番外編 チェロつながりの映画『はじまりの*ボーイミーツガール』をご紹介!


いつの日かの憧れが初恋物語と共鳴する!?

名曲『白鳥』を弾きたい一途な思いが年をまたぐ連載企画『僕のサン=サーンス』。


チェロが物語を彩るステキな映画が間もなく公開されるので、今回は特別に“番外編”としてムービーレビューをお届けします!



ベストセラー小説を映画化。原題は『Le Coeur en braille』。日本語訳は「点字で書かれた心」

ベストセラー小説を映画化。原題は『Le Coeur en braille』。日本語訳は「点字で書かれた心」

 (C)2016 GAUMONT - AJOZ FILMS - NEXUS FACTORY


『はじまりの*ボーイミーツガール』というこのフランス映画。一言で言えば、とても可愛らしい初恋の物語です。初恋、かぁ。気恥ずかしくも切なさを覚える、もはや郷愁の言葉ですね。まずはざっくりとあらすじを。

 

12歳のヴィクトールは、同じクラスのマリーに密かに思いを寄せる。けれどマリーは優等生で近寄りがたく、ヴィクトールはテストの答えを笑われる落ちこぼれ。



ヴィクトール役のジャン=スタン・デュ・パックくん。フランスでも注目の俳優さんらしい

ヴィクトール役のジャン=スタン・デュ・パックくん。フランスでも注目の俳優さんらしい

 (C)2016 GAUMONT - AJOZ FILMS - NEXUS FACTORY


そんなある日、マリーのほうからヴィクトールに接近。子どもの頃から視力が落ちる病を抱えるマリーはヴィクトールに近づく理由があった。それは、目の代わりになってもらうことと、プロのチェリストになるべく国立音楽院の受験を手助けしてもらうこと。

 

そんなマリーの魂胆に気づいたヴィクトールはひどく落ち込みつつも、マリーの純粋な希望を叶えるため、大人たちとの対決を決意。そしてふたりはいつしか……。




どことなく1971年公開の映画『小さな恋のメロディ』を彷彿とさせますね。まさかご存知ない? やれやれ。主人公のダニエルを演じたマーク・レスターは絶世の美少年として人気を博し、ビージーズが歌った主題歌の『メロディ・フェア』も大ヒットしたというのに?


そう、『はじまりの*ボーイミーツガール』のヴィクトール役を務めたジャン=スタン・デュ・パックも日本女子がうっとりするほどのイケメンボーイです。覚えておいて損はなし。



下校途中、マリーのほうから手をつないでくるのです。男心も知らずにね

下校途中、マリーのほうから手をつないでくるのです。男心も知らずにね

 (C)2016 GAUMONT - AJOZ FILMS - NEXUS FACTORY

 

いずれにせよ心地よい映画は音楽との縁が深いのです。『小さな恋のメロディ』の旋律を意味するメロディはダニエルとの結婚を夢見た少女の名前だし、裏声ではないビージーズの歌も素晴らしかった。

 

そして『はじまりの*ボーイミーツガール』の音楽的トピックは何と言ってもチェロ。マリーを演じたアリックス・ヴァイヨという少女は、幼少期からバイオリンを習い、2016年にはパリ国立高等音学学校に入学した音楽エリートなのです。この映画のために2週間の特訓を経てチェロを弾けるようになったそうな。独学のギターからチェロを弾こうとする輩とは素質からして違いますな。ってか、くらべるなという話ですね。恐縮です。




物語のラストでマリーのチェロ演奏が披露されますが、グッとくるのはマリーが初めてヴィクトールの前でチェロを弾くシーン。何ていうのかな、一瞬にして音楽に染まるときの表情がセクシーなんですよね。それが邪気のない無意識の類であれ、たとえ少女でも妖艶さは秘めているんだとドキッとさせられました。


いやまったく、僕ら男は生涯その謎めいた表情にヤラれるんだから困ったもんです。それ以上にあんなセクシーを見せられた同世代の男子は圧倒されるでしょうね。



このシーンより前の、マリーがチェロを弾くシーンがもう!

このシーンより前の、マリーがチェロを弾くシーンがもう!

 (C)2016 GAUMONT - AJOZ FILMS - NEXUS FACTORY


僕にも覚えがある。「女を感じる」なんて表現は知りませんでしたよ。けれど好きになった同い年の女の子はうんと大人に見えたんですよね。その一方で自分のガキっぽさがどうにも悲しくなるというか。

 

そんなこんなで、見る側と主人公たち12歳からの距離でこの作品の感じ方は違ってくるはずです。下手すると2周くらい回っちゃった僕は、逆に素直な憧れを抱きました。あ、気持ち悪いって言うな! そしてやっぱりチェロの音色は素晴らしい。あの中低音の響きがこの物語のおだやかさを奏でています。小さな映画ですが、ざわつく師走にこそぜひ。




はじまりの*ボーイミーツガール

2017年12月16日(土)より、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開!

配給:キノフィルムズ

(C) 2016 GAUMONT - AJOZ FILMS - NEXUS FACTORY

 

 

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文:田村十七男(Tonao Tamura)



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Funmee!!編集部

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