ストリートアートの先駆け!? ヴィンテージスケートボードの魅力とは
コレクター

ストリートアートの先駆け!? ヴィンテージスケートボードの魅力とは


スケートボードは実際に乗って滑りを楽しむものであることは間違いないですが、そうしたスポーツとしての側面のほかにアートな側面があるのはご存知でしょうか?


実はデッキ(ボード)の裏面に描かれたグラフィックはとても奥が深い世界なのです。そこで、’80~’90年代のスケートボードデッキをコレクションするジェルヴァゾニ・ローランさんにその魅力を伺ってきました。



絵を描くことや見ることが好きだった

まるで博物館を思わせる貴重なデッキの数々。すべて復刻ではなくオリジナルというからお驚きだ
 出典  Funmee!!編集部
まるで博物館を思わせる貴重なデッキの数々。すべて復刻ではなくオリジナルというからお驚きだ


―― すごい数ですね。どうしてヴィンテージのスケートボードを集めようと思ったのですか?


自分が昔スケートボードをしていたのはもちろんなんですが、それ以前にもともと絵を描くことや見ることが好きだったんですよ。ピカソなんて物心ついた頃からファンでしたね。それで2006年くらいに自分が幼い頃に乗っていて好きだったグラフィック、POWELL-PERALTAのトニー・ホークモデルをたまたま手に入れることができたので部屋に飾ってたんです。それがきっかけでグラフィックとかもいろいろ調べてたら、今度は当時のボーンズブリゲード(※1)の他のライダーのモデルも欲しくなって。そうしたら次は他のブランドも……、といった感じでどんどん増えていきましたね。


※1 ’80年代に世界を席巻し、現在のスケートの基盤を築いた伝説的なチーム



神奈川県藤沢市で開催された個展「Laurent collection」(現在は終了)にて取材・撮影させていただきました
 出典  Funmee!!編集部
神奈川県藤沢市で開催された個展「Laurent collection」(現在は終了)にて取材・撮影させていただきました

 

世界中のヴィンテージコレクターが集まっている

世界中のコレクターが集まるskull and bones skateboards
 出典  Funmee!!編集部
世界中のコレクターが集まるskull and bones skateboards


―― でも昔のデッキなんて情報もないし、どうやったら手に入れたら良いのかもわからないのですが。


僕は90年代中頃にフランスのスケートボード関係のショップで働いていたから、もともとそれなりに知識はあったんです。それに加え、グラフィックをデザインするアーティストなんかは「skull and bones skateboards」というサイトからですね。


そこには世界中のヴィンテージコレクターが集まっているのでいろんな質問ができるだけじゃなく、販売や交換までできるんです。ただメンバー入りしないと見れない情報もたくさんあるので、自らアプローチしていきました。そこで様々な関連書籍があるのを教えてもらって、購入して知識を深めていきました。そうして欲しいものが見つかったら、e-bayやfacebookのグループ機能など様々な情報源を駆使して、コレクションを増やしていきました。



様々なオールドデッキの情報が載っている書籍
 出典  Funmee!!編集部
様々なオールドデッキの情報が載っている書籍

 

どのグラフィックにも必ずストーリーがある

’70年代にこうして自ら絵を描くようになったことがグラフィック文化の始まり(「Skateboarder Magazine」より)
 出典  Funmee!!編集部
’70年代にこうして自ら絵を描くようになったことがグラフィック文化の始まり(「Skateboarder Magazine」より)


―― そこまでして手に入れる当時のスケートボードアートの魅力って何ですか?


やはり当時の色使いとグラフィックですね。’80~’90年代のグラフィックは本当に個性的です。もともとは’70年代にトリックが劇的に進化して滑りながらデッキの裏面を見せられるようになったことからグラフィックの文化は生まれたんですが、最初はブランドロゴだけだったり自分で絵を描いていたのが、どんどん進化してライダーの個性を主張するものになっていったんです。


なかには当時の社会的事件や政治問題を揶揄したものもあったりで、アートにもスケートボードの反社会的なカウンターカルチャーが反映されていて、一般では見られないものも多いんです。そのようによく調べるとどのグラフィックにも必ずストーリーがあるので、追求していくとかなり奥が深いことがわかりますよ。アートの魅力が詰まっていますね。



アートの側面があるのを知ってもらいたい

書籍を見てグラフィックの存在と魅力を知り、いままで多くのデッキを手に入れてきた
 出典  Funmee!!編集部
書籍を見てグラフィックの存在と魅力を知り、いままで多くのデッキを手に入れてきた


―― 今後手に入れたいモデルとか、これらのデッキを使ってやりたいことはありますか。


欲しいモデルもまだあるんですけど、数が絶対的に少ないのと、持っている人が絶対に手放さないのでなかなか大変ですね……。それでもご覧いただいたようにかなり揃っているので、今後もこうして個展やいろんなところに飾って多くの人に見てもらって、当時のアートの魅力を知ってもらえたら嬉しいです。いまはオリンピック競技も決まったので、これから一般の人たちの目に触れる機会も増えると思います。


スケートボードにはスポーツ以外にもこういったアートの側面があるの知ってもらえたら嬉しいですね。なかには現在販売されているデッキに描かれているグラフィックもあったり、どれも個性的で奥深くて面白いので。



資料をもとにグラフィックの魅力を語るローランさん
 出典  Funmee!!編集部
資料をもとにグラフィックの魅力を語るローランさん
コレクター

’80~’90年代のスケートボードデッキ特有のパンチの効いたグラフィックがこれでもかと堪能できる一冊。グラフィックに興味を持ったらまずは読んでおきたい、名前通りのバイブルです。


■プロフィール

ジェルヴァゾニ・ローランさん


南フランスのトゥーロン出身。来日17年のヴィンテージスケートボードコレクター。博物館レベルのスケートボードギアのストックは圧倒的で、その数は日本一といっても過言ではない。



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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文・写真:吉田佳央(Yoshio Yoshida)




2018年7月12日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

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