レンズを楽しもう!<広角レンズ編>
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【カッコいい写真・カメラと撮影のキホン】︎

レンズを楽しもう!<広角レンズ編>

焦点距離:28mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:28mm

標準レンズの使いやすさに慣れてしまうと、広角レンズを購入しようと思うきっかけを見失いがちです。


ところが、広角レンズこそいまや、みなさんに馴染みのあるレンズなのです。


そう、みなさんが肌身離さず手にしているスマートフォンには、広角レンズが搭載されていることが多いのです。またコンパクトカメラにおいても広角レンズがしばしば採用されています。


今回はそんな広角レンズのメリットやデメリットを含めて解説するとともに、広角レンズの魅力に迫ってみましょう!



さて、広角レンズとはなんぞや?

そもそも、広角レンズとはどういった特徴のるレンズなのでしょうか。


広角レンズはイメージセンサー35mmフルサイズ規格のカメラで、焦点距離35mm以下のレンズのことを言います。


焦点距離は「【カッコいい写真・カメラと撮影のキホン】レンズを楽しもう!<望遠レンズ編>」でも簡単に触れましたが、「ピントを合わせた時の、レンズから撮像素子(被写体と考えてください)までの距離」です。

 出典  Funmee!!編集部

ちなみに24mm以下のレンズは超広角レンズと呼ばれることも覚えておきましょう。


さて、広角レンズと聞くと、読んで字のごとく「広い範囲が撮影できるレンズ」を想像すると思います。もちろんこれは間違えではありませんが、広角レンズは広い範囲を撮影できることだけが特徴ではありません。


広角レンズには、

・遠近感を強調した写真が撮れる

・被写界深度* が深くピントを合わせやすい

というメリットがあるため、実は初心者の方にオススメなレンズなのです。

(*被写界深度 とは、ピントが合っているように見える被写体側の距離の範囲のことです)


なお、ユニークな写り方が特徴の魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)も超広角レンズの一種です。

魚眼レンズでの撮影例
 提供 キヤノン
魚眼レンズでの撮影例

焦点距離の違いで、写り方が変わる

広角レンズの特性を知るうえで、

「焦点距離」による写りの違いを理解しておくと良いでしょう。


まずは同じ構図で焦点距離を変えた写真をご覧ください。

焦点距離:70mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:70mm
焦点距離:50mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:50mm
焦点距離:35mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:35mm
焦点距離:28mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:28mm
焦点距離:17mm
 出典  Funmee!!編集部
焦点距離:17mm

焦点距離の異なる5枚の写真を見比べると、下の写真になるほど、つまり焦点距離の値が小さくなるほどに歪んで写ることがおわかりいただけると思います。


前述の通り、一般的に35mm以下が広角と呼ばれます。一番下の写真、つまり焦点距離16mmの超広角レンズで撮影したの写真がもっとも周りが歪んでいますよね。


これも広角レンズの一つの特徴です。


焦点距離70mmで撮影した写真より広角レンズで撮影した方が、雰囲気までもが伝わる写真が撮れるのです。

背景の“ボケ感”も変わる

広角レンズは背景がボケにくい、という性質もあります。


ここでも実際の作例を見ていきましょう。

広角レンズ(焦点距離:28mm、絞り値:f/3.5)にて撮影
 出典  Funmee!!編集部
広角レンズ(焦点距離:28mm、絞り値:f/3.5)にて撮影
ズームレンズ(焦点距離:70mm、絞り値:f/3.5)にて撮影
 出典  Funmee!!編集部
ズームレンズ(焦点距離:70mm、絞り値:f/3.5)にて撮影

このように比べて見ると焦点距離28mmで撮影した写真より70mmで撮った写真の方が背景が自然にキレイにボケています。


背景のボケ感を狙う写真には広角レンズは不向きと言えるでしょう。


また、フレーミング範囲が広いので何を伝えたいのかを意識し、構図を考えないと印象の弱いフラットな写真になってしまします。広角レンズを起用するならば、この点は要注意です。

広角レンズに適したシーンや作風は?

広角レンズの特性と注意点を知ったところで、広角レンズが威力を発揮するシーンを紹介しましょう。


どこまでも広大な風景

 提供  キヤノン
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肉眼で見えている景色よりも、より広い画を撮影することができるのが広角レンズの醍醐味です。

広大な景色の撮影には打ってつけです。


荒々しく荘厳な自然風景、はたまた吸い込まれるような満天の星空……

こうした景色は、広角レンズの特性を存分に活かして撮影いたいものです。

ドラマチックな夜景や夕景

 提供  キヤノン
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景色の1ジャンルではありますが、夜景や明かりが灯り始める夕景は撮影は広角レンズの得意ジャンルと言えます。


上の写真のようにフレーミングの広さを活かして撮影することで、広がりがありながら、明暗のついた印象的な夜景を撮影することができるのです。

うっとりするようなリフレクション

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建物や山々が水面に映って見えることを「リフレクション」と呼びます。


明かりや反射など、様々な条件が合致して撮影することのできるシーンですが、この幻想的な雰囲気はカメラ好きであれば是非一度は挑戦してもらいたい撮影です。


この現実世界と水面に映るリフレクションの世界を1枚に写そうと思うと、標準レンズではフレームに収まらないことが多々あります。そんな時にも活躍するのが広角レンズなのです。

近くにも遠くにもピントが合う!

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通常レンズや望遠レンズの場合、モチーフにピントを合わせると、手前や背景は自ずとボケます。

広角レンズがボケづらいことはすでに説明しましたが、この特性は「近くから遠くまでピントが合う」ととらえれば、武器となります。


上の写真のように、手前にあるモチーフと背景の建物、そのいずれもをはっきりと写すことができるのは広角レンズならではです。


このように手前も遠くもボケることなく写すことができることを「被写界深度が深い」と言いますが、この特性はモチーフに寄って撮影しても効果を発揮します。

 提供  キヤノン
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この2枚の写真のように、モチーフに寄ることで背景はボケ始めますが、決して対象が認識ができないほどにはボケないのが広角レンズの特徴です。


ボケ過ぎない背景からは、周囲の様子や雰囲気を感じ取ることができます。こうした写真も広角レンズの十八番です。

特有のパースを利用したトリッキーな撮影

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被写体に寄って撮影することで、突き出るような迫力をもたせることができるのも広角レンズの特性です。


写真の端から中央に向かって収束するように歪むことをパースと言いますが、この効果は、広角レンズを用いて下から被写体をとらえることで如実に現れる現象です。


猫や標識……、そんな日常的なモチーフも広角レンズで撮影することで、とたんにアーティスティックな1枚となるのです。

唯一無二な画作りは魚眼レンズで!

パースの話をしたので、魚眼レンズにも触れておきましょう。

魚眼レンズは写真の端にいくほどに歪みが強まるレンズです。

 提供  キヤノン
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多くを語る必要がないほどに、ユニークで不思議な写真を撮影するころができるのが魚眼レンズです。

広角レンズ、何を選ぶ?

さて、広角レンズに興味津々の方も多いことでしょう。

では、具体的にオススメのレンズを紹介するとしましょう。


広角レンズは、焦点距離を動かせる「広角ズームレンズ」と焦点距離が固定の「広角単焦点レンズ」に大別できます。


広いフレーミングで動く対象を追いかけるには広角ズームレンズが適しています。そして、背景のボケ感がキレイに出るのが広角単焦点レンズの特徴です。ポピュラーなキヤノンのレンズを例に、人気のレンズをセレクトしてみました。

<超広角レンズ>EF16-35mm F2.8L III USM

超広角レンズはなんといっても大きな歪みが特徴です。ダイナミックな夜景の撮影、そして下から煽って撮影することで歪みがいい演出になり臨場感のある写真を撮ることが可能です。

 提供  キヤノン

プロ・ハイアマチュアに人気の開放F2.8の大口径広角ズームが進化したモデル。UDレンズ(写真の色にじみを効率的に除去するレンズ)2枚の採用で色収差を大幅に低減。さらに、フレア・ゴースト(光が反射して発生する光のカブリや光の写り込み)を低減することに成功。画面中心から周辺の隅々までズーム全域で高画質化を実現しています。


希望小売価格:299,000円(ケース・フード付き、税別)

<広角ズームレンズ>EF17-40mm F4L USM

広角ズームレンズは焦点距離を変えられるので、フレーミングの違いが出せるのがメリットです。レンズ1本で風景や人物など、被写体に合わせて表現の幅を広げられる点ではお得です。

 提供  キヤノン

最短撮影距離0.28mの軽量・コンパクトな広角ズーム。機動性が高くきわめて実用的な一本で、風景はもちろん狭い室内でのスナップ、大人数での記念写真などに幅広く活用することができます。また、防塵・防滴構造により、 過酷な撮影環境にも対応します。


希望小売価格:120,000円(ケース・フード付き、税別)

<広角単焦点レンズ>EF24mm F1.4L Ⅱ USM

このレンズは単焦点レンズ、つまり焦点距離が固定です。このレンズの最大の特徴として開放値が明るいことが挙げられます。また、単焦点レンズは背景のボケ感がズームレンズよりキレイに出るのが特徴です。広角レンズは背景がボケにくいのが特性ですが、この単焦点レンズを使用して少ないボケ感をキレイに演出するのも手でしょう。ボケ感を出すためには開放値にして撮影することが肝要です。

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薄暗い室内や光量の足りない場所で活躍するF1.4の大口径・広角レンズです。新技術による反射防止コーティング〈SWC(Subwavelength Structure Coating)〉を採用し、従来は防げなかった特に入射角の大きな光によるフレア(光が反射して発生する光のカブリ)やゴースト(光の写り込み)の発生を抑制。優れた防塵・防滴性能を備えた頼りになるレンズです。


希望小売価格:235,000円(ケース・フード付き、税別)

<魚眼レンズ>EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM

魚眼レンズ(フィッシュアイ)は写り方に癖があるので普段の撮影ではなかなか登場しない”異色のレンズ”とも言える存在ですが、使い方次第では”作品”として仕上げやすい表現力を持っています。特に歪みを活かしての飛行機や風景、猫や犬の撮影ではその効果を存分に発揮してくれます。

 提供  キヤノン

最短撮影距離は0.15m。フルサイズ、APS-C、APS-Hの3つの異なる撮像素子で、本格的な魚眼効果を実現したフィッシュアイレンズです。フルサイズでは全周魚眼(※1)と対角線魚眼(※2)、APS-C/Hサイズでは対角線魚眼として使えます。高解像・高コントラストな高画質と高い防塵・防滴性能と耐久性を持ち合わせています。


※1 全周魚眼:画面の水平垂直対角線両方よりもイメージサークルが小さいレンズで、写真は円形になります。円周魚眼ともいいます。

※2 対角線魚眼:画面対角線よりも大きなイメージサークル径を持つものをいいます。画面中心を通る直線は歪みませんが、外側に近いほど線が膨らみ、樽型の歪曲が現れます。


希望小売価格:150,000円(ケース・フード付き、税別)

広角レンズの特性である遠近感の強調やピントの深さなどを撮影シチュエーションごとに解説。広角レンズファン必携の一冊。

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文:吉見光由(Miu Yoshimi)

写真:加藤史人(Fumito Kato)、網野貴香(Yoshika Amino)


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2018年6月19日
Funmee!!ライター
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