カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学「かっこいいものがないなら、自分で作ればいい」【前編】


自由な発想と空間づくりを通して、心地よい暮らしを提供するカリフォルニア工務店。
その代表である岩切剣一郎さんのものづくりのベースにあるのは、「かっこいいものがなければ、自分でつくっちゃおう」というDIYのスピリットだ。
その本質を、あつーく語っていただきました。

ラックづくりも家づくりもDIY。 かっこいいと思えるものを作るだけ。

 出典  Funmee!!編集部


――岩切さんは現在、カリフォルニア工務店の代表として活躍されていますが、もともとものづくりが好きだったんですか? 


“カスタマイズ”が好きだったんですよね。

既成のモノに対して、「人とは違うものがいい」とか「こうだったらいいのにな」っていう気持ちがありました。

父も、クルマを使いやすくカスタマイズしていたんですよ。

フック付けたり、テレビつけたり。そんな環境の影響もあったかもしれない。



――では、幼少期から手先は器用でしたか?


手を動かすのは好きでした。

例えば僕が子どもの頃はガンプラが流行ったけど、戦闘シーンをイメージしてオリジナルのジオラマをつくったり。ドライバーを熱してプラモデルを傷つけて、エイジングしたりもしていました。



――そんなものづくりが好きだった岩切少年は、独学で一級建築士の資格を取り、本格的に建築の道に進んでいくわけですが、岩切さんの考えでは家づくりもDIYなんですか?


DIYの延長線上だと思います。

便利でかっこいいラックがほしいと思ってつくっていくことと、「こんな家に住みたい」とイメージしてそれを立体的にしていくことは、本質的には変わらないんじゃないですかね。

規模の大小はあまり関係がない。

例えばデコカジもそうだし、100円ショップのパーツを組み合わせてオリジナリティあるものを生み出すことも、全部DIYです。

要は、発想の面白さが大切なんじゃないかな。



自分だけのお気に入りのアイテムを作る方法は無限にある。

 出典  Funmee!!編集部

――カリフォルニア工務店は、まさにカリフォルニアの自由な風土を背景にした、オリジナリティある空間づくりが人気ですよね。そもそもアメリカと日本のDIY事情はどのように違うんですか??


アメリカでは、DIYは暮らしに根づいているカルチャーなんですよね。

一般家庭でも空間をとても意識していて、どういうものをつくり、配置したら美しいかが考えられている。

そういう生活の中で育てば自然と感化されますよね。

だからHOME DEPOT(※)をはじめホームセンターも充実していて、そこでは家をつくれるだけの品揃えがあるんです。

それに比べると日本はまだそういう意識は低いかもしれない。

でも、ホームセンターはなかなかいいですよ。



――岩切さんもホームセンターは好きですか?


大好きです! カインズホーム、ユニディ、ジョイフル本田、ハンズマン――それぞれに個性があって。

プライベートでもよく訪れていますよ(笑)。



――岩切さんが考える、DIYの魅力ってなんなんでしょう。


ゼロからイチを生まなくても、少しだけでも手を加えれば愛着がわくしオリジナリティも生まれるってことかな。

しかもその方法は無限にある。



 出典  Funmee!!編集部

――無限ですか!


例えば、デスクまわりをつくるとしますよね。

自分なら、木製作業台、ワークライト、ライトを吊るす水道管、そして天板を買う。

それをそのまま組み立てるのも立派なDIYだけど、水道管やワークライトのサッシをペインティングするだけで、ほどよいインダストリアル感が出る。

さらに、水道管をヤスリで軽くブラッシングすると塗装が剥がれて、エイジング効果も生まれる。

こういうちょっとした手を加えるだけで、オリジナリティが出るんですよ。

DIYはそこが面白い!



 出典  Funmee!!編集部


(※)DIY大国アメリカを代表するホームセンター。1978年の設立以来、充実の品ぞろえで、現在世界で2000店舗以上を展開している。

カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学 「自分が知らないことを知りたい、やってみたい!」【後編】


■プロフィール

カリフォルニア工務店

クリエイティブ・ディレクター

岩切剣一郎さん


お堅いイメージの一級建築士ながら、根っからのカリフォルニアスタイルを体現するクリエイティブ・ディレクター。カリフォルニア工務店を取り仕切り、住宅設計からカフェの内装、ガレージ作りまで全国津々浦々を駆け巡る。「カッコいいモノがないなら作ってしまえ!」というロックな思考の持ち主。

http://www.cal-co.jp/


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企画・文・編集協力:枻(エイ)出版社

写真:柳田由人(Yoshito Yanagida)・藤田慎一郎(Shinichiro Fujita)