サーフィンの試合観戦が10倍楽しくなる5つのポイント


サーフィンがオリンピック種目に決まり、注目度が高まっているコンペシーン。WSL(世界プロサーフィン連盟)では毎試合、ホームページなどでライブ中継を流している。けれど……競技の判定方法(ジャッジ)がわからない!

 

そんな人のために、どうやったら高い点数が出るのか、コンテストの見方をレクチャーします。



難易度はコンペの中で最も重要な評価のひとつ!


サーフィンのコンペティションには採点するための基準がいくつかある。その中でも最も重要なのがマニューバーの難易度。例えばボトムターンひとつとっても、どれくらい難しいことをしているかというのが採点に関わってくる。ボトムターンをしたから一律に何点というわけではなく、どれくらい最適、かつ難易度が高い位置で、深いボトムターンをしたのかというのが重要なのだ。

 


ミック・ファニングのボトムターン。レール(サーフボードのサイド部分)が深く入り、大きく波側にボードを傾けている。波のフェイスも切り立っていて、難易度が高いターンだとわかる

 出典  Funmee!!編集部

同じミック・ファニングによるボトムターンだが、これは次の動作に繋ぐためのターンでしかない。ボードも体も真っ直ぐ立っていて、難易度の低いターンだ

 出典  Funmee!!編集部


もちろんこれはボトムターンに限ったことではない。サーフィンのターンのことをマニューバーと呼ぶが、そのマニューバーのレパートリーは数々ある。どのターンやエアにおいても、この難易度がポイントを大きく左右する。サーフィンのコンテストを見るときも、その技やターンの位置や速さ、深さ、高さなど、総合的な難しさをチェックしていくと面白い。



どれくらい進歩的で革新的なマニューバーが入っているのかチェックせよ!


次にチェックしたいのは、マニューバー一つひとつの質ではなく、どれくらい革新的なマニューバーを1本のライディングの中に入れているか、という点だ。

 

ジャッジ基準ではこれを「イノベーティブ(革新的)」とか「プログレッシブ(進歩的)」と言っているのだが、マニューバーそのものが、いままであまりなされてこなかったような難しいものだと、高いスコアがつけられるということ。



他の人が誰もやらないような革新的マニューバーに挑戦していくという姿勢が、コンペでは高く評価される

 出典  Funmee!!編集部


簡単に言えば、ベーシックなトップターンよりもエアリアルローテーション(波のトップで宙を切るようにターンすること)のような技のほうが高い点数がつく可能性があるという意味なのだ。これは、サーフィンそのものをレベルアップさせるためにも必要なこと。比較したときにベーシックなマニューバーのほうに高い点数が出ると、誰も進歩的で革新的なマニューバーに挑戦しなくなってしまうからだ。



一本の波にいろんなマニューバーを入れているほうがスコアは高い!


次は1本のライディングを全体的に見ていこう。そのとき、できるだけいろんなマニューバーを入れているほうが高い点数がつきやすい。オフザリップ(波のボトムからトップに上り、波が崩れる反動を利用してボードを返トップから返す技)を何回も決められる波だったとしても、同じことをずっと繰り返していても、点数は伸びていかないということなのだ。



一つひとつのマニューバーの完成度や難しさも重要だが、バリエーションというのもジャッジのキーワードになってくる

 出典  Funmee!!編集部


しかし、1本のライディングの中にオフザリップ、フローター、カットバック、エアリアル、レイバックなど、さまざまアプローチを入れていくことでジャッジの評価は断然高くなる。一つひとつのマニューバーの名称は知らなくてもかまわないが、「なにかいろんなことをやってるな」と思ったら、そのコンペティターに対する点数は高くつくと思っていい。



1本の波で上のようなタイプの違うマニューバーをいくつも入れているコンペティターに対しては、ジャッジの評価が高くなる

 出典  Funmee!!編集部

パワフルなライディングで大きなスプレーを飛ばしていれば良い点数が出る!

選手が技を決めたときに出るスプレー。これが大きければ大きいほど派手に見えるが、見た目だけではなく、実際にこれも「パワー」という意味で評価の対象になる

 出典  Funmee!!編集部


ジャッジの基準において、「パワー」は非常に重要な要素だ。迫力のあるライディングを見せれば、当然ながら点数は高くなる。そのパワフルなライディングかどうか見分ける簡単なポイントのひとつがスプレーだ。

 

なにか技を仕掛けたあと空中に上がる波しぶき(スプレー)。その量が多く、遠くまで飛ぶようであれば、パワフルなライディングだと判断できる。実際、大きなスプレーを上げるために、ほとんどのツアー選手はアスリートとしてのトレーニングを積んでパワーアップを目指している。逆にまったくほとんどスプレーが上がらないようなターンは評価の低いマニューバーになってしまう。



スピーディなライディングのほうが評価は高い!

サーフィンはスピードがないと技が決まらなくなってしまう。コンペティターの場合は、そのスピードを高次元で表現する必要に迫られるのだ

 出典  Funmee!!編集部


サーフィンではスピードがとても重要だ。当然ながらスピード感溢れるサーフィンを展開しているほうがスコアは高い。明らかにスピードのあるライディングしているほうがスプレーも飛ぶし、エアリアルでも高く空中に飛び出すことができるのだ。

 

ただし気をつけたいのは、このスピードは現場で生のライディングを見ないと正確にはわからないということ。ライブ映像などの場合、カメラが選手の動きを追ってしまうので、本当の意味で速いかどうか判断がつかないのだ(後編へ続く)。




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文:中野晋(Susumu Nakano)

写真:Kenyu



■注記

本企画はサーフィン誌「Surf Style 2017(サーフスタイル2017)」(枻(エイ)出版社)の記事「10倍!!楽しくなる サーフィンの見方」の再掲載になります。



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Funmee!!編集部

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