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#38 ルノー 4(ディテール編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#38 ルノー 4(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回のクルマは「ルノー 4(キャトル)」です。

 

ディテール編では、1961年から1994年まで製造され、広く人々に愛され、日常のツールとして活用されてきたこのクルマの中身や変遷についてご紹介します。



“普通さ”が、たまらなく愛おしい

ガソリンはハイオク指定ですが、燃費は16〜17km/ℓとかなり優秀です
 出典  Funmee!!編集部
ガソリンはハイオク指定ですが、燃費は16〜17km/ℓとかなり優秀です


ルノー 4は、31年の間に830万台を超える数が生産されました。この累計生産台数は、フルモデルチェンジなしの単一車種としては、T型フォード、フォルクスワーゲン ビートルに続いて世界第3位の記録です。

 

しかしライバルであった2CVや、ミニ、ビートルといった、他の代表的なロングセラー車と比較すると、知名度ではやや劣る感は否めません。それらのクルマに対しては後発であることと、とにかく実用性にこだわったつくりで、とんがったところがないためでしょう。



シンプルな運転席まわり。質実剛健なつくりです
 出典  Funmee!!編集部
シンプルな運転席まわり。質実剛健なつくりです


しかしその“普通さ”がこのクルマの魅力。この記事の撮影車両は一般オーナーさんのものですが、このクルマで気に入っている点をたずねたところ、帰ってきた答えは「ちゃんと走るところ」。



ダッシュボードから手前に突き出したL字型のシフトレバー。マニュアルのトランスミッションは1968年まで3速、それ以降は4速
 出典  Funmee!!編集部
ダッシュボードから手前に突き出したL字型のシフトレバー。マニュアルのトランスミッションは1968年まで3速、それ以降は4速


パワーやスピードはいまのクルマには比べるべくもありませんが、街乗りはもちろん、高速でも安心して走れ、遠出をしても疲れない。旧車である時点でもちろん十分に趣味性の高いクルマではありますが、そういうこと特別に意識することなく日常のアシとして乗ることができるそうです。


「結果的にカワイイと言われる見た目をしていますが、道具としてちゃんとつくられている。そこが好きです」とオーナーさんは語ってくれました。



こぶりな3ペダル。その左に見えるのはウインドウォッシャーのスイッチ。踏む力の強さでウォッシャー液の出る勢いを調節できます
 出典  Funmee!!編集部
こぶりな3ペダル。その左に見えるのはウインドウォッシャーのスイッチ。踏む力の強さでウォッシャー液の出る勢いを調節できます

使い慣れた道具のように肩肘張らずに楽しめるクルマ

シンプルなフロントグリル。その左右の取っ手状のパーツは牽引時などに使うためのもの
 出典  Funmee!!編集部
シンプルなフロントグリル。その左右の取っ手状のパーツは牽引時などに使うためのもの


32年の間、ルノー 4はその基本構造には何ひとつ手を加えられることなく作り続けられました。もちろん年を経るごとに少しずつマイナーチェンジはされています。

 

これ以上ないシンプルなデザインのフェイスも、初期は中央にカマボコ型のグリル、その左右にヘッドライトという配置でしたが、1968年からライトリムと一体の長円型のアルミグリルになりました。そして1975年からグリルはプラスチック製となり、少し角張った形状に変更されました。また1977年からはウインカーが丸形から角形となっています。

 


トランスミッションがエンジンの前方にあるため、ダッシュボードから延びるシフトレバーがエンジンの上を横切っています
 出典  Funmee!!編集部
トランスミッションがエンジンの前方にあるため、ダッシュボードから延びるシフトレバーがエンジンの上を横切っています
 出典  Funmee!!編集部
エンジンの上を横切るシフトレバーの動き


エンジンは最初4CVのものをそのまま流用した747ccで、1963年にルノー ドーフィンに採用されていた845ccエンジンとなり、1978年には最上位グレードのGTLに1,108ccエンジンが搭載されました。



撮影車両は1986年式のGTL。外装はボンネット以外オールペン(全塗装)されています
 出典  Funmee!!編集部
撮影車両は1986年式のGTL。外装はボンネット以外オールペン(全塗装)されています


日本では、1976年から当時のルノーの日本総代理店、キャピタル企業によってこのGTLグレードのモデルが正規輸入されました。GTLはエンジンのほか、ボディ側面に樹脂製のサイドモールを備えていることなどが特徴ですが、日本ではこれが一番なじみのあるスタイルでしょう。

 

日本に残っている車両は比較的高年式のものが多いということもありますが、撮影車両のようにしっかりメンテナンスされたものは、前述の通り現代の日本の道路でも何不自由なく乗ることができます。



横方向にスライドして開閉するウインドウ。もちろん手動です
 出典  Funmee!!編集部
横方向にスライドして開閉するウインドウ。もちろん手動です


スライド式なので完全には開け放てないウインドウ、あちこち鉄板むき出しの内装、あまり効かないクーラー(そもそも後付けのオプションなのでついていない車両も多い)など、つくりの旧さを感じさせる点も多々ありますが、肝心な部分がちゃんとしているので、そうした点もあまり苦にならず、許せてしまいます。

 

オーナーにとって、肩肘張らず、使い慣れた道具のような安心感を与えてくれるクルマ、それがこのルノー 4というクルマなのです。



カバーごと回すと点灯する室内灯が何ともユニーク。カンタンなつくりにかえって愛着が湧いてきます
 出典  Funmee!!編集部
カバーごと回すと点灯する室内灯が何ともユニーク。カンタンなつくりにかえって愛着が湧いてきます

ルノー 4のメンテナンスと修理手順を大特集! ルノー 4オーナーの為のワークショップマニュアルです(英語本)。


■取材・撮影協力

J.ENGINE(ジェイ・エンジン)

 

2001年創業のフランス車専門ショップ。代表の永瀬純一さんはかつてのルノー日本総代理店キャピタル企業でメカニックをしていた経歴の持ち主。オリジナルパーツの開発・販売を積極的に行い、一般的なメンテナンスからレーシングチューンまで幅広い依頼に対応。フランス車オーナーから絶大な信頼を得ています。


埼玉県川口市東領家4-19-8

TEL:048-225-5040

営業時間:10:00〜18:00

休み:火曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)

 


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2018年7月25日
Funmee!!編集部
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