#13 トヨタ・ランドクルーザー60系(歴史&ディテール編)
自動車
【趣味人ジドウシャ部】︎

#13 トヨタ・ランドクルーザー60系(歴史&ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。13台目は「トヨタ・ランドクルーザー」です。


世界中に輸出され、トヨタを代表するランドクルーザーは、世界最高峰のSUVといっても過言はないでしょう。

 

そんなランドクルーザー、実は戦後すぐに誕生した歴史の長い車種でもあります。そこで今回紹介する通称「ロクマル」こと60系に至るまでの歴史とヘビーデューティな四輪駆動車ならではのディテールを紹介しましょう。



実はトヨタで一番歴史の長い車種「ランドクルーザー」


トヨタの自動車といえば、プリウスをはじめとした最先端の自動車というイメージが強いのでは。ところが、世界中の人に「トヨタといえば?」という質問をすると、大半の国で多数意見となるのが、「Land Cruiser」なのです。

 

ランドクルーザーといえば、大きなオフロード4×4という程度のイメージしか持っていない人が多いかもしれませんが、実は歴史を紐解いてみるとトヨタにとって非常に重要なクルマであることが判ります。



1951年に誕生したBJ型トヨタ・ジープ
 写真提供  TOYOTA
1951年に誕生したBJ型トヨタ・ジープ


ランドクルーザーの祖先は、戦後間もない1951年に、のちの自衛隊の前身となった警察予備隊への納入を狙って制作されたトヨタ・ジープBJ型でした。

 

その名の通りアメリカ・ウィリス社製のジープを模倣した軍用四輪駆動車でしたが、ジープという名称がウィリス社の商標権に抵触することから、1954年に「ランドクルーザー」と改名することとなります。



1955年に初のモデルチェンジを敢行。「ニイマル」こと20系となりました
 写真提供  TOYOTA
1955年に初のモデルチェンジを敢行。「ニイマル」こと20系となりました


ちなみにランドクルーザーという名称は、当時世界的にその名を知られていた英国ランドローバー(「陸上の海賊船」の意)に対抗し、「陸上の巡洋艦」を意味するランドクルーザーという名前になったといわれています。

 

その名前の登場する1954年はクラウン登場の1955年よりも古く、同一名称で継続生産された自動車としては、トヨタのみならず日本製の自動車の中で、最も長い歴史をもつ車種でもあるのです。



世界中でランドクルーザーの名前が知られるようになったきっかけが、「ヨンマル」の愛称で親しまれた1960年登場の40系です
 写真提供  TOYOTA
世界中でランドクルーザーの名前が知られるようになったきっかけが、「ヨンマル」の愛称で親しまれた1960年登場の40系です


デビュー当初は軍用車両の名残が強く、簡素で幌型の屋根しか持たない、文字どおりジープ型の車両からスタートしました。

 

ただ結局、警察予備隊にはウィリスのライセンスを取得した三菱ジープが採用されたため、民間へ販売され、消防車両などとして活躍することとなります。



40系と併売されるかたちで1967年に登場した55系。そのほとんどが海外で販売されたといわれています
 写真提供  TOYOTA
40系と併売されるかたちで1967年に登場した55系。そのほとんどが海外で販売されたといわれています


その後幾度ものモデルチェンジを経て、今回紹介する60系が1980年に登場。輸出先でのニーズに応えるために、初の本格的ステーションワゴンを目指し、オフロード性能だけでなく、居住性を重視し、内装も豪華になりました。

 

ボディもそれまでのフェンダー別体の旧弊なスタイリングを一新し、スタイリッシュなデザインとなったほか、豊富なグレードや装備を用意し、特にアメリカでは大きくセールスを伸ばしました。



ロクマルは1980年に登場。今回の取材車両はモデル末期の1988年式。1987年モデルより歴代初となる角目四灯ヘッドライトを採用
 出典  Funmee!!編集部
ロクマルは1980年に登場。今回の取材車両はモデル末期の1988年式。1987年モデルより歴代初となる角目四灯ヘッドライトを採用

 

四輪駆動ならではの質実剛健なディテールの数々


ロクマルは世界中に輸出することを目標に乗り心地を改善し、豪華装備を備えるクルマとなりましたが、いまなおボディの各所にヘビーデューティな四輪駆動車のDNAを見ることができます。実はそんな「ごっつい」ところも人気の秘密です。



フロントバンパーの上には、爪のようなフックが飛び出しているのが見えます。実はコレ、牽引フックなのです
 出典  Funmee!!編集部
フロントバンパーの上には、爪のようなフックが飛び出しているのが見えます。実はコレ、牽引フックなのです


現代のクルマが採用する四輪駆動はオフロード走行を目的としたものではないため、フルタイムAWDなどと呼ばれ、電子制御で最適なトルクを自動的に各タイヤに配分しています。



ATのセレクターレバーの手前がトランスファーレバーで、このレバーを操作して四輪に駆動力を配分します
 出典  Funmee!!編集部
ATのセレクターレバーの手前がトランスファーレバーで、このレバーを操作して四輪に駆動力を配分します


ランドクルーザーが採用しているのは昨今のフルタイムAWDではなく、昔ながらの不整地走行用のパートタイム四輪駆動機構です。

 

通常走行時は後輪のみ駆動させて走行し、オフロードでは四輪を駆動させるためにトランスファーレバーを操作してフロントも駆動させます。このトランスファーレバーやフリーハブが備わる本格的なオフロード車両は少なくなってきています。



後輪のみの駆動力で走行する際、フロントホイールとドライブシャフトを切り離して回転抵抗を低減するためのフリーハブ。中央のノブを回してロック/アンロックを切り替えます
 出典  Funmee!!編集部
後輪のみの駆動力で走行する際、フロントホイールとドライブシャフトを切り離して回転抵抗を低減するためのフリーハブ。中央のノブを回してロック/アンロックを切り替えます
221616.com【ガリバー】中古車検索プログラム


■取材協力

ユーティリタス

 

東京都小金井市にあるランドクルーザーとDR30スカイラインの専門店。ほかにも逆輸入車やマイナーな車種なども得意。特にランドクルーザーやFJクルーザーに関しては、経験も豊富で取り扱いも多い。

 

東京都小金井市貫井南町1-5-22

TEL:042-384-7700

営業時間:10:00〜19:00

休み:火曜

 

 

===

文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



自動車
自動車
2017年12月13日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

RANKING

ランキング