#40 BMW M6(E24型 歴史&スペック編)
自動車
【趣味人ジドウシャ部】︎

#40 BMW M6(E24型 歴史&スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回紹介するのは、初代6シリーズのトップグレードM6です。




「世界一美しいクーペ」の称号を持つ初代6シリーズ


今回紹介するのは、1988年式のBMW M6です。初代6シリーズであるE24型は、「世界一美しいクーペ」の称号を与えられた他、バブル期真っ只中の日本では、某漫画内で称された「究極のナンパグルマ」という異名を欲しいままにした美しいクルマです。

 

そんなE24型のトップグレードとして日本とアメリカではM6がリリースされましたが、ヨーロッパではM1のDOHCエンジンを搭載したモデルM635CSiがリリースされ、M6は存在しません。そのため6シリーズ初のM6は二世代目モデルのE63がベースというのがヨーロッパでの認識なんだそうです。そういった意味でも日本市場のM6は世界的に珍しいモデルといえます。



キドニーグリルを中央に配した丸目四灯ヘッドライトは、この時代のBMWに共通するフロントデザインです
 出典  Funmee!!編集部
キドニーグリルを中央に配した丸目四灯ヘッドライトは、この時代のBMWに共通するフロントデザインです


初期モデルはE12型5シリーズ、1983年以降の後期モデルはE28型5シリーズとプラットフォームを共用し、ボディサイズもほとんど変わりません。当初から6気筒エンジンを搭載することを考慮しているため、かなりロングノーズで、トランクも長いため、お手本のような3ボックススタイルのシルエットを持ちます。衝突安全基準などが厳しくなった現在では、このシルエットを実現するのはおそらく不可能でしょう。また日本仕様には法規的な問題で、オーバーフェンダーとサイドウインカーが備わるのが大きな特徴です。



日本仕様は被せ式のオーバーフェンダーとサイドウインカーを装着しているのが大きな特徴です
 出典  Funmee!!編集部
日本仕様は被せ式のオーバーフェンダーとサイドウインカーを装着しているのが大きな特徴です


E24型のリア側を見ると、テールパイプがセンターから絶妙に右へずれて配置されていることに気づきます。実はこれ、ガソリンタンクとスペアタイヤの間にテールパイプを通したため、この位置になったんだそうです。

 

そしてもうひとつ、元々E24型のナンバーポケットは横長のヨーロッパプレート用のため、アメリカや日本のライセンスプレートは収まりません。そこで日本仕様と北米仕様はナンバーポケットの上下寸を若干広げてあるそうです。




左右比55:45というなんとも絶妙な位置から飛び出るテールパイプがE24型の特徴です
 出典  Funmee!!編集部
左右比55:45というなんとも絶妙な位置から飛び出るテールパイプがE24型の特徴です

BMWフラッグシップを担うラグジュアリークーペ


BMWは戦後の一時期、経営が悪化しメルセデスベンツとの合併も噂されるほどの事態となります。そんな危機を救うために1962年にデビューしたのが、ベルトーネ在籍のジウジアーロがデザインを担当したBMW3200CSという大型のクーペでした。のちのE24型とは系譜的には全く繋がりはありませんが、ボディデザイン的な観点から見ると、6シリーズの源流はこの辺りにあるといっても良いでしょう。



ジウジアーロがデザインし、1962年に登場した3200CS。リアクォーター窓の形状にも、E24へと続くデザインを見出せます
 提供  BMW
ジウジアーロがデザインし、1962年に登場した3200CS。リアクォーター窓の形状にも、E24へと続くデザインを見出せます


その後、ノイエクラッセと呼ばれた1500シリーズの発展系として、1965年に同じくベルトーネ在籍のガンディーニがデザインを担当したクーペ2000CSを、続けて1968年には6気筒エンジンを搭載したE9型と呼ばれる2800CS/3.0CSを発表します。この3.0CSはレースでも活躍しホモロゲーションモデルの軽量バージョン3.0CSLに発展します。このE9型が1976年に登場するE24型6シリーズの直系の祖先となるのです。



E9系2800CS/3.0CSの人気がのちにE24系6シリーズ誕生のきっかけとなるのです(写真はE9型の最終発展型3.0CSL)
 提供  BMW
E9系2800CS/3.0CSの人気がのちにE24系6シリーズ誕生のきっかけとなるのです(写真はE9型の最終発展型3.0CSL)


「E24は当時上級モデルの7シリーズより高価だったため、作りもしっかりしていて、しっかりとメンテナンスをすれば、いまでもフラッグシップモデルに相応しいドライビングを味わえます」と、E24専門店シルキーシックス代表の原さん。とはいえE24の良い個体は徐々に少なくなっているそうです。これを機会に「世界一美しいクーペ」のオーナーになってみませんか?



環状7号線沿いにあるシルキーシックス。ブルーの個体は代表、原さんの愛車だそうです
 出典  Funmee!!編集部
環状7号線沿いにあるシルキーシックス。ブルーの個体は代表、原さんの愛車だそうです

本記事で紹介したM6(E24型)の他、様々なBMW車の歴史をカラー写真とともに振り返られる一冊。


■取材協力

シルキーシックス

 

世界一美しいクーペにこだわって修理やレストアを行なっている国内でも珍しいE24専門店シルキーシックスは、2017年に創業10周年を迎えたショップ。全国でE24のみのオフ会を開催するなど、E24コミュニティの育成にも尽力しています。

 

東京都江戸川区西一之江2−30−12

TEL:03-5678-1124

営業時間:9:00〜19:00

休み:イベント時以外は無休




===

文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



自動車
自動車
2018年8月7日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

RANKING

ランキング