俳優・木下ほうかさんが指南! ヴィンテージウォッチの購入ガイダンス

値段が急激に跳ね上がったりする一方、オリジナリティやコンディションの良し悪し、あるいは真贋の問題など、購入には常にリスクがつきまとうヴィンテージウォッチ。


そこで、コレクターとして知られる俳優の木下ほうかさんをナビゲーターに迎え、かねてから親交のある中野の「グッドウォッチ」に訪問。購入のポイントについてご指南いただきました!


はじめに見るべきポイントは、オリジナリティ&コンディション

「グッドウォッチ」の店内の様子。時計だけでなく、レアなパーツ類まで並ぶ。

 出典  Funmee!!編集部

「一攫千金」とまでは言わないにしても、個体の選び方次第で後々のリセールが大きく変わるのが、ヴィンテージウォッチの醍醐味でもあり、難しさだったりします。ロレックスを中心に長年収集しているコレクター、木下ほうかさんが考える“購入のコツ”とは?


「どれだけ当時に近い状態でパーツが整っているか。第一に重要なのは、“オリジナリティ”が保証された個体であること。もちろん、条件が整った個体はその分だけ値段が高くなります。逆に値段が安くなっている場合、部品が交換されていたり、それなりの理由が必ずある。お互いそこを納得した上で売り買いするなら、それはそれでいいと思う」


同様に、購入の重要なポイントになる“コンディション”についても教えてくれました。


「時間がまったく合わないとか。実用的でないものは厳しいですね。日常使いできないとなると、さすがにね」


大好きな時計の話になると、ついつい顔もほころぶ木下さん

 出典  Funmee!!編集部

とはいえ、個体のレベルを見極めることは、初心者にとって非常に険しいハードルに違いありません。インターネットで調べたところで、それなりの経験や知識がないと正しい情報を探し出すことはなかなか難しいものです。


「分からないことがあれば、詳しい人であったり、信頼できるお店に確認すべき。たとえば、インデックスが茶色に焼けているのに、針だけ真っ白だとか。パッと見て、もし何かしらの違和感を感じたときは必ず聞いた方がいい。資料を眺めているだけじゃ何も始まらないから、まずは実物を手に取ることからのスタートです。本当にレアな個体に関しては、一度チャンスを逃すと二度と出会えないことがあります。万が一近い個体が見つかったとしても、その時には手が届かない値段になっていることがほとんど。僕も買い逃してしまって後悔している時計が何本もある(笑)」


そうなると、はじめての一本はどんな時計を選ぶべきなのか。木下さんに率直なアドバイスをうかがいました。


「誰もが欲しいと思うような人気モデル、もしくは将来性があるもの。この2択じゃないかな。ロレックスのスポーツモデルはすでに高騰しているから、『エアキング』あたりの小ぶりのボーイズサイズが今は狙い目なのかも。フルオリジナルは難しいとしても、個体のオリジナリティが担保されていることが大前提です。元をただせば、今値上がりしている時計はどれも発売当時は人気がなかったものだから。そこに目をつけておくと次のチャンスが見えてくるはず」


中野の「グッドウォッチ」から、木下ほうかさんが気になる3本をご紹介!

ショーケースから時計を吟味する木下さん

 出典  Funmee!!編集部

「中野ブロードウェイ」は、数々の時計専門店が軒を連ねる全国有数の激戦区。その3階に店舗を構える「グッドウォッチ」は2014年にオープン。レアなパーツまで豊富に揃う、信頼性の高いショップとしてコレクターたちから支持を集めています。実はオーナーの山田洋さんと木下さんは旧知の間柄。数々のお宝の中から、木下さんのツボに刺さった3本の時計をピックアップ!

①極上のコンディションを誇る“手巻きデイトナ”

1967年製のロレックス「コスモグラフ デイトナ」Ref.6239。580万円(税込)

 出典  Funmee!!編集部

「最近だいぶ見かけなくなった『コスモグラフ デイトナ』の初期型Ref.6239。古い時計なので、研磨されてケースが痩せてしまっている場合が多いのですが、この個体はしっかりとエッジが残っている極上のコンディション。さらに手書きのギャランティ付きとなれば、この値段でも納得できます」

②間違いない資産価値を持つ、コメックス社とのWネーム!

1988年製のロレックス「サブマリーナー」Ref.168000。980万円(税込)

 出典  Funmee!!編集部

「僕がこのコメックス社とのWネームの「サブマリーナー」が好きな理由は、数あるレアモデルの中でも真贋の見極め方が非常にハッキリしているという点。こちらの個体は残念なことにオーバーホール時に文字盤が交換されていますが、その他のパーツは特に問題はなさそうです。真贋を見極めるポイントの一つが文字盤のプリント。オリジナルの文字盤は、白でプリントした後から、黒でもう一度『COMEX』の文字を上乗せしています」

③希少性抜群! 「サブマリーナー」Ref.5512のレアモデル

1961年製のロレックス「サブマリーナー」Ref.5512。768万円(税込)

 出典  Funmee!!編集部

「希少価値が高いスポーツモデルの“ミラーダイヤル”を買うなら、個人的には文字盤にミニッツサークルが入っている方が好みです。こちらのRef.5512は、非常に希少性が高い“4ライン”と呼ばれているモデル。残念ながらリューズは交換されていますが、年式が合うパーツを後から探して交換することができるはず」

本当に自分が欲しい時計を買うことが何よりも大切!

木下さんの私物4点。どれも市場にはまず並ばない個体ばかり

 出典  Funmee!!編集部

木下さんが選んだ「グッドウォッチ」の店頭に並ぶ3本のヴィンテージロレックスは、いずれも高級車が買えてしまうほどの高額商品。裏を返せば、どの個体も確かな資産価値があることを証明しています。オーナーが変わろうと、そこで価値が落ちることはない。これこそがヴィンテージウォッチの大きな強みのひとつなのです。


「僕にもし息子がいたら、時計を受け継がせたい気持ちはあります。ヴィンテージに惹かれた理由のひとつにそこがあって、祖父が持っていたとか、父にもらったとか、そういうストーリーにすごく憧れていました。そう言っておきながら今までの話を全部覆す返すかもしれないけど(笑)、何よりも大切なことは、自分が欲しいと思う時計を買うことだと思う。価値が上がるとか、そんなことを一切気にせずに。究極の時計の買い方は、きっとそこにあるんじゃないかな」


[ショップ情報]

グッドウォッチ

東京都中野区中野5-52-15-340 中野ブロードウェイ3F

Tel. 03-5942-7816

13:00~20:00

日曜定休

http://www.goodwatch78.com/



■プロフィール

木下ほうかさん

1964年生まれ。大阪府大東市出身。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。大学卒業後に1989年に上京。30年以上のキャリアを持つベテラン俳優。数々の人気テレビ番組や映画で活躍。フジテレビの『痛快TV スカッとジャパン』のイヤミ課長シリーズで一躍お茶の間の人気者に。近況では、映画『High&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』、WOWOWドラマ『アキラとあきら』などに出演。また、映画作品では、2017年10月14日(土)に『恋と嘘』、2018年には『嘘八百』の公開を控えている。ヴィンテージウォッチのコレクターとしても各界で広く知られている。



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文:戸叶庸之(Tsuneyuki Tokano)

写真:鳥居健次郎(Kenjiro Torii)



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Funmee!!編集部

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