#41 サーブ 900カブリオレ(歴史&スペック編)
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【趣味人ジドウシャ部】︎

#41 サーブ 900カブリオレ(歴史&スペック編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回紹介するのは、北欧スウェーデンの自動車メーカー、サーブの’80年代を代表する一台、900です。




スウェーデンの4シーターオープン


今回紹介するのは、1992年式のサーブ900ターボ16Sカブリオレというモデルです。サーブは北欧スウェーデンの自動車メーカーで、900シリーズは日本にもバブル期に数多く輸入されたため、このクルマを知っている人は多いと思います。

 

1978年に登場した初代900は、GM傘下となった後、オペルとプラットフォームが共通となった二代目が登場する1993年まで販売されました。初代モデルは、二代目モデルと比較してよりサーブらしさを感じられることから、「クラシック900」と呼ばれ、いまでも多くのファンがいます。



直線的なラインで構成される900カブリオレのシルエットは他に似たデザインがないのが特徴です
 出典  Funmee!!編集部
直線的なラインで構成される900カブリオレのシルエットは他に似たデザインがないのが特徴です


今回紹介するカブリオレは、そんなサーブ900に1986年に追加されたモデルです。後席の居住性を損ねることなくオープンエアを楽しめるとあって、メルセデスベンツ SLやBMW 3シリーズカブリオレなどとともにアメリカ市場で人気を博しました。トップの開閉は電動で行われ、運転席に座ったまま10秒ほどでフルオープンにすることが可能です。



運転席に座ったまま、スイッチ操作でオープンできます
 出典  Funmee!!編集部
運転席に座ったまま、スイッチ操作でオープンできます

航空機メーカーを母体とする自動車メーカー


サーブオートモービルは、スウェーデンの航空機や軍需品製造の大手、SAAB(サーブ)の自動車部門として1947年に設立されました。戦後航空機製造から自動車製造に転身を遂げた企業は決して珍しくなく、ドイツBMWや、日本のスバルなども同様に航空機製造会社をルーツに持ちます。

 

ちなみにSAABとは、Svenska Aeroplan AB(スウェーデン航空機会社)の頭文字です。1969年に大型トラック製造で有名な同じスウェーデンのSCANIA(スカニア)と合併。今回紹介するサーブ900の時代のエンブレムは青地に赤いグリフォンをあしらい、上にSAAB、下にSCANIAの文字が入ります。



SAABとSCANIAのダブルネームとなっているこの時代のエンブレム
 出典  Funmee!!編集部
SAABとSCANIAのダブルネームとなっているこの時代のエンブレム


サーブが最初にリリースした乗用車は、1949年に登場した92です。航空機メーカーらしく空力を考慮した流線型のボディを持ち、2サイクルの764cc 2気筒エンジンを搭載し、最高時速105km/hに達する高性能車でした。ちなみにこの92の基本設計は93や96に踏襲され、96が製造を中止した1980年まで引き継がれたことからも、非常に完成度が高かったことがわかります。



1949年デビューの92は、航空機製造を得意とする流線型のボディラインが特徴でした
 提供  SAAB
1949年デビューの92は、航空機製造を得意とする流線型のボディラインが特徴でした


1968年には、96をベースにひと回り大きな中型車として99が登場します。この99は、今回紹介する900の基本となったモデルで、さらに1978年に実用車へ初めてターボチャージャーを採用した記念すべきモデルでもあります。このターボエンジンは、排ガス対策で出力が低下してしまった北米輸出仕様への解決策として開発されたもので、900にも継承されていきます。



1968年に登場した99は、サーブの’70年代を支え、900誕生の道筋を作った名車です
 提供  SAAB
1968年に登場した99は、サーブの’70年代を支え、900誕生の道筋を作った名車です


「GM傘下に入ったのちに作られた二代目は、オペルのプラットフォームとなるため、サーブらしさを味わいたいなら、それ以前のいわゆる『クラシック900』と呼ばれるモデルがいいですね」と話すのは、ヨーロッパ車を得意とする専門店アウトレーヴの代表平澤さん。人とは違うコンバーチブルに乗りたい人にぴったりの一台です。



大田区の住宅街にあるアウトレーヴ。店頭にはマニアックなクルマが並びます
 出典  Funmee!!編集部
大田区の住宅街にあるアウトレーヴ。店頭にはマニアックなクルマが並びます

欧米でも愛されている"クラシック900"の歴史を辿る一冊。豊富なイラスト図解で一目瞭然! 洋書のため全編英語ですが、サーブの魅力にどんどん引き込まれていきます!


■取材協力

アウトレーヴ


イタリア車やフランス車を中心にヨーロッパ車を幅広く取り扱う専門店。シムカ、フィアット、ルノー、パナールといったマニアックな車種が数多く揃う。販売だけでなく、修理やレストアも得意とします。

 

東京都大田区矢口3-3-15

TEL:03-6427-5820

営業時間:10:00〜19:00

休み:火曜・第1、第3、第5水曜

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年8月14日
Funmee!!編集部
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