April 1, 2024

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【ザ・使い込んでる部】︎38 求める形を削りだせるタミヤ「モデラーズナイフPRO」

使い続けるのには理由がある。愛し続けられるのには想いがある。そんな趣味にまつわるこだわりの”私物”を紹介する「ザ・使い込んでる部」。

俳優、梅里アーツさんは、“arts”と名乗る通り、絵、音楽、写真……とマルチな芸術に才能を発揮。今回は、最近どっぷりハマっているオリジナルのラジコンやフィギュアづくりに愛用するタミヤのモデラーズナイフを紹介していただきました。

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絵画の道から一転、俳優に

もともとは絵が好きで、大学は美術系で油絵専攻してたんですよ。大学院までいって教員免許も取ったんですけど……。もっと自分自身でパフォーマンスしたいと思って、卒業したらすぐ上京して俳優目指すことにしちゃいました。演技の経験?……なかったです。母親は3日くらい泣いてましたね。

上京した当時は俳優としてやってくのに必死でしたけど、息抜きで秋葉原に行くのが大好きで。小学校の頃からラジコン好きだったんですよ。秋葉原はラジコン屋もあるし、サブカルチャーの聖地だし、「市場調査」って名目で暇さえあれば通って(笑)。そこでフィギュアにも出会いました。

「欲しい」よりも「つくりたい!」

ラジコンって、車体をつくって走らせるだけじゃなくて、いろんなアクセサリーでドレスアップしてオリジナルの一台に仕上げていくのも楽しいんですよね。

アクセサリーは、ラジコン屋に行けばもちろん売ってます。でも自分の場合、できれば自分でつくったものを載せたい。それが楽しいんです。

なかにはラジコンに乗せる人形をつくってる人もいて、そういうの見てるうちにフィギュアにも注目するようになって……。いまのフィギュアって、造形がものすごくリアルなんですよ。どうやってつくってんだろう? って見てると、「欲しい」っていうより「俺もこういうのつくりたい!」って思っちゃって。

コレ一本であらゆる形を削りだせる

フィギュアづくりは、大雑把にいうと粘土で骨組みに肉付けして、固まったら彫刻みたいに削って形をつくって、仕上げに表面をやすりで削って滑らかにしていきます。

精巧につくろうとするほど使う道具もいろいろで、ネットで調べまくってかなり揃えました。でも結局一番気に入ってるのが、最初に買ったタミヤの「モデラーズナイフPRO」なんです。

直線刃、曲線刃、平刃と3タイプの刃がセットになってるんですが、とくに曲線刃は広い面でも細かい面でも曲面でもオールマイティに削れる。ほとんどこれだけでフィギュアの形ができちゃうくらいです。

フィギュアみたいな立体物って、結局は面と面とのつながりでできてるんですよね。線は補助的なもので、実際にはあまりない。だからいろんな面を削り出せるこのナイフで求める形を探していく作業になるんです。

僕がつくりたいフィギュアは美少女系とかじゃなくて、リアルな造形でありながらも”キャラクターらしさ”が感じられるもの。ナイフで削りながら、最初の形からどんどん変わって求める形が露わになっていくのは、もう快感でしかないんです。

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