【憧れのガレージ拝見!】#03 既成概念に囚われない!“面白い”が詰め込まれたガレージ(後編)


クルマのプロ中のプロ、レーシングカー・エンジニアの加藤丈博さんのガレージハウスは、本当に自分が好きな「面白いもの」を集めた異色の空間だ。

 

シャンデリア、浮世絵、アンティーク時計など、普通のガレージにはないアイテムがさりげなく飾られている。

 

普段、コンマ何秒を争うシビアな世界で働いている加藤さんにとって、プライベートのガレージやバイクは“FUN”を求めるツールに他ならない。



機能ではなく面白みを求めて

過去に作った自作のタンク。「昔はとにかく速いバイクを追求していました」

 出典  Funmee!!編集部


―― 当初、どのようなガレージをつくろうと思っていたんですか?

 

本来、自分が求めていたガレージは、「安全第一」と書いてあるような工場なんですよ。工場ですと、たいてい床はグリーンなんですね。だけど、業者さんはそんなの知らないから、家のテイストに合わせたふうに床を塗っちゃったんですよ。まあサーキットのピットではないし家だからいいか、と思っていたんですが、ふと天井を見ると白色で何かパンチがないなぁと。

 

で、黒板用のペンキを買ってきて自分でペタペタと塗ってしまった。「おっ、迫力が出た! これはシャンデリアをぶら下げないとダメだな」と(笑)。で、いろいろと手を加えてきた。基本的には面倒臭がりですが、溶接なんかはできますから。

 

 

―― 結果的によかった。

 

最近自分も仕事でいろいろと疲れていて、家まで「安全第一」と書いてある環境は嫌かなと思うようになって、「まあ、いいや」というテイストにちょっと振っちゃったんです。



ガレージにシャンデリア!?  ミスマッチのように思えるが、妖艶な美しさが意外とマッチ

 出典  Funmee!!編集部


―― シャンデリアの光が雰囲気があって綺麗ですね!

 

そうなんです。このガレージは日が落ちてからがいいんです。シャンデリアのガラスのエッジというかシルエットがガレージの壁に落ちたり、バイクに映り込んだりしてここだけの世界を作り上げるんです。



ガレージから広がる、休日ライフ

プロならではの工作機械がいたるところに鎮座。いかにも無骨な面構え

 出典  Funmee!!編集部


―― 休みの日は、ガレージにで何か作業とかをされてるんですか?

 

この家に引っ越してきてからは、まだ全然やってないです。以前は、バイクで仕事場へ行ってたというのもあるので、今晩帰ってからエンジンを載せかえようとか、休日、平日関係なくやってましたね。

 

 

―― ツーリングには行かれないんですか?

 

行かないです(笑)。

 

せいぜい自分の遠出って、家から六本木ぐらいですね。きちんとメンテをして、安全の確認ができてからでないと自分は乗りません。

 

もちろん自分でメンテナンスをしますよ。エンジンだろうが、サスペンションだろうが。ガレージでバイクを浮かせてホイールを回してみれば、回りがどうだなとか、ブレーキがどうだなというのはすぐわかります。その意味でもガレージでなくてはなりません。

 

それに、きちんとしたプロのライダーの乗り方で乗ろうとすると、30分乗れればいい方なんですよ。自分はそれを知ってしまっていてその乗り方でやろうとするので、ツーリングなんて絶対無理なんです。ちょろちょろっと乗るだけで、汗だくになるので。本当を知っているから偽物はできない。



さりげなくレザーのチェアが置いてあるのも、加藤さんらしい

 出典  Funmee!!編集部

また昔のバイクづくりの日々に

いま、お気に入りの二輪車、Moto Guzzi(モトグッツィ)。レースとは対極になる「面白さ」にひかれる

 出典  Funmee!!編集部


―― いまの加藤さんにとってガレージとは、どういう存在なんですか?

 

いま、だいぶバイクの数を減らしてしまいましたが、一時は30台あったんです。その時は自分がこだわっているバイクの部品をつくっていました。

 

例えば'80年代にカワサキのGPZ750ターボというバイクがあったんですけど、それをクランクから“削り”でつくって。ノーマルが120馬力だったと思うんですけど、最終的には250馬力にして。

 

いま、工場で売ってるパーツを買ってきて付けるとか、そういうことは高校生とか若い子達がやればいいやと思っています。自分はこういう仕事をやってますから、自分で納得するものをつくリたい。だいぶ工作機械を減らしてしまい、いまはあまり物づくりができない状況なんですけど、最近ガレージの片づけを始めたら工作機械をまた増やせそうなので、昔のようにまたバイクをつくろうかなと思ってます。この家と同じように、中途半端なことは絶対にやりたくないですね。

 

 

―― どんなバイクをつくろうと考えているんですか?

 

昔はとにかく速いバイクをつくったんですけど、最近は「面白ければいいや」というふうに路線が自分の中で変わってきて、Buell(ビューエル)とか、Moto Guzzi(モトグッツィ)とか、ああいう方が好きになっていますね。



また昔のようにバイクづくりをしたいと言う加藤さん。新しいガレージライフのスタートだ

 出典  Funmee!!編集部


■プロフィール

加藤丈博さん


東京都調布市出身、大田区在住。幼少のころからバイクにほれ込み、レースの道へ。大学卒業、アフターパーツメーカー勤務をへて、二輪から四輪の世界へ。SUPER GTやF1、ルマンなど、国内外のトップレーシングチームのエンジニアとして活躍してきた。

 


■取材協力

カリフォルニア工務店

 

 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:サンオー・プロダクションズ (SAN-O PRODUCTIONS)

写真:小尾淳介 (Junsuke Obi)




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Funmee!!編集部

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