うまいビールを作るのが生きがい Y.Y.G. Brewery&Beer Kitchen 山之内圭太さんのビール愛【前編】

アメリカではメジャーなホームブリュー 最初の一杯で、「これいけるやん」

 Funmee!!編集部
━━まずは、山之内さんがビールに目覚め、ビールを作りたいと思ったきっかけを教えてください。


カメラマンをしているいとこが、カナダでビールのホームブリュー(自家醸造)をやっていて、彼が作ったヴァイツェンの味に感動して。すぐに作り方を教えてもらい、そして海外で作り始めたのがきっかけです。作ってはパーティを行うというのがすごく楽しみでした。

彼はカナダ人と日本人のハーフのカメラマン。ヒッピーみたいな生活をしている人物。1年間のうち1カ月か、2カ月だけ働いて、あとは世界中を旅しながら、写真を撮っています。お金もあまり使わないので、ビールも自分たちの手作り、ホームブリューをやっていました。


━━アメリカでは自家製ビールを作っている人が120万人ぐらいいるとか。


ヨーロッパ、アメリカではホームブリューをやっている人が多くて、すごくメジャーです。


━━日本では、製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合、酒類製造免許が必要です。そんな状況からすると羨ましいですね。それで、はじめてのビール作りはうまく行ったんですか。


最初に作った一発目がうまくいったので、「これいけるやん」って。それ以来、ビール作りにはまっちゃいました。いろいろなビールに挑戦。知識がなかった頃は、作っていて失敗したこともあります。

例えば、ビールは麦芽に含まれるでんぷんを酵素が糖分に分解して、その糖分をイーストが分解してアルコールになります。でんぷんから糖分になるためには麦芽に入っている酵素を働かせないといけないのですが、実は麦芽にはその酵素を持っている麦芽と、もっていない麦芽があります。学生の時はそういったことも知らずに、酵素をもっていない麦芽をいっぱいネットで買って作り、ただの麦水みたいになったこともあります(笑)。


 Funmee!!編集部

素材の配合割合で味、色、香り、コク、キレが変わる! 錬金術のような奥深さ

━━大学を卒業されて、ビールの道にすぐに進んだんですか


いや、ビールとは全然関係ない会社に就職して経理の仕事をやっていました。その間もビール作りの英語の文献などで研究していましたが、ビール作りの現場に少しだけでも近づきたいと思い、近所のクラフトビールのお店の門を叩きました。そこが浅草のカンピオンエール、ブリュワリー 併設のブリティッシュパブでした。

普段は会社勤めしているため、オーナーに「週末だけボランティアさせてもらってもいいですか」とお願いしたら、「いいよ、ぜひぜひ」と、2つ返事でOKがでて。それから週一回くらいで週末にボランティアさせてもらいました。ビールの醸造はやらなかったのですが、カウンターでビールをサービングしたり、フィッシュアンドチップスを揚げたり、そんな作業からスタートしました。


 Funmee!!編集部
━━カンピオンエールのオーナーさんからビール作りの“コツ”を教わったのですか?


ちょこちょこ教わりました、コツは温度管理、衛生管理、材料の配合。ビールの材料は麦芽、ホップ、イースト、水。基本的に材料はそれだけですけど、ホップも麦芽も、すごく種類がありますし、それの配合の組み合わせで、黒くもできるし、赤くもできる。白くも黄色にもできます。


 Funmee!!編集部
━━なんだかビール作りの魔術師みたいですね。


魔術師というよりは、錬金術師みたいな感じですね、それをちゃんとコントロールするのが、すごく楽しいけど、難しい。


━━カンピオンエールには、どれくらいの期間いらっしゃったのですか。


1年弱ですね、そのボランティアをしている時に現在Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchenのオーナーの片野に出会いました。オーナーは現在バーとキッチンがある1階と7階をクラフトビール醸造所併設のお店にしようとしていました。


 Funmee!!編集部
━━資金や経験が求められる醸造所併設の店はハードルが高いと思うんですが、なぜ開こうと思ったんですか?


オーナーが、今YYGがあるこの場所で何かを始めたいと、飲食店舗経営のプロジェクトを発起した。数多くの飲食店をリサーチし、様々なアイデアを考えていく中で、今人気を集めているクラフトビールの業態に着目したんです。そこで、可能性を感じ、「ただの飲食店ではなく、自分たちが作ったものを出す」という形態に辿り着きました。
オーナーではないですが、共同出資者が、当時私がボランティアをしていた、浅草のカンピオンエールにも立ち寄り、私が「将来ビール作りをやってみたいと考えている」と伝えたら、「じゃあ一緒にやりましょう」という話になりました。


 Funmee!!編集部
━━その言葉ってすごく望んでいたものですよね。


嬉しかったですよね。むちゃくちゃラッキーです。この仕事ってやりたい人がいっぱいいます。でも、やっぱりポジションがないんですよ。うちもビール作りに何十人って必要じゃないし、2人いれば充分です。
話をしたのが2015年の5月くらいで、そこからあっという間に店のオープンが決まって。そして、次の年の3月にはついにブルワーデビューを果たしました。


うまいビールを作るのが生きがい Y.Y.G. Brewery&Beer Kitchen 山之内圭太さんのビール愛【後編】


■プロフィール

Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchen

ブルワー(醸造家)

山之内圭太さん


1989年4月16日生まれ。愛媛県松山市出身。大阪大学(経済学部)卒業。同大学在学中、ロンドン大学(School of Oriental and African Studies)に1年間交換留学。卒業後、消費財メーカーで3年間経理(管理会計)を担当。2015年 浅草のカンピオンエールで1年弱のボランティアを始め、2016年3月よりY.Y.G. Brewery & Beer Kitchenブルワーに。2017年1月には日本ならではの素材・山椒を使ったIPAや柚子を使ったフルーツエールが登場予定。

http://www.yygbrewery.com/


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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:岡﨑ヒデキ(Hideki Okazaki/TRYOUT)

写真:山田ヒロユキ(Hiroyuki Yamada)


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Funmee!!編集部

Funmee!!編集部