故障の原因はコレだった!? スピニングリールメンテナンスの基本
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故障の原因はコレだった!? スピニングリールメンテナンスの基本


ルアーフィッシングに必要不可欠なリールは、内部でさまざまなパーツが噛み合う機械的な道具です。使い込むほどにその良さがわかるものですが、だからこそ長く使うためのメンテナンスが大切です。

 

とくにリール内部にホコリや海水が入り込むと回転性能が低下し、せっかくかかった魚を逃してしまう原因にもなりかねません。そこで、まずはスピニングリールのメンテナンスについて紹介します。



使用後の水洗いは必須


スピニングリールとベイトキャスティングリールという2種類の一般的なリールのうち、トラブルが少なく初心者でも扱いやすいのはスピニングリールです。しかし一方で、設計上、可動部が多いという特徴も持っています。



回転性能が落ちたリールでは、ストレスを感じるだけでなく、ときには魚を逃すこともあります。常に良い状態をキープしておきましょう
 出典  Funmee!!編集部
回転性能が落ちたリールでは、ストレスを感じるだけでなく、ときには魚を逃すこともあります。常に良い状態をキープしておきましょう


そこでまず必ず行いたいのは、使用後の水洗い。ドラグの内部に水が入ることを防ぐため、ドラグノブを締め、そのあと水道水をかけて、表面に付いた汚れを落とします。このときお湯で流すとグリスなどの潤滑剤まで流れ落ちてしまうので、水で行うこと。洗ったのちドラグを緩め、布などで拭き、日陰で乾かします。

 


魚が糸を強く引いたときに糸が切れることを防ぐ機構「ドラグ」。スプールの先に付いたドラグノブを回して締めたり緩めたりできます
 出典  Funmee!!編集部
魚が糸を強く引いたときに糸が切れることを防ぐ機構「ドラグ」。スプールの先に付いたドラグノブを回して締めたり緩めたりできます


海で使用した場合は、糸が収納される部分のスプールを取り外し、水にしばらく浸けておけば、ラインの塩抜きが行えます。その際は、浸した後にスプール内部にあるドラグワッシャー上部にグリスアップしましょう。



釣行後の水洗いは必要不可欠。釣り場に洗う場所があればそこでさっと洗ったうえで、できれば自宅に帰ってからしっかりと洗っておきましょう
 出典  Funmee!!編集部
釣行後の水洗いは必要不可欠。釣り場に洗う場所があればそこでさっと洗ったうえで、できれば自宅に帰ってからしっかりと洗っておきましょう

 

隙間に入った汚れを徹底的に取り除く


なかには水洗いでは落とせない汚れもあります。ラインローラーやスプールのシャフトといった回転部分、可動部分の隙間に入った汚れです。この汚れをそのままにしているとトラブルの原因になるため、パーツクリーナーなど専用の洗剤を使って取り除く必要があります。清掃後、オイルアップやグリスアップすることで、スムーズに動くだけでなく、隙間にゴミが入りにくくなります。



リールは小さなパーツが複雑に組み合わさって使いやすい道具へと作りあげられています(写真はダイワのリールギア部イメージ)
 提供  Daiwa
リールは小さなパーツが複雑に組み合わさって使いやすい道具へと作りあげられています(写真はダイワのリールギア部イメージ)

 

ダイワやシマノといった大手メーカーが作った最近のリールには、ギア部の水や海水、ホコリの侵入を防ぐ機構を備えたリールが多くあります。ただしそれはギア部だけであって、他の箇所はやはりメンテナンスを必要とします。



スピニングリールのメンテナンス


実際にメンテナンスするときの手順と注意点を紹介します。ここでは密閉性の低いラインローラーを備えたスピニングリールを例に、最低限やっておきたいメンテナンスをピックアップしました。とくにラインローラーは回転性能が落ちやすいパーツで、掃除の効果が現れやすいため必ずメンテナンスしましょう。

 

ただしギア部分は小さなパーツも多く複雑な機構のため、分解清掃をメーカーも推奨していません。どのパーツをどのようにメンテナンスできるかを知ることも相棒であるリールとうまく付き合うコツになります(解説はシマノ・10バイオマスターSW8000を使用。ベアリングの外し方、オイルの注入箇所は、リール、メーカーにより異なります)。



用意するメンテナンスギア

■パーツクリーナー

ヘッジホッグスタジオ ベアリング&パーツクリーナー。ベアリングなどの汚れを落とすために使います
 出典  Funmee!!編集部
ヘッジホッグスタジオ ベアリング&パーツクリーナー。ベアリングなどの汚れを落とすために使います

■専用オイル、グリス

ヘッジホッグスタジオ アルケミーオイル ミディアムライト。汚れを落とした後にベアリングへの汚れの侵入を防ぎます
 出典  Funmee!!編集部
ヘッジホッグスタジオ アルケミーオイル ミディアムライト。汚れを落とした後にベアリングへの汚れの侵入を防ぎます
ダイワ ダイワ純正トーナメントグリスIII(左)、アルティメット トーナメントドラググリス(右)。メンテナンスするリールのメーカー純正グリスも用意しましょう
 提供  Daiwa
ダイワ ダイワ純正トーナメントグリスIII(左)、アルティメット トーナメントドラググリス(右)。メンテナンスするリールのメーカー純正グリスも用意しましょう

■ベアリングチェックツール

ヘッジホッグスタジオ ベアリングチェックツール PRO。ボールベアリングの回転を確かめる道具で、あると便利です
 出典  Funmee!!編集部
ヘッジホッグスタジオ ベアリングチェックツール PRO。ボールベアリングの回転を確かめる道具で、あると便利です

■ドライバー

リールの箇所ごとのネジのサイズにあったドライバーも用意しましょう
 出典  Funmee!!編集部
リールの箇所ごとのネジのサイズにあったドライバーも用意しましょう

 

メンテナンスの手順

1 ネジを外す

 出典  Funmee!!編集部


ラインローラーのネジを外します。ネジに合ったドライバーを必ず使用しましょう。



2 ベアリングなどのパーツを外す

 出典  Funmee!!編集部


ラインローラー部のベアリング、ネジ受けなどの部品を取り除きます。



3 小さなパーツは容器へ

 出典  Funmee!!編集部


ベアリング以外の部品は、小さな容器などに入れます。



4 パーツクリーナーで清掃

 出典  Funmee!!編集部


その容器にパーツクリーナーを噴射し、パーツが浸るくらいまでクリーナーの液を入れます(パーツクリーナーを使用するときは、野外または換気良い場所でやりましょう)。



5 10〜20分ほど浸漬

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10〜20分ほどクリーナー液に浸けておき、その後、汚れをきれいに拭き取ります。



6 ベアリングの清掃

 出典  Funmee!!編集部


ベアリングの掃除は、パーツクリーナーで行います。パーツクリーナーの噴射で、内部の汚れを吹き飛ばすようにします。ボールベアリングを保持する、ベアリングチェックツール(ヘッジホッグスタジオ製)などがあると便利です。



7 ベアリングの回転チェック

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スプレーの溶剤が乾いたことを確認し、スムーズに回転するか確認します。いくら洗っても回転が悪いようなら、ベアリングの交換時期ということです。釣具店でボールベアリングをメーカーから取り寄せてもらいましょう。その他、リールメンテナンス専門店でも各種ボールベアリングを取り扱っています。



8 ベアリングのオイルアップ

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「ジャリジャリ」した感覚がなく、スムーズな回転が確認できたら、専用オイルを注入します。



9 ボディの清掃

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ボディ側の隙間に入った汚れを布などで取り除きます。



10 組み立て

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順番を間違わないように元の状態へと組み立て、ネジを留めます。



11 ラインローラーの動作確認

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組み立て終わったら、爪楊枝などの先が尖ったもので、ラインローラーがきちんと回転するか確認しましょう。



12 シャフトの清掃

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スピニングの回転軸となるシャフトを清掃するためにスプールを外し、シャフトに付いた汚れを落とします。シャフトは常に上下動を繰り返す場所なので、巻き心地に影響します。ハンドルを回し上下させて綺麗に拭き取りましょう。



13 シャフトのオイルアップ

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シャフトにオイルを注入し、ハンドルを回して、全体に馴染ませます。



14 ハンドルのオイルアップ

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ハンドルの回転部分にもオイルを注入します。回転がよくならない場合は、ハンドルグリップを外して、掃除する必要があります。清掃後、再びオイルを注入します。



15 ベールのグリスアップ

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糸をスプールに巻きとるためのパーツ、ベールの可動部分にグリスを注入しておきます。


ただし注入しすぎには注意。内部は簡単には拭くことができないので、中がグリスだらけになってしまうからです。たまに注入する程度で良いでしょう。グリスはメーカー推奨のものを使用するのがベストです。

 


16 ハンドル付け根部へのオイルアップ

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ハンドルの付け根にあるベアリングは、米ひと粒程度のオイルを注入します。多く注入するとギア内部にオイルが入り込み、もともとギア内部にあったグリスと合わさることで、かえって回転性能が悪くなるので注意してください。反対側の軸受けにあるベアリングにも同量のオイルを時折注入します。


サビ落としやサビ止めといったスプレーは、ギア内部のグリスを流してしまうので、注さないようにすること。



17 メンテナンス終了

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ハンドルを動かして、回転がスムーズになったか確認して終了。これで回転が悪い場合は、ギアボックス内に汚れや海水の塩の影響があるということです。無理に開けずに、各リールメーカーのメンテナンスへ出すのが良いでしょう。



ライトジギングを楽しみたい人が最初に読むべき一冊です。タックル選びやメタルジグの種類といった基礎はもちろん、青物、タチウオ、マダイといった実践も解説。リールメンテナンスについても紹介しています。


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文:大本英則(Hidenori Omoto)

写真:雑誌「ソルトワールド」(エイ出版社)

制作協力:ヘッジホッグスタジオ

 

 

■注記

本記事は、ムック「近海のライトジギング完全バイブル」(エイ出版社)の「リールメンテナンス」に加筆したものです。

 

■免責

リールの分解は自らの責任でおこなってください。メーカーによっては分解・清掃を推奨していないリールもあります。



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2018年8月2日
Funmee!!編集部
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