【ヘンアイ国産自動車の会】#01 いすゞ・ピアッツァ(スペック編)


最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった魅力的なクルマたち。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう新連載が「ヘンアイ国産自動車の会」。最初に登場するのは「いすゞ・ピアッツァ」です。神奈川県在住のオーナー、山崎大作さんに取材してきました。



名デザイナーが手がけたクルマ、ピアッツァ


ピアッツァは先代のいすゞイメージリーダーだった「117クーペ」と同じく、自動車デザインや工業デザインで著名なデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインを手がけたクルマです。そもそもは1979年のジュネーブ・ショーに出展された「アッソ・ディ・フィオーリ」というコンセプトカーが基となっていますが、1981年にピアッツァとして登場した市販車もほぼそのままのデザインで、称賛と驚きをもって迎えられました。

山崎さんの愛車はイルムシャー仕様のピアッツァ

 出典  Funmee!!編集部


1980年代というのは、オイルショックや排ガス規制で牙を抜かれたクルマがまた速さを取り戻していく、いわばパワー・ウォーズの時代。当初はノンターボエンジンを積んで登場したピアッツァも、モデルライフの途中から高性能なターボエンジン搭載車が主となっていきます。



圧倒的美しさで駆け抜ける。イルムシャー仕様のピアッツァ


山崎さんが憧れた「ピアッツァ・イルムシャー」は1985年のマイナーチェンジで追加されたグレードで、ターボエンジンを搭載した「ピアッツァXS」をベースに、オペルなどGM系列のクルマを得意とした西ドイツ(当時)のチューニングメーカー「イルムシャー」社が手を加えたもの。


いすゞは1971年よりGMと資本提携しており、同じくGMグループのオペルと関係が深いイルムシャーの技術をいすゞの乗用車へ取り入れるべく「いすゞ・アスカ」などとともにいすゞの若手エンジニアやデザイナーが企画したものでした。



ヒトデホイールと呼ばれる、イルムシャー専用のデザイン

 出典  Funmee!!編集部


そのチューニング内容は、まずは脚周り。フロントダンパーとフロント/リアのスプリングを新開発の専用品としたことを中心に、パーツの組み合わせを変えイルムシャー・セッティングを実現。外観はフロントエアダムとリアスポイラーといったエアロパーツを装着し、もちろんストライプやデカールもイルムシャー専用です。


個性的なデザインで目を惹くホイールカバーは、当時を知る人にとっては「これぞイルムシャー!」といったポイントでしょう。実はカバーの下に隠れているアルミホイール自体もイルムシャー専用のデザインで、ベース車両購入時にはカバーともども失われていたのですが、山崎さんは元通りのオリジナル仕様に戻しました。



レカロ製フロントシート

 出典  Funmee!!編集部


内装はレカロ製フロントシートとモモ製ステアリングホイールが目立ちますが、実はリアシートの生地もフロントと同じくレカロ仕様となっていて、通常のピアッツァとは異なります。この内装がキレイにそのまま残っていたことが山崎さんが購入を決めたポイントでした。

 

いすゞ車に強い「イスズスポーツ」でレストアを始めた山崎さんのイルムシャーですが、程なく「やはりボディ下側のサビが酷く、使えない」という連絡が入ります。普通ならそこで匙を投げてしまいそうですが、山崎さんとショップは諦めることなく、同じく赤いピアッツァのボディをもう一台入手。程度の良いボディと内装を組み合わせ、レストアを進めました。



イルムシャーのロゴもしっかり入っています

 出典  Funmee!!編集部


最終的には、何かあったときの部品取り車も兼ねて、イルムシャー専用装備以外の仕様は同じだというピアッツァXSをもう一台入手するという熱の入れよう。山崎さんのピアッツァは、イルムシャーの中でも数が少ないMT(マニュアル・トランスミッション)仕様ですが、このトランスミッションが壊れると修理が難しいそう。XSも同じくMT仕様のため、備えは万全です。



20年以上も前のクルマだけど、一生付き合える存在


2年以上の歳月をかけ、ピカピカになって山崎さんのガレージへと収まった赤いピアッツァ・イルムシャー。


エンジンは2リッター直列4気筒SOHCターボの4ZC1型で最高出力は150PS、いまとなってはそれほど目立つスペックではなく、実際、多くの現行車を並行して所有する山崎さんにとっては「いま乗ると速くはないなぁ」とは感じるものの、「わたしのピアッツァはMTということもあり、自分でクルマを操っている感じが強いですね。ピアッツアが現役のときは重い重いと評されましたが、いま乗ってみるとそうは感じないんですよ。如何にいまのクルマが大きく重くなったか、ということでしょうね」と、非常にお気に入りの様子。




ピアッツァ独自の「サテライトスイッチ」

 出典  Funmee!!編集部


メータークラスター周りにすべてのスイッチが集中配置されたピアッツァ独自の「サテライトスイッチ」も、実際に運転してみると使いやすいものでした。



何でもない日が特別になる、とっておきの一台

晴れた日は、仕事の合間にピアッツァでドライブ

 出典  Funmee!!編集部


多くのクルマをガレージに置いている山崎さんですが、趣味のクルマはピアッツァだけだといいます。実は、部品取りのつもりだった黒いピアッツァXSも車検を取り、走れる状態にあります。いまは細かな手直しをしている最中ですが、戻ってきたら普段は黒いXS、とっておきの日は赤いイルムシャーに乗ろうかと画策中。


イルムシャーはオリジナル状態を維持し、XS-Gでは当時周りの友人が施していたようなカスタマイズを楽しもうかなと空想しています。




■プロフィール

山崎大作さん

1966年(昭和41年)生まれ、神奈川県横浜市在住

自動車メーカーや金融機関勤務を経て、現在は不動産業を中心とした会社を営む。自宅や会社など、何箇所にもガレージを構えるほどのクルマ好き。



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文:大坪知樹(Tomoki Otsubo)

写真:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)

取材協力:ISUZU SPORTS



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Funmee!!編集部

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