【僕のサン=サーンス】#09 チェロ奏者・アキコ先生の日常(後編)82歳のチェロ生徒!?


いつの日かの憧れに本気になるオトナが、もっと大人に会って驚愕……?

 

名曲『白鳥』を弾きたい一心で苦闘する連載企画「僕のサン=サーンス」第9話は、わが師の山崎明子先生の日常に密着する後編。人生の大先輩のチェロ生徒に遭遇しました。



実はチェロの倍率は低いんです


トナオ(以下ト):アキコ先生のお仕事密着。今回は、ヤマノミュージックサロン川越にやって来ました。ここでは音楽教室の先生をやってらっしゃる。

 

アキコ先生(以下ア):この教室も大学を卒業してからずっとですね。



ア「この教室には16のレッスンルームがあって、生徒さんは約1,000人いるそうです」 ト「川越って音楽の街なのかな」

 出典  Funmee!!編集部


ト:そう言えば聞いてなかったんですが、アキコ先生はなぜチェロを?

 

ア:親のおかげですね。最初はエレクトーン教室に通わせてくれたんですけど、私自身がグループレッスンの歩調に合わず、この子のペースでできる楽器はないかと探してくれたのがチェロでした。6歳のときに習い始めて、高校になったらチェロの先生に「音大を受験したら」と勧められ、そのまま今に至るというか。

 

ト:いやいや。音大ってそんなに簡単に入れないでしょ?

 

ア:大きな声じゃ言えませんが、実はバイオリンなど他の楽器にくらべてチェロ奏者の数は圧倒的に少ないんです。だから私でも入れたんですよ。

 

ト:そりゃ謙遜しすぎでしょ。



新しいことに挑めばボケないだろう


ア:本日夕方の生徒さんは山田梅信さん。82歳なんですよ。

 

ト:ハチジュウニサイ? マジで? 山田さんはおいくつからチェロを始めたんですか?

 

山田(以下ヤ):70歳でしたかね。家内がバイオリンをやっていたのがきっかけです。

 

ト:ナナジュッサイから!?

 

ア:山田さんは他にバイオリンとフルートとピアノも習っているんですよね。

 

ヤ:いろいろ手を出しているのでひとつに集中できていませんがねぇ。



ア「山田さんが弾きたい曲を課題にしています」 ト「一心不乱に弾く姿に感動です」

 出典  Funmee!!編集部


ト:ちょっと待って。軽度のパニック状態に陥った。山田さんは音楽家なんですか?

 

ヤ:とんでもない。保険会社を定年になってから始めた趣味ですよ。新しいことに挑めばボケないだろうと思って。

 

ト:チェロ、楽しいですか?

 

ヤ:クラシックが好きなんですが、楽器をやってからは音楽の聞こえ方が変りましたね。それはすごくいいことでした。とは言え、そう簡単には上手になれませんね。レッスン日に合わせて練習しているようじゃダメですね(笑)。



ト「お、デジタルレコーダー」 ア「練習を録音して家で復習するんですって」

 出典  Funmee!!編集部

おじいちゃんも必ず成長する!


ト:何というか、目からウロコでした。

 

ア:お元気ですもんね。月3回のレッスンも休まれたことがないですから。

 

ト:「新しいことを始めるのに年齢は関係ない」ってよく聞くでしょ。でもあれ、新しいことを始めていない人が言ってる気がしました。なぜなら山田さんは、年齢などまったく気にせず好きなことに打ち込んでいるでしょう。その姿を見ていたら、新しいことを始めるのに関係あるのは情熱以外にないと思っちゃいました。



ア「山田さんは特に機械に強くて、普段のやりとりもLINEなんですよ」 ト「むむ。もうね、年齢なんてどうでもいいなあ」

 出典  Funmee!!編集部


ア:この教室は、夜になるとサラリーマンや市民オーケストラに所属している人が来ますが、昼間は定年退職された方々が多いんです。山田さんも高齢ですが、中には90歳のおじいちゃんもいて、皆さん必ず成長します。それがいちばんうれしい。教える側の私も教わることが多くて、本当に勉強になります。

 

ト:何か、いいですねチェロ。というか音楽。70歳から始めたのかぁ。頭が下がるなあ。

 

ア:その思いを『白鳥』に託しましょう!



『白鳥』も弾いていただきました。触発されました。次回は第2回目のお稽古編。頑張ります!

 出典  Funmee!!編集部




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文:田村十七男(Tonao Tamura)

写真:藤井孝太郎(Kotaro Fujii)

制作協力:ヤマノミュージックサロン川越



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Funmee!!編集部

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