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#16 GMシボレー・カマロ(スペック編)
【趣味人ジドウシャ部】︎

#16 GMシボレー・カマロ(スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。16台目は初代「シボレー・カマロ」です。

 

米ゼネラル・モーターズが1966年に戦後世代に向け新規開発車両として送り出したシボレー・カマロは、およそ50年もの歴史をもち、いまなお継続生産されるスペシャリティカーです。世代を超えて愛される稀代の名車と言えるでしょう。



「バンブルビー」の祖先、初代カマロは魅力たっぷりの愛車

国産車では絶滅状態の2ドアクーペのボディがパーソナル感を引き立てます
 出典  Funmee!!編集部
国産車では絶滅状態の2ドアクーペのボディがパーソナル感を引き立てます


シボレー・カマロ(以下、カマロ)と聞いて、真っ先に思い浮かぶカタチはさまざまでしょうが、映画『トランスフォーマー』(2007年)に登場するキャラクターのひとり「バンブルビー」は、1970年から1981年までの2世代目(MC後)の黄色いカマロへ変形し、その後のシリーズでは2010年から2015年まで発売された5世代目のカマロへ変形します(現行型は6世代目)。

 

初代カマロは1966年9月に発売開始。モデルイヤーでいえば1967年モデルです。輸入車の場合、発売年と型式が必ずしも一致しないので注意が必要です。

 

また、初代カマロの場合、その人気から1969年モデルが1970年初頭まで生産され途中から第2世代へ受け継がれた経緯があります。



ステアリングとインストールされた発光式のメーターを除けばほぼノーマルのインテリア
 出典  Funmee!!編集部
ステアリングとインストールされた発光式のメーターを除けばほぼノーマルのインテリア


従来のタイムスケジュールでは1969年9月から次期モデルが生産されて然るべきところ。よって、2世代目の初年度生産カマロは「’70 1/2」、セブンティ・ハーフと呼ばれています。

 

全世代を通しわずか3年半という比較して短いタイムスパンながら、初代カマロは多くのカーガイを魅了していきます。2010年誕生の5代目、そして6代目となる2016年からの現行型カマロのデザインは、この初代モデルへのオマージュとなっています。



固定式ヘッドライトが標準でリトラクタブル式がオプション設定。どちらもコンバート可能です
 出典  Funmee!!編集部
固定式ヘッドライトが標準でリトラクタブル式がオプション設定。どちらもコンバート可能です

戦後世代に向けた「ポニーカー」が一大ムーブメントを巻き起こす

戦後世代に向けて初めて乗るクルマという意味でポニーカーというマーケットが成立しました。ボディ形状はクーペの他にコンバーチブルもあります
 写真提供  GM
戦後世代に向けて初めて乗るクルマという意味でポニーカーというマーケットが成立しました。ボディ形状はクーペの他にコンバーチブルもあります


クルマがお好きな方でしたら「ポニーカー」という呼び名に一度は触れたことがあると思います。現代の感覚で言えばとてもマーケティング的な意味合いが深いのですが、1960年台のアメリカ車は、第2次世界大戦後に生まれた、いわゆるベビーブーマーに向けた新型車開発が社運を握っていました。

 

そこで誕生したのがポニーカーと呼ばれるコンパクトサイズのスペシャリティカーです。ボディサイズは既存の全長5mオーバーのフルサイズに対し、初代カマロのそれは全長4,691mm×全幅1,842mm×全高1,306mm(ホイールベースは2,743mm)。

 

ひと回り小さなボディサイズが特徴で、免許を取って初めて乗るクルマという位置付けです。一人前の男になる、その過程にある存在。そんなところからポニーカーというカテゴリーは誕生したのです。



搭載するV8エンジンはバリエーションが多く5リッターから6.5リッターまで選べました。画像はカスタマイズされた5.7リッターエンジンです
 出典  Funmee!!編集部
搭載するV8エンジンはバリエーションが多く5リッターから6.5リッターまで選べました。画像はカスタマイズされた5.7リッターエンジンです


このポニーカーのなかでGMのカマロは後発でした。当時の人気モデルはフォードのマスタングで、カマロより早い1964年4月にデビュー。同社はプロモーション活動に余念なく、レースではキャロル・シェルビーにチーム運営を任せ、また、1966年の映画『男と女』、1968年の『ブリッド』も同車のバリューにひと役買うことになります。

 

後塵を拝したカマロの人気に火がつくのは遅く、しかし、1969年モデルの最終型を発売する頃には立派なライバルに成長。マスタングを若干下回る価格戦略も功を奏します。



年式的にヘッドレストの装備はありません。このあたりは好みに応じてカスタマイズし易い部分でしょう
 出典  Funmee!!編集部
年式的にヘッドレストの装備はありません。このあたりは好みに応じてカスタマイズし易い部分でしょう


パワーユニットは3.8リッター直列6気筒から6.5リッターV型8 気筒エンジンで、これに標準で3速MT、オプションで4速MTとATをトランスミッションにラインナップ。グレードはスタンダード、RS(ラリー・スポーツ)、SS(スーパー・スポーツ)、Z/28でした。



レースでホモロゲーションを取得するために誕生したZ/28。マニアックなスポーツ派のグレードで後の後継モデルではトップモデルの称号として採用されます
 画像提供  GM
レースでホモロゲーションを取得するために誕生したZ/28。マニアックなスポーツ派のグレードで後の後継モデルではトップモデルの称号として採用されます


初代カマロのラインナップのなかで、マニアックなのはZ/28です。このモデルはメーカーの予想に反して売上を伸ばし、またモデル全体のイメージアップにも貢献しました。

 

このZ/28は、当時人気上昇中のモータースポーツ・カテゴリーでSCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)が主催するTrans-Am(トランスアメリカン・セダン・チャンピオンシップ)シリーズに向けたホモロゲーション・モデルです。

 

パワーユニットはそのレギュレーションから排気量5リッターが上限。そこでGMは、既存のシリンダーブロックやクランクシャフトを組み合わせ「302DZ」という型式の素性の良いエンジンを完成させます。



大排気量エンジンのトルクを活かしゆったりと走るのもカマロの魅力です
 出典  Funmee!!編集部
大排気量エンジンのトルクを活かしゆったりと走るのもカマロの魅力です


しかし、GMは元来モータースポーツに深くコミットしない原則をもっていたので、レースへの参戦は表向きワークスチームではなく、元F1ドライバーでGMの開発ドライバーの経験をもつロジャー・ペンスキー率いるチーム・ペンスキーに託します。

 

事実上GMのワークスチームでしたが、カマロは1968年のチャンピオンシップを制しタイトルを獲得。これに呼応して市販モデルも売上を伸ばします。エアコンレスでオプションの4速MTを組み合わせたストイックな仕様のZ/28が2万台を超えるセールスを記録するのです。



いま見てもディテールの美しさは飛び切り。クラシックカーとしても十分に魅力的です
 出典  Funmee!!編集部
いま見てもディテールの美しさは飛び切り。クラシックカーとしても十分に魅力的です


この数字は同車のアイコン的モデルSSに1万台強及びませんでしたが、生粋のスポーツモデルとして広く認知され、現在では最強グレードを示す符号としてその名を残します。ちなみにZ/28の名は、発注時のオプションコードに由来します。



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フジミ模型 1/24 RS-73 シボレーカマロです。


■撮影協力

レッドラインオートモーティブ


1998年創業のアメリカ車専門店。車両販売からメンテナンス、カスタマイズまで幅広く対応してくれます。GM、フォード、クライスラーとアメリカ御三家は得意分野。また、自動車趣味が講じてダイキャストミニカーを取り扱う「レッドラインコレクティブルズ」も運営中です。

 

神奈川県横浜市港北区新羽町 889

TEL:045-545-9111

営業時間:12:00~20:00 日曜・祝日 12:00~18:00

休み:水曜 

 

 

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文:教重誠一(Seiichi Norishige)

写真:銭田豊裕(Toyohiro Zenita)

 


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2018年1月9日
Funmee!!編集部
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