#38 ルノー 4(スペック編)
自動車
【趣味人ジドウシャ部】︎

#38 ルノー 4(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回のクルマは「ルノー 4(キャトル)」です。

 

シトロエン 2CVと並んでフランスを代表する傑作大衆車ですが、スペック編ではそのヒストリーを中心にご紹介します。



キュートなルックスの傑作大衆車

ボディサイズは全長3,668mm×全幅1,509mm×全高1,550mm。コンパクトながら大人4人が乗れて荷物も積める優れたパッケージングです
 出典  Funmee!!編集部
ボディサイズは全長3,668mm×全幅1,509mm×全高1,550mm。コンパクトながら大人4人が乗れて荷物も積める優れたパッケージングです


「ルノー 4」は、「ルノー 4CV」の後継車として、1961年に誕生しました。1946年から生産されていた4CVは、経済的なコンパクトカーとして大ヒットしていたのですが、1948年に「シトロエン 2CV」がデビューすると、徐々にフランスの国民車としての地位を脅かされるようになりました。



シンプルでキュートなデザインのテールランプと給油口
 出典  Funmee!!編集部
シンプルでキュートなデザインのテールランプと給油口


そこでルノーは4CVに代わり、2CVに対抗するためのクルマの開発を1956年にスタートしました。プロジェクトの名前は「350」。これは販売価格を2CVと同じ価格帯の35万フランと設定したことにちなんだものです。



ストローク量の多いサスペンションと軽量なボディのため、人が乗っていない状態では前下がりのフォルムになります
 出典  Funmee!!編集部
ストローク量の多いサスペンションと軽量なボディのため、人が乗っていない状態では前下がりのフォルムになります

開発コンセプトは「ブルージーンズのようなクルマ」


開発に当たり、当時のルノーの社長、ピエール・ドレフュスが掲げたコンセプトは「ブルージーンズのようなクルマ」。アメリカの鉱山労働者の作業着として発明され、カジュアルウェアとして世界中に広まったブルージーンズのように、丈夫で経済的で、気軽に乗れるクルマをつくりたいという思いが込められていました。

 

ルノー 4は、ライバルであるシトロエン 2CVを徹底的に研究して設計されました。先代車である4CVはRR(リアエンジン・リアドライブ)方式でしたが、ルノー 4は2CVに倣って荷室スペースを大きく取れるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式が採用されました。



ラゲッジスペースは開口部が大きくスクエアなので荷物の積み下ろしもラクチン
 出典  Funmee!!編集部
ラゲッジスペースは開口部が大きくスクエアなので荷物の積み下ろしもラクチン


しかし2CVと大きく異なるのは、4枚ドア+リアに跳ね上げ式のバックドアを備えた、いわゆる5ドアハッチバックのボディ。じつはこのスタイルを採用したのは、ルノー 4が世界で初めてのクルマなのです。また、注油ポイントをなくし、密閉式ラジエーターを採用することなどによってメンテナンスフリーをうたったのも、当時としては画期的なことでした。



後席のスペースも十分。頭上にもゆとりがあります
 出典  Funmee!!編集部
後席のスペースも十分。頭上にもゆとりがあります

30年以上フルモデルチェンジなしに走り続けた

後席をたたむと、フラットで広大なラゲッジスペースを確保できます
 出典  Funmee!!編集部
後席をたたむと、フラットで広大なラゲッジスペースを確保できます


ルノー 4は1961年9月のフランクフルト・モーターショー、次いで10月のパリサロンでデビューしました。発売時のキャッチコピーは「どこへでも乗って行ける旅行鞄のようなクルマ」。扱いやすく、荷物も積みやすくて、丈夫で長持ち。それでいてリーズナブル。キャッチコピー通りのクルマは、販売開始後6年間で100万台を突破するほどの大ヒットカーとなりました。



実用性を重視したスクエアなボディ形状ですが、角が丸みを帯びているために優美さと親しみやすさが感じられます
 出典  Funmee!!編集部
実用性を重視したスクエアなボディ形状ですが、角が丸みを帯びているために優美さと親しみやすさが感じられます


ちなみにデビュー時には、廉価版のR3(トロア)、ベーシックグレードのR4(キャトル)、上級グレードR4L(キャトレール)の3タイプがラインナップされていましたが、R3はR4との価格差があまりなかったために売れず、わずか1年で廃版になりました。また一番人気があったのはR4L(4L)だったため、フランスでは総称として「キャトル」ではなく「キャトレール」と呼ぶのが一般的です。



キャンバストップの開放的な「ダブルサンルーフ」仕様車。このように前席の上だけ開けることもできます
 出典  Funmee!!編集部
キャンバストップの開放的な「ダブルサンルーフ」仕様車。このように前席の上だけ開けることもできます


世界中で愛されたルノー 4は、1986年に生産地をスペインに生産を移したのち、1992年に公式に生産終了が発表されました。そしてモロッコとスロベニアでごく少数が生産され、1994年に長い歴史の幕を閉じました。

 

長年に渡って製造されたルノー 4には、基本スタイルのベルリーヌ(セダン)の他に、さまざまな派生モデルや特別仕様車が存在します。なかでも有名なのは、荷室高を高くして1962年から販売された、商用仕様の「フルゴネット」。このスタイルは1985年登場のルノー エキスプレスを経て、1997年から現在まで生産されているルノー カングーへとつながっていきます。バリエーションの豊富さからは、いかにこのクルマの基本設計が優れていたかがうかがえますね。



ルノー 4はフランスの自動車メーカー、ルノーが1961年から製造した小型大衆車。その魅力を精緻に再現した1/24スケールプラモデルです。


■取材・撮影協力

J.ENGINE(ジェイ・エンジン)

 

2001年創業のフランス車専門ショップ。代表の永瀬純一さんはかつてのルノー日本総代理店キャピタル企業でメカニックをしていた経歴の持ち主。オリジナルパーツの開発・販売を積極的に行い、一般的なメンテナンスからレーシングチューンまで幅広い依頼に対応。フランス車オーナーから絶大な信頼を得ています。

 

埼玉県川口市東領家4-19-8

TEL:048-225-5040

営業時間:10:00〜18:00

休み:火曜

 

 

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文:和田達彦(Tatsuhiko Wada)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)



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2018年7月24日
Funmee!!編集部
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