順光と逆光を知ると、写真は100倍上手くなる!
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順光と逆光を知ると、写真は100倍上手くなる!


写真家、フォトグラファーは”光のデザイナー”と称されることがあります。

それほどに、写真において”光”は大切な要素であり、光を理解しなくては良い写真は撮れないのです。


カメラを手にして、写真を撮り始めたばかりのころはそれほど意識することがなくとも、撮影を続けていくほどに、光の向きや強さはが写真に大きな影響を与えることに気付かされることでしょう。


被写体をより魅力的に撮るためには、光の特徴を知り、使い分けることが重要なのです。


こういうと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、「順光」と「逆光」という基本にして重要なふたつの光の扱いを上手に使いこなせば、初心者でも光を利用した撮影が可能となります。


今回はそんな「順光」と「逆光」について作例とともに解説します。

光を操り、ワンランク上の写真を撮影してみましょう。



順光、そして逆光とは?

まずはこちらの2枚の写真をご覧ください。

 出典  Funmee!!編集部
 出典  Funmee!!編集部

どちらリンゴが美味しそうに見えますか?


同じリンゴを被写体とした撮影でも、「光の当て方」を変えるだけでこれほどに印象は異なります。


この印象の違いこそが、「順光と逆光の違い」なのです。


言葉からも想像できると思いますが、順光と逆光の光の向きの違いは下の図の通りです。

 出典  Funmee!!編集部

被写体に対してカメラの後ろから光が当たる状態が「順光」で、カメラに対して被写体の後ろから光が当たるのが「逆光」です。


もう一度、2枚の写真を例に見ていきましょう。

順光の基本構造

 出典  Funmee!!編集部

1枚目のリンゴの写真は、「順光」で撮影したものです。

リンゴ、カメラ、そして光の位置は下の通りです。

 出典  Funmee!!編集部

逆光の基本構造

 出典  Funmee!!編集部

「逆光」で撮影したのが、2枚目のリンゴの写真です。

こちらもリンゴとカメラ、光の位置を図解します。順光と見比べて違いを確認してみてください。

順光と逆光における被写体とカメラと光の位置関係を特徴を理解いただけたところで、実際に順光や逆光での撮影手法について解説していきましょう。

 出典  Funmee!!編集部

順光と逆光が被写体に対する光の当たり方であるということは、すなわち両者はメリットとデメリットも異なることを意味します。


それぞれのメリットとその活用法、そしてデメリットとカバー方法を紹介します。

順光のメリット/デメリット

多くの人は無意識に順光を選んで撮影しているものです。

その理由は、順光とは被写体に光が当たってる状態であり、ファインダー越しにも写真の仕上がりがイメージでき、失敗がないと直感的に思えるからです。


しかし、そんな順光にもデメリットもあります。

メリットとデメリット、それぞれを理解し、特性をうまく活かして撮影をするとより印象的な写真が撮れるでしょう。


<順光のメリット>

・明るくコントラストが強い写真が撮れる

・色や質感をはっきりと正確に描写することができる


<順光のデメリット>

・立体感が出にくく、平面的な印象になる


ここからは、メリットを活かす、そしてデメリットをカバーする具体的な撮影方法をお伝えします。


順光のメリットを活かす

順光の最大のメリットは、影を気にせずにはっきりとした写真が撮れることです。

このメリットが活きるのは、コントラストのある撮影です。


 出典  Funmee!!編集部


例えば、こんな色艶やかな晴れ着姿。

後ほど詳しく解説する逆光でのふんわりとした雰囲気よりも、順光で色鮮やかに仕上げるほうが華やかさも伝わります。

順光のデメリットをカバーする

順光のデメリットはメリハリのないのっぺりとした写真になりがちであることです。平面的な写真を避けるために有効なのは”ボケ”を利用することです。背景をぼかすには絞りを調整して開放寄りにすることで叶います。そして、レンズは望遠を起用することで、よりぼかしやすくなることを覚えておきましょう。


背景をうまく処理して被写体とのメリハリをつける。これがデメリットをカバーする方法です。

逆光のメリット/デメリット

 出典  Funmee!!編集部

逆光については、デメリットからみていきましょう。


<逆光のデメリット>

・後ろから光が当たるので、被写体が暗くなる


上で解説した通り、カメラに対して被写体の後ろから光が当たる逆光撮影は、初心者には撮影してはいけない状況であると考えがちです。つまりNG写真を撮影してしまうと思い、シャッターを押すことができないのです。


ところが、この逆光撮影にもメリットがあり、逆光のメリットを知っておくことで撮影表現の幅が広がるのです。

そんな逆光のメリットは以下の2点です。


<逆光のメリット>

・被写体の輪郭が浮かび上がる

・やわらかな写真に仕上がる


こうしたメリットを活かす撮影の仕方次第で、逆光ならではの印象的な写真を撮ることができます。

逆光のデメリットを活かす

逆光のメリットは実際の作例を見てみると意味が理解できると思います。

ますは「被写体の輪郭が浮かび上がる」という作例から見ていきましょう。

 出典  Funmee!!編集部

一例はこのような人物撮影です。

モデルの背景から光が当たることで、髪や鼻筋、手袋のラインに沿って光の輪郭が現れています。神々しいと言っては言い過ぎかもしれませんが、なんともファンタジックなこの輪郭の浮かび上がりは逆光ならではの特徴です。

モデル撮影においては、ぼんやりとした写真にならぬよう、服装のなかにアクセントとなる色を入れるように心掛けるのがポイントです。


さて、「被写体の輪郭が浮かび上がる」撮影について、さらにもうひとつのパターンを紹介しましょう。

シルエット写真です。

 出典  Funmee!!編集部
 出典  Funmee!!編集部

逆光状態に抗うことなく撮影することで、被写体を黒いシルエットとして撮影する技法です。


「被写体が映らない=失敗」ではなく、意図的にシルエットとして映すことで、メッセージ性のある写真を撮影することができるのです。


上の2枚の写真を例にすれば、親子の表情や服の柄、工場の柱に書かれた企業名が映っていたらどうでしょう? 情報が多過ぎて説明的な写真となっていたかもしれません。


ドラマチックに、伝えたいメッセージを強く表現する、それがシルエット写真なのです。


また、シルエット写真では、見慣れた風景も”いつもと違う雰囲気”で撮影することができるのでオススメです。この点も覚えておくと良いでしょう。

 出典  Funmee!!編集部

続いてメリットである「やわらかな写真に仕上がる」を作例で見てみましょう。

 出典  Funmee!!編集部

背景がボケつつも、コスモスの花びらの表情までもが描写されたこの写真が、ここまでやわらかなニュアンスで仕上がるのは、逆光の賜物です。


花びらが光に透けることで現れるこの雰囲気は、順光でくっきりと写してしまっては得ることができません。逆光ならではの幻想的な作品といえます。

逆光のデメリットをカバーする

逆光のデメリットは、被写体の後ろから光があたるため、レンズが見る被写体が暗く、また影が前に出てしまうことです。しかし、この不具合は2つの手法で解決が可能です。

露出補正での対処

露出補正:+0.5ステップ/シャッタースピード:1/800/絞り値:f2.5
 出典  Funmee!!編集部
露出補正:+0.5ステップ/シャッタースピード:1/800/絞り値:f2.5

カメラに内蔵されている機能である”露出補正”を調整することで被写体が暗い状況を打破することができます。


プラスに補正をかけると被写体が明るくなり、人物撮影であれば表情もわかるようになるのです。

"日中シンクロ"での解決

 出典  Funmee!!編集部


露出補正ってなんだろう? と思う方はこちらをチャレンジしてみると良いでしょう。


昼間や明るい場所でもフラッシュやストロボを使い撮影することを「日中シンクロ」または「デーライトシンクロ」と呼びますが、この手法により被写体を明るく、また特有のライブ感あるニュアンスが表現できます。

光を駆使するカメラライフへ

 出典  Funmee!!編集部

順光と逆光、理解できましたか?


理屈が理解できたうえで大切なのはどのような写真が撮りたか、という想いです。

被写体を前にして、何を伝えたいかをイメージすれば、順光で撮影すべきか、逆光を利用するほうが良いかがわかるでしょう。


それでも迷うときは順光も逆光も試してみるのも手です。

これまで意識していなかった「光」を味方につけることで、撮影がますます楽しくなるはずです。

今回紹介した「日中シンクロ」での撮影を始め、様々なシチュエーションでの人物撮影をマスターすることができる。

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文:吉見光由(Miu Yoshimi)

写真:加藤史人(Fumito Kato)

イラスト:寺下南穂(Miho Terashita)

写真:stock.adobe.com

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2018年6月25日
Funmee!!ライター
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