたカレーを提案、今では日本を中心に約30店を展開している『野菜を食べるカレーcamp』オーナーの佐藤卓さん。
アメリカへの出店を視野に入れ、今、カレーと日本食に思うことについて語ってもらいました!

成功の理由は「好き」と「徹底した分析」! 『野菜を食べるカレーcamp』佐藤卓さんの、マーケティング術【前編】

「ある日、気付いたら行列が」 熱狂的ファンが教えてくれた人気店への道のり

 出典  Funmee!!編集部


――本店はオープンしてすぐ軌道に乗ったんですか?


2年くらいは閑古鳥が鳴いていました。なぜかというと、当時の僕が頭でっかちの素人だったからです。大手チェーン店の隣でお店を始めてしまう思い上がりも含め、コンセプトやアイデアだけが先行して、カレーに対する本気の思い入れがなかった。それではお客様には何も伝わらないですよね。そこから、きっちり現場に入って腕を磨き、お客様の意見を素直に聞いて、カレーを改良していきました。



――最初からヒットしたわけではなかったのですね。


でも、非常に少ないけれど熱狂的なファンがいて、その方々が支えてくれたんです。中には毎日来てくれる人もいました。そうなると、払ってくれたお金以上のものをお返ししたいと思うようになる。

一生懸命に調理の勉強をして技術を磨き、レシピを研究して、お客様に食べてもらったカレーの感想を聞きました。そして、お客様の意見を参考に、少しずつ味を改善して。そんなことを繰り返していると、自然と謙虚になって、比例するようにカレーの味も良くなっていったのです。ちょっと精神論みたいですけど。



――飲食店の方に取材すると、似たような話をよく聞きますよ。作り手の気持ちが味に反映されるというか。


そうなんです。そうこうしているうちに、いつの間にか繁盛するようになっていて。ウソみたいな話に聞こえるかもしれませんが、ある日、気づいたら行列ができていました。



――カレーの味はどのように改良していったのですか?


コンセプトどおり、昔から野菜はたっぷり使っていたんです。ただ、単純に炒めてカレーソースと合わせるだけだったので、野菜そのものの味が薄かった。なので、野菜に味を焼き付ける工程を足しました。野菜を炒めるときに濃いタレで下味をつけ、それからカレーソースを加えて煮立てる。このひと手間で、味がグンとよくなりましたね。



 出典  Funmee!!編集部


――それからは、あれよあれよという間に30店以上のライセンス店を展開するようになり。今年の2月にはバンコクにも進出しましたが、海外出店は初ですよね?


はい。海外への出店は、僕にとって大きな一歩だと感じています。バンコクのお店では、10月にお亡くなりになったタイの国王がかかわっていた「ロイヤルプロジェクトファーム」の野菜を使っています。ローカライズしたメニューも好評です。



素人っぽさを大切に。 アメリカで“普通の日本食”を広めたい

 出典  Funmee!!編集部


――この仕事を始めてから、ご自身の中で何か変わったことはありますか?


あまり外食をしなくなったかな。とくにカレーは外で食べなくなりました。なぜかというと、影響を受けてマネをしてしまうからです。僕の生命線は、メジャーな人たちとは違う素人っぽさだと思っているので、そこをキープしたくて。あと、外食はお客様にとって非日常的な体験ですよね。僕自身が頻繁に外食していると、それ自体が日常になってしまう。ルーティンの仕事の中で非日常感を維持するために、極力家で食事をするようにしています。



――会社員時代と比べて、日々の習慣に変化は?


ネットメディアで取り上げられるニュースを意識するようになりました。接客するときに日経新聞で読んだ難しいことを言っても仕方ないですからね。あとは、一回りも二回りも若い人と仕事をしているから、年甲斐もなく言葉遣いが若くなる(笑)。



 出典  Funmee!!編集部


――スタッフさんを注意するときに「オコだぞ!」って言ったり?(笑)


「激オコ」くらいは平気で使いますよ(笑)。普通に「からの~?」とか言ったりしますから。それで帰宅して鏡を見ると、疲れたおっさんが映っている。本当に愕然とします(笑)。



――最後に今後の人生で挑戦したいことを教えてください。


やっぱりアメリカ進出ですね。アメリカにいると、日本人というだけで未だにエキゾチックなイメージを抱かれることがあります。そんな環境のなかで、普通の日本人が、母国で日常的に食べているカレーを紹介したい。そうすれば、日本のイメージも少しは変わるのかな、と思いますね。



成功の理由は「好き」と「徹底した分析」! 『野菜を食べるカレーcamp』佐藤卓さんの、マーケティング術【前編】


■プロフィール

『野菜を食べるカレーcamp』代表/本店マスター

佐藤 卓さん


「野菜感」と「ライブ感」の2つの要素を融合させた斬新なカレーを考案し、『野菜を食べるカレーcamp』にて提供。現在、30を超えるライセンス店を展開している。2016年2月にはタイ・バンコクに出店し、初の海外進出を果たした。最大の夢はアメリカ進出。

http://curry.camp/


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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:吉田 勉(Tsutomu Yoshida)

写真:上石了一(Ryoichi Ageishi)


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Funmee!!編集部

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