逗子の夫婦が実践する、新しい生き方・働き方 『アタシ社』ミネシンゴさん・三根かよこさん【後編】


夫・ミネシンゴさんが編集者、妻・三根かよこさんがデザイナー。

仲良し夫婦が運営する最小単位の出版社「アタシ社」は、設立から2年を経て着々と進化中。現在の仕事内容や今後の目標について伺いました。


自社で制作・発行する美容文藝誌『髪とアタシ』のみならず、今後はどんどん新しい媒体を世に送り出していきたいというミネシンゴさん・三根かよこさん夫妻。

逗子を拠点とする出版社ならではの新企画も進行中です。

逗子とともに、成長する出版社でありたい

 出典  Funmee!!編集部


――普段の仕事内容について教えてください。


ミネシンゴ(以下ミネ):『髪とアタシ』は半年に1回をめどに出版しています。最近はライターさんにもお願いしているとはいえ、デザインや写真、営業、流通などはできるだけ自分たちでやるようにしています。なので作る熱量とていねいさを担保するとなると、半年に1回がギリギリですね。


三根かよこ(以下かよこ):その合間に、クライアントさんから依頼を受けてパンフレットやウェブサイトなどの制作もしています。でも、やっぱり「出版社」と名乗っているからには自分たちの版元から出す本も増やしていきたくて、単行本や新しい雑誌を創刊する準備もしています。いずれは、自分たちの版元から出す本だけでやっていくのが目標です。



――今、準備しているのはどんな内容の本や雑誌ですか?


かよこ:1つは私が編集長になって、都市に暮らす30代くらいの人を対象にした社会派メディアを作ろうとしているんです。哲学者・禅僧・ジャーナリストなどさまざまな方の協力を得ながら、「いろんな問題があるけれど、その問題を生み出す私たちは何者なのか」というような研究を進めて、それを文芸という形に落とし込む雑誌を目指しています。個人的にも、「レジに持っていっても恥ずかしくない社会派メディア」がずっと欲しかったので。


ミネ:あとは、ある美容師の半自伝のような単行本。それと、逗子の観光ブックも企画しています。逗子に老舗のタクシー会社があるんですけど、そこの運転手さんが主役の観光ブックです。地場に土着しているタクシーの運転手さんだからこそ知っている、本当においしい店やおもしろい場所を紹介していく予定です。



 出典  Funmee!!編集部

――たしかに、鎌倉の観光ガイドはいっぱいあるけど逗子のガイド本は少ないですもんね。


かよこ:鎌倉は飽和状態だけど、逗子はまだまだ可能性があるんですよね。発展途上だからこそ、自分たちも街と一緒に育っていくことができるし。


ミネ:逗子は余白があるから、街の人と仲良くなって、街のことがもっと好きになって、ローカルメディアに入っていくということも自然にできる。そういう意味で、都会で出版社をやるよりも「深まる」感じがするんですよね。


自分たちらしく暮らせるから、この街が好き

 出典  Funmee!!編集部


――ちなみに、湘南=スローライフというイメージがありますが、おふたりはいかがですか?

 

ミネ:僕らは逆に超ファストライフ(笑)。食べ物でいえばジャンクフードも食べるし、ラーメンも食べるし、暮らしもまったくスローではないです。よく「東京が嫌いだから逗子に来た」みたいに思われがちだけど、僕らは東京も好きだし、現に週2~3日は東京へ行って仕事をしています。実際に住んでみて思うのは、東京と断絶するんじゃなくて、「東京といかにうまく付き合うか」を考えた人がここに移住してくるのかな、ということ。逗子は東京と付き合うのにちょうどいい距離感だし、ファストライフもやりやすい。すごく住み心地がいいです。

 

かよこ:この先も、ずっと逗子に住みたいよね。環境因子によって自分の生み出すものってすごく変わってしまうと思うから、好きな場所に住むことを大事にしたいです。


仕事もプライベートも、本と一緒の毎日

 出典  Funmee!!編集部


――お忙しい毎日だと思いますが、休日は何をしていますか?


かよこ:休日と呼べる日はないかも……。でも、365日働いてるけど365日遊んでるようなもので、本当に好きでやっているから辛くはないですね。逗子に住んでいながら海に行くこともほとんどないんですけど、暖かくなると本を10冊くらい持って行って、砂浜に敷いたレジャーシートの上でひたすら読んでいます。『「空気」の研究』とか『街の人生』とか、哲学や社会学系の本が好きですね。


ミネ:僕も、わりとインドアな暮らしになっちゃってますね。最近の趣味といえば、やっぱり本かな。特にローカルメディアが好きで、葉山の出版社が出している『葉山佳曲』という本もおもしろいですし、旅先で買ったりもらったりしたその土地ならではの本もたくさんあります。読書以外の趣味だと、お店の開拓は結構好きかな。逗子はていねいに手作りしている個人店のパン屋さんとか、インド人やパキスタン人がやっている本格的なカレー屋さんとかも多くて、食べ物屋を探すのが楽しいんです。だけど逗子で一番のおすすめは、僕の中では中華料理屋なんですけどね(笑)。



逗子の夫婦が実践する、新しい生き方・働き方 。『アタシ社』ミネシンゴさん・三根かよこさん【前編】


■プロフィール

アタシ社

ミネシンゴさん/三根かよこさん


逗子を拠点とする出版社『アタシ社』を運営する夫婦ユニット。年2回、美容文藝誌『髪とアタシ』を制作・発行するほか、書籍やパンフレット、ウェブサイトの編集、デザイン、写真撮影などを2人で行っている。

 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:古田朱美 (Akemi Furuta)

写真:上樂博之(Hiroyuki Joraku)




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Funmee!!編集部

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