逗子の夫婦が実践する、新しい生き方・働き方 。『アタシ社』ミネシンゴさん・三根かよこさん【前編】


夫が編集者、妻がデザイナー。

逗子駅からほど近い木造一軒家をベースに、たった2人で出版社を立ち上げたミネシンゴ・三根かよこ夫妻。

2人で出版社ってどういうこと? 夫婦で働くのって楽しい? 

さまざまな疑問をぶつけてみました。


会社員時代に美容文藝誌『髪とアタシ』を創刊し、2年前に独立して出版社『アタシ社』を設立。

発想力と実行力を兼ね備えたミネシンゴさんと、その右腕であり、揺るぎない自分ワールドを持つ妻・三根かよこさんが実践する、新しい時代の生き方・働き方をご紹介。

美容師から編集者へ。そして自分の出版社を設立

 出典  Funmee!!編集部


――まず、ご自身の出版社を立ち上げたきっかけを教えてください。


ミネシンゴ(以下ミネ):僕はもともと東京で美容師として働いていたんですけど、「モノ作りがしたい」と思って23歳のとき美容系の出版社に入り、業界誌の編集者になりました。その雑誌を制作しているうちに業界の課題がいろいろ見えてきて、「美容業界を変えたい」と思って再び現場に戻ったのですが、今度はヘルニアになって辞めざるを得なくなってしまって。そこからリクルートに入って営業の仕事をしながら、同時進行で『髪とアタシ』を創刊したんです。美容師として何も成さずに辞めてしまったので、「美容業界で何かを成し遂げたい」という思いがずっとあって、それをカタチにしたのが『髪とアタシ』でした。独立して出版社を立ち上げたのは、今から2年前です。



三根かよこ(以下かよこ):私も以前はリクルートで出版物の制作に携わっていたんですけど、在籍中に夜間の専門学校に通ってデザインを学んでいました。ミネが出版社を立ち上げたのをきっかけに、デザインの仕事を手伝うようになりました。



――『髪とアタシ』はどんなコンセプトの雑誌ですか?


ミネ:ヘアスタイルのデザインとかトレンドとかは追わずに、個性的な美容師さんの生きざまを見せていく「読み物としての美容雑誌」です。美容の業界誌って何誌もあるんですけど、どれも似たような内容で、出てくる美容師さんもほぼ同じ顔ぶれなんですよね。でも日本全国には約40万人の美容師さんがいて、ローカルで活躍しているおもしろい人もたくさんいるので、そういう人たちを紹介していきたいなと。



「私」ではなく「アタシ」。そこに秘めた想いとは?

 出典  Funmee!!編集部


――雑誌のタイトルを「アタシ」にしたのは、何か意図があるのでしょうか。


ミネ:女の人って公式の場では「私」と言うけど、飲み会とかプライベートな場面では「アタシ」と言ったりするじゃないですか。その瞬間って「素」が出ていると思うんですよね。僕は、そういう素の個性を大切にした美容師さんを応援したいんです。最近は個性の薄れた「サラリーマン美容師」が増えてきているので、一人称の「アタシ」というのをもっと大切にしながら髪と向き合う人生を送った方がいいよね、という思いを込めています。



――社名も「アタシ社」にしたのは、ご自身の個性も大切にしたいという思いから?


ミネ:そうですね。ここ数年は特に、「自分で考える」ことを大切にしたいと強く思うようになりました。大人になったんだけど、さらにまた自立するというか。僕らが拠点にしている逗子・鎌倉・葉山あたりは、個人事業主として自立したクリエイターも多く住んでいるので、そういう人たちからも日々刺激をもらっています。



タイプが違う2人だからこそ、できること

 出典  Funmee!!編集部


――おふたりはもともと、湘南の出身ですか?


かよこ:いいえ。私が千葉で、ミネは横浜出身です。


ミネ:2回目に美容師をやろうと思った時、鎌倉のお店に入ったので逗子へ引っ越したんです。本当は鎌倉に住みたかったんですけど、家賃が高くて……(笑)。それが7年くらい前で、ちょうどその頃にかよこと出会って、同棲を経て結婚して今に至ります。



――ミネさんは昔から、夫婦で一緒に仕事をしたいというビジョンがあったんですか?


ミネ:漠然とですけど、2人で仕事ができたらいいなというのはありましたね。僕は仕事が好きだし、今まで仕事に生かされてきたみたいなところもあったので、結婚するなら「仕事が好き」と言える女性が理想でした。かよこがまさにそういう人で。



――夫婦で仕事をするのは、いいことも大変なことも両方ありそうですね。


かよこ:タイプが全然違う2人なので、ぶつかることはしょっちゅうです(笑)。ミネは人から愛される力があって、人を紹介してもらったり、人と人をつなげたり、人の輪を広げたりできる外交官のような人。私は一人でずっとやっていたいタイプだから、外交官と穴ネズミみたいな関係性なんです(笑)。


ミネ:僕は飽き性だから、1つのことをずっとやり続けるのが苦手で(笑)。かよこはそこをサポートしてくれて、僕が作りたいイメージを具現化してくれる右腕のような存在ですね。役割が全然違うからこそバランスがよくて、モノを作る上で、すごくいいパートナーだと思います。



逗子の夫婦が実践する、新しい生き方・働き方 『アタシ社』ミネシンゴさん・三根かよこさん【後編】


■プロフィール

アタシ社

ミネシンゴさん/三根加代子さん


逗子を拠点とする出版社『アタシ社』を運営する夫婦ユニット。年2回、美容文藝誌『髪とアタシ』を制作・発行するほか、書籍やパンフレット、ウェブサイトの編集、デザイン、写真撮影などを2人で行っている。



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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:古田朱美 (Akemi Furuta)

写真:上樂博之(Hiroyuki Joraku)


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Funmee!!編集部

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