【僕のサン=サーンス】#05 僕の部屋にチェロがやって来た!


いつの日かの憧れに、本気になるオトナはややこしい……?


名曲『白鳥』を弾きたい一心で右往左往する無茶な連載企画「僕のサン=サーンス」第5話は、自宅にチェロを招き入れたよろこびと問題点を報告します。



チェロ、デカい!?


「まだ弾かんのかいっ!」というツッコミが入りそうですが、それを平気で無視できるほどの大事件なのですよ。楽器を手に入れるというのは。

 

そんなわけでチェロが僕の部屋にやって来ました。

第一印象は、デカい! 幸いにしてマイ・チェロはスケルトンボディなので抜け感に救われるけれど、それでも決して広くない僕の部屋における存在感は、楽器屋での印象とはまるで別物だった。

 

チェロがどれくらいデカいかを知ってもらうために、手持ちの弦楽器を並べてみた。ごく一般的なサイズのアコースティックギターとウクレレ。チェロの大きさが一目瞭然でしょ。



楽器自慢の写真じゃありませんよ。それにしても、もし生チェロだったらより存在感が高かっただろうと思います

 出典  Funmee!!編集部


ちなみにチェロは、写真に収めるためエンドピンを短くしてある。弾く際にはさらに50センチ近く背が高くなるので、チェロを持ったまま狭い部屋で移動するとアタフタしちまうのである。

 

とは言え、サイズは致し方ない。というか、それなりの存在感は新しい出会いの象徴としてよろこばしい。枠だけのボデイゆえワクワクする。なんてダジャレが口を突いて出るほどうれしかったりもする。



自宅練習の懸念事項1:音量


問題は音なのだ。長年連れ添ったギターの音量は弾き方で調整できる。しかし弓で弦を鳴らすチェロがどれほどのボリュームなのかは想像の外だった。だからこそ胴鳴りしないサイレントチェロを選んだわけだけど、僕はまだ十分にビビっていた。もし立ち退きを命じられたらとんでもない話だ。挙句の果てにチェロと家財道具一式を抱えてガード下で暮らすようになり、やがてストリートミュージシャンとして再起するのも他人事ならおもしろいけれど、その主人公は僕じゃなくていい。



駒に差し込む「弱音器」または「消音機」。パッケージには「PRACTICE MUTE」と書いてありました

 出典  Funmee!!編集部

こうして差し込みます。弦に触れず、駒の振動を抑えるのがミソです

 出典  Funmee!!編集部


「弱音器」というありがたいアクセサリーがある。いわばサイレンサー。チェロと同時に購入したのはゴム製の商品で、駒と呼ばれる部分に差し込み、駒の振動を抑制して音量を下げるタイプだ。

 

ただ、家で試してみた結果、響き自体は小さくなっても歯ぎしりっぽい音は残るので、一度きりで外してしまった。それに、あらゆる窓を閉め切ればギターと同程度の音量になることが確認できたので、弱音器には休んでもらってもよさそうだ。



自宅練習の懸念事項2:振動


懸念はまだある。振動だ。前回話したが、チェロの響きはエンドピンから床に伝わる。それはサイレントチェロであっても消し去れない。その振動で階下にご迷惑をかけることはできない。



“ビビり”な僕を“強気”に変えてくれるゴム板ダブル。2枚で約1,000円也

 出典  Funmee!!編集部


そこで必要になると思ったのが、厚手のゴムマット。チェロのエンドピンと床の間に挟めば振動を吸収するに違いない!? 窮地に追い込まれたときの自分とホームセンターは実に頼もしい。予想通り資材関連の棚にそれはあり、硬質ゴムの20mm厚とスポンジゴムの30mm厚を2枚重ねることにした。これで振動対策は万全になるだろう。

 

その2枚のゴムマットの上に置くのが、エンドピンの滑り止めとなる「ザ・ブラックホール」。英国のDycemというブランドの商品名だ。振動吸収用品ではないが、僕が自宅練習で起こす粗相のすべてを丸ごと飲み込んでくれることに期待したい。



これが「ザ・ブラックホール」。チェロ演奏の必需品だそうな

 出典  Funmee!!編集部


さぁ、準備は整った。いよいよ弾くぞ! 次回は初めてのお稽古編。ちゃんと先生に習います。長い目で見守ってくださいね。



僕の部屋でくつろぐチェロ様を起こして、いよいよお稽古に!

 出典  Funmee!!編集部




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文、写真:田村十七男(Tonao Tamura)



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Funmee!!編集部

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