【ヘンアイ国産自動車の会】#04 三菱 デボネア(スペック編)


最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった魅力的な日本発のクルマたち。

そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう「ヘンアイ国産自動車の会」。

今回は「三菱・デボネア」について、東京都武蔵野市在住の三井弘司さんに取材してきました。

1960年代のアメリカ車を彷彿させるスタイリング


三菱デボネアは大きく分けて3世代に渡り、三菱のフラッグシップモデルとして生産された4ドア・セダン。特に1964~1986年の初代モデルは22年間、基本的な設計やボディ・デザインを大きく変更せずに生産され続け、旧車のような現行車というような意味で”走るシーラカンス”というニックネームがつけられたことでも知られています。

'60年代当時のアメリカ車のような威風堂々とした雰囲気が特徴的

 出典  Funmee!!編集部


デボネアの個性的なデザインの特徴は、もちろん長く作り続けられたというだけではありません。国産旧車の中にはヨーロッパのデザイナーがデザイン設計を担当した名車がいくつもありますが、デボネアはアメリカの元GM(ゼネラルモーターズ)社のデザイナーがスタイリングを手がけたため、他メーカーのモデルにはない、'60年代当時のアメリカ車のような威風堂々とした雰囲気が漂っています。


高度経済成長期まっただ中のショーファードリブンとして誕生したデボネアには、フラッグシップらしい豪華な装備が与えられているのです。



角ばったシルエットに丸目のヘッドライトは当時のアメリカ車に多く見られたデザイン

 出典  Funmee!!編集部


オーナーの三井さんは、ボディのアウトラインがトップ以外すべてクロームメッキ仕上げのステンレス製モールで覆われたデザインがお気に入りだと話します。このモールも当時のアメリカ車らしいデザインで、これによって輪郭がはっきりとして角ばったフォルムを強調することに成功しています。両脇が飛び出したような、エッジを立てたフォルムでフロントグリルを広くとったフロントマスクはデボネアの象徴的なディテールのひとつと言えるでしょう。



見た目によらず扱いやすい実力派

キャブレター車であることも三井さんのこだわり。アナログな乗り味を残す直列4気筒SOHCエンジン

 出典  Funmee!!編集部


デボネアはボディ・デザインを20年以上ほぼ変更しなかった初代モデルの中でも、前期中期後期に細分化され、エンジンもマイナーチェンジを繰り返しています。三井さんが乗る’78年式デボネアSEは後期に当たる直列4気筒SOHCエンジン。「現行車に比べれば非力な部分はありますが、国内での日常的な使用で不便を感じることはないですね」と語ってくれました。



実は、走りやすいデボネア

 出典  Funmee!!編集部


当時、トヨタ・クラウンや日産・セドリックなどを対抗馬とする高級車として誕生したデボネアのボディバリーエーションは4ドア・セダンのみ。アメリカ車のような出で立ちから大型に見えますが、国内で小型車の企画に収まるギリギリのサイズで設計された為、取り回しの良さ、扱いやすさでは当時の国産セダンの中でもトップクラスの実力を誇ります。見た目や乗り味の古さとは裏腹に、現代の東京の道路事情の中でも十分活躍できる国産旧車なのです。



国産車では珍しいベンチシート

 出典  Funmee!!編集部


運転手と助手席に乗る人がフラットに並ぶベンチシートもアメリカ車を連想させるディテールの一つ。「旧車好きとしてはベンチシートは外せないですね。ベンチシートって席が繋がっているからか隣に座る人とのコミュニケーションがすごく取りやすいんですよ」



機能性では語れない旧車の味わい深さ

初期型のL字テールが有名だが、後期型のSEは4連テールを装備

 出典  Funmee!!編集部


高度経済成長期の日本のモノ作りを知るために、デボネアを社有車として選んだという三井さん。メーカーのプライドをかけて、その時代の最高峰の技術で生産されるフラッグシップモデルには、細部のディテールにも作りの良さが際立ちます。


「直線を基調としたボディ・デザインの中に見られる絶妙なカーブは、現代車のような機械工学に基づくコンピューターが生み出すカーブではなく、人間のデザイナーが手作業で描いたカーブだと思うんです。僕自身のクルマの好みのレンジはすごく広いけど、あくまでも人間のハンドメイドの感覚に惹かれてしまいます」




■プロフィール

三井弘司さん


1964年生まれ、東京都武蔵野市在住

1936年創業の日本を代表する喫煙具メーカー、柘製作所の常務を務める。プライベートでは’80sのワーゲンキャンパーとハーレーのショベルヘッドを愛車に持つ生粋のオールドモーターフリークだ。

 


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文:金原悠太(Yuta Kinpara)

写真:澤田聖司(Seiji Sawada)



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Funmee!!編集部

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