リフレッシュにも、護身術にも。いま、柔術に老若男女が夢中!


身体を使うチェスと称されることもある柔術。柔術のジム『ストライプル世田谷』には、性別年齢問わずさまざまな人が集い心身を鍛えています。

 

今回は、稽古を見せてもらいながら護身術のテクニックも教えていただきました。



身体よりも頭が疲れる?!柔術は頭脳戦

一つひとつの動きに意味があり、チェスや将棋のようでもある。

 出典  Funmee!!編集部


―― 柔術はチェスのような魅力があると聞いたことがあります。


最近は藤井四段が活躍しているので、将棋ってことにしましょう(笑)。攻防が進むといわゆる「詰み」の状態、「この形を取られたらもう勝てないよ」っていう形になる。

 


―― きわめてロジカルなんですね。


たとえば、ボクシングにはラッキーパンチという言葉があります。だけど、柔術の寝技にはまぐれがありません。

 


―― 柔術が世界中で広まった理由を上げるとすると?

ひとつはロジカルであるということ。やってみると、身体の疲れより「頭使ったな」という実感がある。頭は使うわ、汗はかくわで、いいリフレッシュになりますよ。

もうひとつは、痛くないこと。関節技を極められたら痛いけど、「参った」が言える。打撃系の格闘技は痛さがつきものです。でも、柔術の場合は、絞められたりすれば苦しいけど、ほとんど怪我には至りません。

 


―― たしかに、ほかの格闘技に「参った」はありませんね。


僕は普段から、「痛みを感じるポイントが10だとしたら、必ず8か9でリリースしなさい」と指導しています。普通の人に門戸を開いた以上は、練習した次の日も滞りなく生活してほしいですから。ただ、プロになるとまた教え方が違っていて、ガチガチに練習をしないと強くなれないという面もあるんですけどね。



女性や子どもも真剣な表情で稽古に打ち込んでいる。

 出典  Funmee!!編集部


―― こちらで柔術を始めるのはどんな方が多いですか。


柔術は性別も年齢も問いません。うちの道場だと、一番年上の方が58歳で、一番下が幼稚園の年長さん。女性も多いし、子どもも増えています。職業もみなさんバラバラです。経験者がほとんどいなくて、聞いてみると「自分でもできそうな気がした」って言う方が多いですね。柔術はいくつになっても挑戦できます。だから、格闘家が増えたのではなく、一般の方が柔術をやるようになっていますね。



意外とカンタン!柔術家による護身術レクチャー


―― 今日はせっかくなので、柔術の一面でもある護身術もレクチャーしていただければと思います。


わかりました。まずは手首を掴まれたときの対処方法から行きましょう。



もしも手首を掴まれたら


たとえば、相手が右手で自分の左手首を思い切り掴んで来たとしますよね。その場合は、自分の右手で左手をしっかりと握り、思い切って時計回りに振り切りましょう。



相手に手首を取られても、柔術の技で逃れることができる。

 出典  Funmee!!編集部


―― おお、スムーズに相手から逃れることができますね。


もう1パターン、同じく左手首を掴まれたら、自分の左手で相手の右手を外側から掴んで腕を決める方法もあります。どちらも、それほど力を使わず合理的に振りほどくことができます。

 


もしも後ろから抱きつかれたら?!



―― 後ろからいきなり抱きつかれた場合はどうすればいいですか。


相手が後ろにいる場合は、密着している相手との間に隙間をつくることが大切です。腰を落として急に前に体重をかけると隙間ができるので、股の間から手を伸ばして相手の片足を掴めば倒すことができます。



後ろから抱きつかれたら、身体と身体の間にスペースを作って足を取る。

 出典  Funmee!!編集部


―― 実際にやってみると、力はそれほどいらないんですね。


そうですね。今回ご紹介したのはあくまで護身術的なものですが、実際の柔術の試合では尊敬の念を持って相手と対峙する姿勢が大切です。合気道では、「最強の技は、自分を殺しに来た相手を友だちにして帰すことだ」と言いますが、その精神はどこか柔術にも通じるところがある気がしますね。



柔術で鍛えられるのは身体と頭、そして心

穏やかで、物腰の柔らかい山崎さんは、生徒からも絶大な信頼を得ている。

 出典  Funmee!!編集部


―― 山崎さんは、柔術を通してお弟子さんたちに何を伝えたいですか?


柔術で学んだことを生活に取り入れてほしいですね。たとえば、学校や職場できちんとあいさつをするとか、相手に必要なアドバイスをしてあげるとか、夫婦喧嘩したら自分から仲直りするきっかけをつくるとか(笑)。

 


―― 少し体験しただけなのに恐縮ですが、柔術を続けたら謙虚になれる気がしました。


身体も頭も鍛えられますけど、心の鍛錬にもなりますからね。柔術は僕にとって一生モノだし、出会えたことに感謝しています。




■プロフィール

山崎明さん

1970年生まれ。平直行氏に師事してブラジリアン柔術を学び、国内だけでなく海外の大会で何度も優勝するなど、輝かしい実績を残す。2009年には世田谷に道場『ストライプル世田谷』を開設。レフェリーとしてはパンクラス、THE OUTSIDER、GRACHANのリングで活躍中。また、格闘家による自閉症啓発イベント『Fight4u.』にも協力している。昼の顔は歯科医。

 


ストライプル世田谷

世田谷区奥沢6-28-11 牛山ビル1F

090-8300-5001

 


===

企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:吉田勉(Tsutomu Yoshida)

写真:加藤史人(Fumito Kato)



最新情報はこちらから フォローやいいね!をして最新情報を受け取ろう

Funmee!!編集部

Funmee!!編集部

TOP