【ヘンアイ国産自動車の会】#01 いすゞ ピアッツァ(邂逅編)


最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった魅力的な日本発のクルマたち

。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう新連載が「ヘンアイ国産自動車の会」。第一回目は「いすゞ ピアッツァ」。オーナーの山崎大作さんに、ピアッツァ愛を語っていただきました。



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山崎大作さんは、これまで乗り継いできた台数が数えきれないほどの車歴を誇るクルマ好き。もちろん18歳になると同時に免許を取り、最初に買ったクルマはメルセデス・ベンツ風の顔付きが特徴の三代目「マツダ ルーチェ」後期型でした。しかし高校を卒業した1984年の春、もともと予定していた就職先が急遽ダメになり、縁があっていすゞ自動車へ入社することになります。

ずっと憧れだった、イルムシャー仕様のピアッツァ

ずっと憧れだった、イルムシャー仕様のピアッツァ

 出典  Funmee!!編集部


最初はルーチェで通勤する毎日でしたが、「そろそろ、いすゞのクルマに替えたらどうだ?」という周りの勧めもあり、次に選んだのがピアッツァと同じくジウジアーロデザインで、いすゞイメージリーダーの先代的な名車「117クーペ」でした。もちろん中古車ですが山崎さん自ら、また友達と一緒に綺麗に整備して楽しく乗っていました。

 

しかし1981年には既にピアッツァがデビューしており、山崎さんも「ピアッツァが欲しいなぁ」と考える毎日。ピアッツァは若者には高額といえる車種でしたが、同僚は皆が頑張ってローンを組み買っていました。ただ山崎さんは「クルマは現金一括!」と決めていたので、117クーペを楽しみながら、ピアッツァに向けてコツコツと貯め続けます。




当時の日本車は4年でフルモデルチェンジして代替わりするのが慣例でしたが、初代ピアッツァは改良を続けつつ、結果として10年に渡る長寿車種となります。その過程で1985年に追加されたグレードが、西ドイツ(当時)のチューニングメーカー「イルムシャー」が脚周りを中心にピアッツァをチューニングした「ピアッツァ・イルムシャー」。パキッとした原色が好きだという山崎さんは「赤いイルムシャーを買おう!」と心に決めます。



スーパーカーチックなボンネットの開き方も当時、衝撃だった

スーパーカーチックなボンネットの開き方も当時、衝撃だった

 出典  Funmee!!編集部


そしてついに目標額が貯まり、赤いイルムシャーの注文書を書いて手付金も払った直後。なんと山崎さんは下取りに出すはずだった117クーペで事故を起こしてしまいます。身体は無事でしたが、下取り車がなくてはお金が足りず、かといって新車購入をキャンセルすると手付金は戻ってこない……もちろん、クルマがなくては日常生活でも困ります。


山崎さんは泣く泣くピアッツァを諦め、その時にもっとも安かったという「FFジェミニ」のベースグレードを買いました。ジェミニにも「ジェミニ・イルムシャー」があり、山崎さんも徐々に外観をイルムシャー仕様に変えて楽しみましたが「欲しいクルマはほとんど手に入れたけど、ピアッツァ・イルムシャーだけはあのときに買えなくて悔しかった」とずっと心残りだったそう。



いまではガレージに大事におさめられている山崎さんの愛車、ピアッツァ

いまではガレージに大事におさめられている山崎さんの愛車、ピアッツァ

 出典  Funmee!!編集部


あのときの忘れ物を手に入れようと、赤いピアッツァ・イルムシャーを探し始めたのは10年ほど前のこと。ピアッツァ自体の数が減りつつある中で、イルムシャーは更に希少車。とはいえたまに出まわるのですが「赤いイルムシャー」はありません。数年経ってもあまりに見つからず、半ば諦めの気持ちで北海道で売りに出た白いイルムシャーの下見に行く予定だった前日、いすゞの旧車では有名な専門店「イスズスポーツ」で赤いイルムシャーが売りに出ました。


すぐに飛んでいくと、外観はかなりヤレていますが確かに赤いイルムシャー。ショップの方は「これを直すのは大変ですよ」と助言されたそうですが、内装がキレイだったこともあり「これを買います、直してください!」と即決しました。



最愛のクルマに乗ると、ついつい顔がほころぶ

最愛のクルマに乗ると、ついつい顔がほころぶ

 出典  Funmee!!編集部


いすゞ車に強い専門店とはいえ、クルマを綺麗に修復するレストアには時間とお金がかかります。29.8万円で買ったボロボロの赤いピアッツァ・イルムシャーは、約2年の期間を経て見事に甦り、ついに山崎さんのガレージに収まりました。そのときの気持ちはまさに感無量。


青春時代の夢をかなえた、山崎さん。「いまは愛車を眺めているだけでも幸せ」としたり顔です。




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■プロフィール

山崎 大作さん

1966年(昭和41年)生まれ、神奈川県横浜市在住

自動車メーカーや金融機関勤務を経て、現在は不動産業を中心とした会社を営む。自宅や会社など、何箇所にもガレージを構えるほどのクルマ好き。



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文:大坪知樹(Tomoki Otsubo)

写真:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)

取材協力:ISUZU SPORTS


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Funmee!!編集部

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