ジオラマは僕の生き様!リアルすぎるジオラマで世界が注目する情景師アラーキーさん


リアルすぎて本物にしか見えない、そんな“すごいジオラマ”を作っている情景師アラーキーこと荒木智さん。カメラマンも「すげー」と言いつづけていたジオラマは、日本だけでなく世界中から注目を浴びています。2年前からジオラマ作家として独立したアラーキーさんが、ジオラマにハマったきっかけは?



きっかけはゴジラ!自分でも再現してみたい

 出典  Funmee!!編集部


—— すごいという言葉以外思い浮かばない、本当に精密でリアルなジオラマですね。ジオラマにハマったきっかけは?


ゴジラです。僕は昭和44年生まれなんですが、東宝怪獣映画が全盛期で、テレビでは仮面ライダーやウルトラマンがやっていました。特にゴジラは、ミニチュアで撮影していることに驚愕しました。



—— ゴジラとか怪獣がカッコイイだけじゃなくて、撮影の仕方にまで興味を持ったんですね。

 

当時はCGなんてない時代でしたし、そこにないものを生み出すことに感動したんでしょうね。

自分でも再現してみたいと思ったのですが、大きなサイズではなくて手の中に収めておきたかった。



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—— 手の中におさめておきたいのは、昔からなんですね。


実際に、自分で紙で作って庭に並べて、火をつけてみたり水をかけてみたりしたんですが「あれ?映画と違う」って。自分で作ったものと、映画でみたシーンのギャップがありすぎて、なんでなんだろうと考えていました。



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—— 火つけるとか、子どもなのに本格的!しかも映画との違いまで意識をしているなんて。

 

そうですね(笑)あと、母親がやっていた盆栽からも影響を受けています。僕は苔が好きで、庭の隅にある苔を剥がして、お菓子のカンカンの上に乗っけて、周りに土を置いて、ミニカー並べて、いわゆる『箱庭遊び』をしていたんです。でも翌日には苔が枯れちゃう。いつまでも枯れない状態で、自分の手のひらに収めておくにはどうしたらいいのか考えていました。

 

映画撮影用のジオラマといつまでも枯れない盆栽が結合すると……「あ、ジオラマだ!」って。これがきっかけというか、1番の情熱のエンジンですね。



中学生のときには、フルスクラッチでプラモデルが作れるレベルまで成長

 出典  Funmee!!編集部


―― かなり幼少期からジオラマの魅力に目覚めていたようですが、そこからはずっと作り続けているんですか?

 

中学でもコツコツとプラモデルを作り続けていました。高校時代は邪念がでてきて、趣味がプラモデルってモテないなと思ったので隠れ趣味にしましたけど(笑)本格的なものではないにしても、ずっと続けています。




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—— 腕前は?

 

僕は小さい頃から手先が器用だったこともあって、中学生のときには今のテクニックを全部習得していたんです。

プラモデルなら「作る」「塗装をする」「改造して本物に近づける」という3段階があって、それに地面をつけたりするとジオラマになりますよね。


さらには、模型雑誌にのっているものを見様見真似で作ってみたり、学校の工作の授業で習ったことをフル活用したりして、世の中にないものを図面から起こしてフルスクラッチで全部作れるようにもなったんです。図面を起こすようになると、例えばロボットのパーツとかを量産するために、型取りして複製しやすくしたりもしました。


ここまでを中学生の時点で習得しちゃっていたので、自分の中では、ビックバンが起きちゃったんですよね。



ジオラマは僕の生き様、いつか後世に残るような絵本を出したい

 出典  Funmee!!編集部


—— 情景師・ジオラマ作家の活動では主にどんなことをしているのでしょうか?

 

サラリーマン時代から情景師アラーキーとしては活動していたので、7−8年は続けているのですが。独立してからは、ジオラマ制作、個展活動、本の執筆もしています。ジオラマ作家といっても、アーティストではなく職人でありたいと思っているので「情景師」と名乗っています。

 


—— 本も出されているんですね。

 

本が売れない時代と言われていますが、本を出すと箔がつくし、なにより自分の本が本屋に並んでいるのを見ると嬉しいですよね。

僕の中には、この世に荒木智が誕生した証を残したいという思いがあるんです。今までも、雑誌に作品を載せているときはクレジットをつけていましたが、やはり自分の名前が付いている一冊の本を生み出すというのは大きいと感じています。



 出典  Funmee!!編集部


—— 趣味だったジオラマ作りが仕事になるってどんな感じですか?

 

ジオラマは僕の生き様なので、趣味というよりは、生き様が仕事になったんです。今までも仕事をしている意識はあまりなくて、好きな空間で好きなことをしているだけだから、ずーっと有給が続いている感じ(笑)

 


—— それは幸せな感覚ですね。これからの夢はありますか?

 

目標は絵本ですね。情景師アラーキーが描いた緻密な手書きのイラストのザ・絵本っていうのもいいし、物語を全部ジオラマで再現したジオラマ絵本もやってみたい。流行り廃りのない、ずっと残るものを生み出していきたいです。

あとは、もっと貫禄がでてきたら、ジオラマ作りを人に教える活動もしていきたいですね。



—— やっぱり死ぬまでジオラマを作っていたい?

 

そういう気持ちはあるけど、そこまで気合が入っているわけでもないんですよ。実際、ジオラマ作るのは面倒くさいですから(笑)ただ、僕がみたいと思った世界を、誰かが作ってくれるならそれでもいいけど、それが上手だったら絶対嫉妬する! 嫉妬がなくなった時点で、作家として終わりなんでしょうね。




■プロフィール

荒木智さん

ジオラマ作家・情景師

 

大手電機メーカーにプロダクトデザイナーとして勤務しながら情景師として活動していたが、2年前に独立。ブログ『情景師アラーキーのジオラマでショー』をはじめ、Twitter、Instagramなどで自身の作品を公開している。個展活動のほかに、『タモリ倶楽部』『マツコの怒り新党』などテレビにも出演。著書に『作る! 超リアルなジオラマ: 材料探しから作品発信まで完全マスター』『凄い!ジオラマ』がある。

 

『情景師アラーキーのジオラマでショー』

http://arakichi.blog.fc2.com/



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文:荒木翔子(Shoko Araki)

写真:澤田聖司(Seiji Sawada)



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Funmee!!編集部

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