スケートボードから芽生えたアートな感覚。写真家・傳田太郎さんが起こす茅ヶ崎発アートムーブメント


スケートボードがきっかけで写真の世界へ入っていった傳田太郎さん。

茅ヶ崎にあった小さなギャラリー & ショップに通い、そこでできた繋がりをもとに立ち上げた湘南発のアートNPO法人も今では大きなウェーブを起こし、様々な人たちを巻き込んでいる。

スケートボードに魅せられた先にある彼のライフスタイルは、とても興味深いものでした。

四角い世界にモノゴトを配置することが楽しかった

 出典  Funmee!!編集部


―― 写真を始めたきっかけも、スケートボードだったんですよね。


そうです。息子が幼い頃、スケートボードで遊んでいるところをガラケーで撮り始めたのがきっかけですかね。もともと絵を描くことが好きだったせいか、写真の四角い世界にモノゴトを配置することが異常に楽しくて、すぐにハマりました。ハマるとそれしか考えられなくなるタチなので、先輩写真家をはじめ、様々な方面からがむしゃらに勉強させてもらって。気付いたら機材を背負って、スケートボーダーを追いかけていました(笑)。



―― 写真を撮り始めて生活にどのような変化が生まれましたか?


写真をちゃんと撮ろうとするほど、モノゴトを見つめるということに誤魔化しが効かなくなりました。普段の生活で「まぁいいや」と流せなくなることが増えたというか、色んなことが、いちいち引っ掛かってくるんです。特に人との関わり方が深くなりましたね。良くも悪くも不器用になったような気がします。



 提供  傳田太郎さん


―― アート関連のNPO活動にも携わっているとのことですが、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか?


NPO法人 3F Community Serviceという団体なんですが、クリエイターやアーティストが生み出すアイデアで人とアートを繋げること。そして、表現活動を通じてヒトの本当の価値を考えるきっかけづくりをしています。



「大切な何か」を受け継いだアーティストたち

 提供  傳田太郎さん


ーー アート活動のキッカケを教えてください。


かつて茅ヶ崎の南口にELMHURST STOREという小さなギャラリー&ショップがあって、毎日いろんな作家やアート好きが集っていたんです。とてもクリエイティブでホットな空間で、アートを通じて人の繋がりがどんどん広がる場所でした。ずっと一人で写真活動をしていた僕にとって、その場所があったおかげで表現活動の幅が思いっきり広がったのです。


残念ながら数年前にお店は終了してしまいましたが、あの場所に存在していた“大切な何か”を消してはいけないという同志たちが立ち上がり、団体として活動を継承していこうということになって。たくさんの人たちのご尽力でNPO法人設立となった訳です。



ーー どのような方々が関わっているのですか?


NPOのメンバーしかり、イベントに協力してくれる人たちはだいたいアーティストという感じです。画家・ペインター・写真家・音楽家・文筆家・フラワーアーティスト・スケーター、サーファー……本当に様々なジャンルの人たちがいます。だから、打ち合わせの時などはアイデアが無限に出てくる。全然まとまらなくて、それが面白いです(笑)。そういうの、最高ですよね。



ーー NPO法人として今までどのようなイベントを行ってきたのですか?


最近だと、茅ヶ崎文化会館でのミューラルアート、茅ヶ崎市内の地下道における壁アート、湘南T-SITE/Mar-Vista GardenでのZINEフェス、グラミー賞にノミネートされたstarRoのライブコーディネート、Aloha YOKOHAMAでのアートブース運営などがあります。それぞれ個々に、アイデアの言い出しっぺがプロデューサーをやることになっていて、僕自身はZINEフェスを担当しています。現在は6回目の開催に向けて、いろいろと企画を練っている最中です。




 提供  傳田太郎さん

人を本当に元気にするのは、遊びや表現だ!

 出典  Funmee!!編集部


ーー 自身の写真活動とNPO活動には関係がありますか?


もちろん。様々なアーティストの想いをカタチにして、それをもとに人の繋がりが広がっていく様を写真でドキュメントすることが、僕の役割なのではないかと思っています。心の動きを観察して感じることがとても好きだし、それを写真にすることで、言葉では表現できない説得力を創り出すことができると信じています。



ーー 傳田さんの写真を見ると、茅ヶ崎のアートシーンにどんどん興味が出てきます。


とにかく、茅ヶ崎・湘南には様々なカルチャーに面白い人たちがたくさんいるので、これが集結して習熟されたら、オンリーワンでめちゃくちゃ面白い街になると思うんですよ。そういうものを写真で伝えていきたいと思っています。



ーー ではスケートボードとアート活動では共通している部分はありますか?


自分にマッチした表現方法を真剣に探るという意味では共通するものがあると思います。わかりやすくウケるものを知りつつも、あえてそこじゃないオリジナリティを永遠に探求し続けちゃう。そんな、ある種めんどくさい人たちに囲まれていると楽しいです。



 出典  Funmee!!編集部


ーー 今後はどのような活動を考えていますか?


個人的には、スケートボードは撮り続けたいですね。特に、もうちょっとで次のステージで活躍できそうなライダーを密かに撮り続けるのが好きです。ライダーがステップアップするために僕の写真を利用してくれた時が一番嬉しい。NPOの方は、写真活動の延長線上で繋がった人たちと、新しい遊びを考えていくことにエネルギーを使いたいです。真剣に遊ぶことを真剣に考える。遊びや表現が人を元気にするってことをカタチにしたいなと思っています。



ーー 最後に、絵を描いたり、写真を撮っている同世代のクリエイターたちに一言お願いします。


どんどん繋がっていきましょう。そして、そのエネルギーの輪をみんなで広げていきましょう。そこから新しい何かが生まれるはずですから。



“ライフスタイルとしてのスケートボード”を楽しむ。写真家・傳田太郎さんの日常


■プロフィール

傳田太郎

神奈川県相模原市出身。高校2年の時に茅ヶ崎へ移る。Skate、Surf、Snowを自らも楽しみ、その延長で写真の世界へ入る。スケートボード写真が関連誌で掲載されたのをキッカケに、ストリートカルチャー誌をはじめ各種イベント撮影を行う傍、展示活動も精力的に展開。一方で茅ヶ崎市のアートカルチャー団体であるNPO法人 3F Community Service の理事を務め、Hand Made Book Festival(ZINEフェス)をプロデュースし、アーティストの表現活動の場づくりを模索している。



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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:吉田佳央(Yoshio Yoshida)

写真:吉田佳央(Yoshio Yoshida)、傳田太郎(Taro Denda)

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Funmee!!編集部

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