アジからマグロまで、どう選ぶ? 海用スピニングリール
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アジからマグロまで、どう選ぶ? 海用スピニングリール


海には大小さまざまな魚が棲んでいます。そのため道具も多種多様。なかでもリールは小さいものから大きなものまでいろいろあって、初心者にとってはどれを選べばいいのか迷ってしまうもの。


そこで今回は海釣りでよく使われる「スピニングリール」と「ベイトキャスティングリール」のうち、初心者でも使いやすい「スピニングリール」にスポットを当てて、その特徴や選び方、シーン別おすすめの一台を紹介します。



淡水用と海水用、一番の違いは防錆性能

ダイワのリールに備えられている防水機構マグシールドの模式図。ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作ることで、それより内側に水や塩、砂などが侵入することを防ぎます
 提供  Daiwa
ダイワのリールに備えられている防水機構マグシールドの模式図。ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作ることで、それより内側に水や塩、砂などが侵入することを防ぎます


同じスピニングリールでも海で使えるものと、使わないほうがいいものがあります。それはカタログを見るとモデルによって「淡水専用」などと書かれているため判別できます。

 

淡水専用と書かれていないモデルは、海で使っても大丈夫なように耐食性に優れたベアリングや、フルシールド防水機構、X‒プロテクト(シマノ)、マグシールド(ダイワ)といった、防錆性能を備えています。逆に淡水専用のリールを海で使うと、使うほどにリールの性能が下がっていきます。海釣りでは、このような防錆性が備わっているリールを使いましょう。



知っておきたいスピニングリールのパーツと特徴

 写真提供  SHIMANO


●スプール

糸を収納するところで、この大きさは「2000」や「3000」など数字で表されます。数字が大きくなるほど、巻きとれる糸の量は多くなり、ボディサイズも大きくなります。

 

●ハンドル

回すことで糸を巻き取ります。ほとんどのリールが、左右どちらでも付け替えることができます。高価なものは、ハンドルノブの内部にベアリングが入り、より回転が滑らかになっています。

 

●ベール

スプールに糸を巻きとるときに使うパーツです。投げるときには起こします。すると糸がフリーになって放出されます。ほとんどのモデルは、ハンドルを回すと自動的に元の状態に戻り、糸をスプールに巻きとることができます。

 

●ドラグノブ

魚が強く引き、糸の強度以上になる前に、スプールを回転させて糸が切れるのを防ぐパーツです。高価なものになると、ドラグの精度がより高くなっていきます。特に海用のリールでは重要な機構です。

 

●ローター

ハンドルを回すとベールと一緒に回るパーツです。海用のリールでは、ボディのサイズは同じでローターとスプールが大きいものが存在します。

 

●ラインローラー

ベールに付随しているパーツで、このパーツによってテンションをかけた状態で糸をスプールに巻きます。高価なモデルになると内部にベアリングが内蔵され、糸ヨレを減らし、糸との摩擦抵抗を下げて糸の耐久性をアップさせます。

 

●ストッパー

ローターの回転を制御するスイッチです。通常は巻きとり回転しかできないONの状態で使用します。OFFにするとストッパーが解除され、ローターが逆回転します。海用のリールではこのパーツが付いていないものが存在します。



スピニングリールは魚の大きさや釣り方で選ぶ


海で使うリールのサイズは、対象魚や釣り方によって変えます。海に生息する魚は、アジのような小さなものから、マグロのような巨大魚までそのサイズは多種多様。そのためリールも多彩なサイズが用意されています。目安になるのは「番手(ばんて)」と呼ばれる数字で、一般的なリールは番手が小さいほどリールも小さく、大きいほどリールも大きくなります。



1000、2000番台は、小さな魚向け


メバルやアジといったアベレージ25cm以下の魚を狙うときは1000、2000番台のリールを使います。スプールに巻く糸はナイロン、フロロカーボン、エステルの3~4lb.(ポンド)、PEであれば0.3~0.4号になります。



アジなど小型の魚は1000、2000番台のリール
 提供  Adobe Stock
アジなど小型の魚は1000、2000番台のリール

3000、4000番台は中型の魚向け


シーバス、ヒラスズキ、ヒラメ、コチ、アオリイカなど中型の魚を狙う時は、3000、4000番台のリールを使います。岸から狙うときに遠投ができ、巻き上げスピードも速いことが特徴です。糸はナイロンの16~20lb.、PE0.6~2号を巻くことが多いです。



ヒラメなど岸から狙うときに遠投ができる魚は3000、4000番台のリール
 提供  Adobe Stock
ヒラメなど岸から狙うときに遠投ができる魚は3000、4000番台のリール

5000番以上は大型の魚や太い糸を使う魚向け


巨大な魚や、海中の障害物の際を好んで生息している魚を狙うときは、太い糸を200~300m巻く必要があるため、5000番以上のリールを使います。ヒラマサやGT(ジャイアントトレバリー)といった魚は「根」と呼ばれる海底付近の障害物の近くに生息しているため、海底付近でやり取りしていると、根に糸が擦れて切れてしまうことがあるのです。



ヒラマサは1m超まで成長することもある大型の魚で、単独、もしくは小さな群れで回遊しています
 提供  Adobe Stock
ヒラマサは1m超まで成長することもある大型の魚で、単独、もしくは小さな群れで回遊しています

大型の魚でも生態により中型リールを選ぶ


シイラやマグロといった魚は根に居着かないため、細めの糸をセレクトできます。細い糸は仕掛やルアーを投げるときの空気抵抗が少ないため、より遠くへ投げられるメリットがあります。そのため、シイラなどは大きな魚ですが3000〜4000番台をセレクトする人もいます。

 

ただし、極端に細い糸は強い引きに対して無理が利かないため、ファイトタイムを無駄に長くしてしまい、針の刺さった場所の傷口を広げてしまったり、場合によっては魚を逃す場合もあります。とくに乗り合い船では大物とやり取りしているあいだ、周囲の釣り人は邪魔にならないよう配慮して釣りしないこともあり、ファイトタイムが長くなると他の釣り人の迷惑になる場合もあります。



人気のジギングは大きすぎないリールを選ぶ


「メタルジグ(以下、ジグ)」という金属製のルアーを海底へ落とし、深く潜っている魚を狙うジギングではリール選びのポイントは違ってきます。

 

長い糸を収められるリールを選ぶ必要がありますが、海底へ落としたジグにアクションを出すために連続して竿をシャクリ続けるため、大きく重たいリールは持ち重りがして疲れやすくなってしまいます。

 

では小さいリールはというと、ハンドルを回して起こすアクションのときにジグを上手に動かすのが難しくなります。

 

結局、自分がどんな魚をどのように釣りたいかがリール選びのポイントと言えるでしょう。そして無駄な買い物を避けるためには、豊富なリールを展示している専門店を訪れ、スタッフと相談しながらどのモデルを使うか決めるのがいいでしょう。



シーン別おすすめリール 近海の小物狙い


堤防や港などからアジ、メバルを狙うときには、場合によっては1gにも満たない小さなルアーを使うことがあります。このような軽いルアーを遠くへ飛ばすとき、4lb.より細い糸を使う方が投げやすいです。また、アジやメバルは針にかかったときのアタリが小さいので、より繊細な道具立てが必要になります。そのためリールはできるだけ軽い小型を選びます。



ダイワ「月下美人 MX 2004」

 提供  Daiwa


ダイワの軽装な海釣りに適した「月下美人」シリーズのひとつで、防水機構を搭載したモデルです。一定のリズムで巻きやすいダブルハンドルモデルもあります。



シーン別おすすめリール 中型の魚を岸から狙う


シーバスや青物、ヒラメやコチなどを岸から狙うときには3000、4000番台のリールがおすすめ。糸の太さは対象魚や釣り方によって変えますが、ある程度のキャストを必要とする釣りになるので、どのような太さの糸を選んでも最低150mを巻けるスプールサイズが必要です。



シマノ「アルテグラ 3000XG」

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シマノのハイコストパフォーマンスモデルとして歴史のあるモデル「アルテグラ」。1万円台でありながら、ワンランク上のスペックを持つエキストラハイギア仕様です。そのため、遠投した際のルアー回収が早く、ルアーをスピーディに動かすこともできます。

 

シーバスだけを考えればC3000HG(ハイギアモデル)がオススメですが、岸からジグを遠投することも考えると、ルアーの回収が早いXGモデルの方が使い勝手がいいです。ヒラメやマゴチも最近はルアーを遠投することが多いので、シーバス以外の釣りも楽しみたいならオススメは3000XGモデルになります。※写真はアルテグラC3000。



シーン別おすすめリール 船のライトジギング


近年、人気が上昇しているライトジギング。40g程度の軽いジグを使い、水深30m程度までの浅い近海で行うこの釣りは、1匹も釣れない“ボウズ”で帰ることが少なく、青物の強烈なファイトを堪能できるのが魅力です。


ジギングではしゃくりやリールを巻くといった動作が多いので、できる限り大きすぎないサイズのものを選びましょう。



ダイワ「ヴァデル 4000H」

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ライトジギングに対応する低価格モデルです。安価ながら、ダイワ独自の防水、防塵機構「マグシールド」を備え、激しいジギングに耐えうるボディ剛性も持っています。シイラのキャスティングゲームにも使えます。※写真はヴァデル3500H。



シーン別おすすめリール とことん大物狙い!


いままでは掛かっても釣り上げることができなかった海の大物も、道具の進化によって可能になってきました。特に100kgを超えるクロマグロは、海の釣りにおいて最終目標にしている人も多い魚です。そのためには収められる糸の量と太さの関係や、ドラグ性能にも注目しながら、大型でタフなリールを選びましょう。



シマノ「ステラ SW30000」

 提供  SHIMANO


海釣りをするひとなら誰もが夢見るターゲットであるクロマグロやマーリンといった超大物。釣りのエキスパートたちがこれらを狙うときに選ぶのがステラ SW 30000です。


PE8号ラインが600m入るという驚異のラインキャパシティと耐久性、ドラグ性能(実用ドラグ力(N)/(kg):147.0/15.0、最大ドラグ力(N)/(kg):196.0/20.0)、巻き上げパワー、剛性、防水性能を高次元で併せ持つシマノ史上最強のスピニングリールです。※写真はステラSW14000HG。



「海での釣りはなんとなく敷居が高い……」そんなイメージを180度変える海釣り入門書。スピニングリールをはじめとしたソルトリールを選ぶときも、きっと自分に合ったものが見つけられます。


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文・写真:竹本福男 (Fukuo Takemoto)



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2018年7月31日
Funmee!!編集部
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