永遠に褪せない色を纏う、ビアンキ
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永遠に褪せない色を纏う、ビアンキ


イタリアの自転車メーカー「Bianchi」(ビアンキ)。その歴史は非常に古く、自転車界のなかでもとりわけ伝統的なメーカーです。

 

ひと目でビアンキとわかる特徴的なカラー、「チェレステ」を纏ったモデルは、ロードバイクを知らなかった人たちに、スポーツ自転車の「美しさ」を広め、世界中のロードレースファンから愛されています。



唯一無二の美しい色「チェレステ」

フラッグシップ機としてラインナップされている「スペシャリッシマ」もチェレステカラーを纏います
 提供  サイクルヨーロッパジャパン
フラッグシップ機としてラインナップされている「スペシャリッシマ」もチェレステカラーを纏います


ビアンキという名を聞くと、若草色で塗られた自転車をイメージする人も多いのではないでしょうか。これは、イタリア語で「碧空、天空」を意味する「チェレステ」というカラーです。新旧さまざまなロードレーサーたちの自転車やジャージにカラーリングされ、ロードレースを勝ち抜いてきた色なのです。



2018年8月、アメリカで開催された「ツアー・オブ・ユタ2018」で、総合優勝したセップ・クス選手。チェレステ色のロードバイクに跨り、喜びを爆発させました
 提供  サイクルヨーロッパジャパン
2018年8月、アメリカで開催された「ツアー・オブ・ユタ2018」で、総合優勝したセップ・クス選手。チェレステ色のロードバイクに跨り、喜びを爆発させました

現存する世界最古の自転車メーカー


ビアンキの起源は1885年。イタリアのミラノにあるニローネ通りに、エドワルド・ビアンキが小さな自転車店を開いたことが始まりです。現存する自転車メーカーとしては最も古いメーカーといわれていて、130年以上の歴史を誇っています(当時、日本は明治時代です)。



1885年、ミラノのニローネ通りにビアンキ1号店オープン
 提供  サイクルヨーロッパジャパン
1885年、ミラノのニローネ通りにビアンキ1号店オープン


ビアンキは一時期、自転車にエンジンを取り付けたオートバイや、クルマを生産していました。1914年に始まった第一次世界大戦では、自転車4,500台、オートバイ1,500台、クルマ1,000台を作ったという記録が残っています。

 

またイタリアの自動車メーカー「アウトビアンキ」は、1955年にビアンキの自動車部門が独立して、フィアット傘下で生産していたもので、自動車を意味する「Auto」を加え、「アウトビアンキ」と名付けられました。



ビアンキから独立した自動車メーカー、アウトビアンキの名車「A112」
 提供  FCA
ビアンキから独立した自動車メーカー、アウトビアンキの名車「A112」

多くの伝説的な選手たちをサポート


第二次世界大戦が終わり、世の中が華やいでいくのに合わせてロードレースの世界は急速に発展します。もちろん、ビアンキも数多くの選手をサポートしていました。

 

1949年、ファウスト・コッピは初めて出場したツール・ド・フランスで勝利を獲得。その年のジロ・デ・イタリアでもチャンピオンに輝き、史上初のダブルツールを達成します。そして1952年、自身2度目となるダブルツールを獲得します。「カンピオニッシモ」、イタリア語でチャンピオン中のチャンピオンと呼ばれる彼の偉業を支えたのがビアンキでした。



ファウスト・コッピは1949年、1952年の2度、ダブルツールを制しました
 提供  サイクルヨーロッパジャパン
ファウスト・コッピは1949年、1952年の2度、ダブルツールを制しました


ビアンキを駆った名選手では、マルコ・パンターニも有名です。1998年にファウス・トコッピと同じく、ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアに優勝し、ダブルツールを果たしました。スキンヘッドに耳にはピアス、髭をたくわえた風貌がトレードマークです。

 


マルコ・パンター二は、プロ通算36勝を挙げたイタリアのヒーロー。山岳コースに強いヒルクライマーでした
 提供  サイクルヨーロッパジャパン
マルコ・パンター二は、プロ通算36勝を挙げたイタリアのヒーロー。山岳コースに強いヒルクライマーでした

チェレステの原点は王妃の瞳!?


ファウスト・コッピやマルコ・パンターニをはじめとした多くの選手がチェレステのロードバイクに跨りレースで活躍。そのことをきっかけとしてロードレースファンたちはチェレステに憧れを抱くようになりました。

 

ビアンキがチェレステを使うようになった理由にはいくつかの説があります。

 

ひとつは、イタリアのマルゲリータ王妃(1851~1926年)に自転車を献上するときに、彼女の瞳と同じ色にカラーリングしたという説。また、ペイント職人がイタリアのミラノの空の色を参考にしたという説もあります。



美しいミラノの街並みと空。チェレステの起源がミラノの空の色なのか、いまとなっては確かめるすべもなく、ミステリーに包まれています
 提供  Adobe Stock
美しいミラノの街並みと空。チェレステの起源がミラノの空の色なのか、いまとなっては確かめるすべもなく、ミステリーに包まれています


チェレステの理由が瞳の色なのか、ミラノの空の色なのか、真実はわかっていませんが、見る人が「吸い込まれそうな色」であることは確かです。

 

そして、年代や車種によって色味は多少違うものの、チェレステは現在も受け継がれています。例えばクラシックな佇まいをもつ「セルヴィーノ」は、旧い年代のチェレステをモチーフにしたカラーリングを採用しています。



セルヴィーノ

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クロモリフレームをラグ溶接でつなげたクラシックなたたずまいのモデル。サドルは革サドルの定番ブルックス製。カラーはチェレステ クラシコ。写真は2018年モデル。

 

メーカー希望小売価格:173,000円(税抜)

フレーム:ラグ クロモリ

フォーク:ラグ クロモリ

メインコンポーネント:カンパニョーロ ヴェローチェ

変速段数:20スピード

リム:Jalco DRX-17

重量:―



スポーツ自転車の魅力を広めた立役者


’80~’90年代、日本ではマウンテンバイク(MTB)が流行し、同時にクロスバイクやミニベロ(小径車)も注目を浴びるようになってきます。そのなかビアンキは一般ユーザーを本格的なロードバイクの入り口に誘う、大きな役割を果たします。

 

他のメーカーがリリースしたクロスバイクやミニベロはスポーツ性をアピールするものが多く、街で気軽に乗るにはまだ敷居が高かったのです。そこでビアンキはクラシカルなスタイルでチェレステを纏うクロスバイクや小径車をリリースし、スポーツ自転車を誰もが乗れるとっつきやすいものへと変貌させたのです。



ミニベロ10

 提供  サイクルヨーロッパジャパン


ビアンキの定番モデル「ミニベロ10」は、レトロで上品、いまでも非常にかわいいスタイリングで、時代を超えて愛される一台です。写真は2019年モデル。


メーカー希望小売価格:95,000円(税抜)

フレーム:ハイテン

フォーク:ラグ クロモリ

メインコンポーネント:マイクロシフト

変速段数:10スピード

リム:Jalco DRX-10

重量:―



エントリーからハイエンドまで豊富なラインナップ


さて、そんなビアンキですが、レース用ドモデルの開発はレパルトコルサと呼ばれるレーシング開発部門が担当しています。プロトタイプのテストから始まり、ライダーからのフィードバック、データ解析、耐久性試験などを経て、全世界にリリースされています。

 

競技に特化したコンペティションモデルともなれば100万円オーバーもありますが、エントリーからミドルレンジのモデルも幅広くラインナップしていますので、きっと気に入るモデルが見つかることでしょう。ここでは手に入れやすいおススメのモデルをご紹介します。



オルトレ XR3

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プロレースで数々の勝利を飾ってきたのがオルトレシリーズ。カウンターヴェイルと呼ばれる振動を除去するカーボンを使ったモデルで、従来のカーボンより最大80%の振動を除去します。2019年モデルからディスクブレーキ仕様も登場しています。写真は2019年モデル。

 

メーカー希望小売価格:330,000円(税抜)

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

メインコンポーネント:シマノ 105

変速段数:22スピード

ホイール:フルクラム レーシング600

重量:―



アリア

 提供  サイクルヨーロッパジャパン


2018年に登場したミドルクラスのエアロロード。空力性能を追求した直線基調の鋭角なデザインが特徴で、縦長形状のダウンチューブなど迫力あるスタイリングになっています。コンポーネントは信頼のシマノ105を採用。ラインナップにはディスクブレーキ仕様(298,000円)も用意されています。写真は2019年モデル。

 

 

メーカー希望小売価格:278,000円(税抜)

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

メインコンポーネント:シマノ 105

変速段数:22スピード

ホイール:ヴィジョン チーム30

重量:―

 


インテンソ

 提供  サイクルヨーロッパジャパン


カーボンフレームのエントリーモデル。長距離に強いエンデュランス系の設計で、フロントフォークのカーボン素材にケブラーを挿入するなど、路面からの振動吸収性が高められています。写真は2019年モデル。

 

メーカー希望小売価格:208,000円(税抜)

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

メインコンポーネント:シマノ 105

変速段数:22スピード

リム:アレックス AT470

重量:―



ヴィア ニローネ7

 提供  サイクルヨーロッパジャパン


アルミフレームのエントリーモデル。ニローネとはビアンキ創業の地の通りの名から取ったもの。乗り心地と剛性バランスに優れていて、長年、人気を博しているロングセラーモデルです。各部にチェレステや差し色が入っていてデザインも◎。写真は2019年モデル。

 

メーカー希望小売価格:120,000円(税抜)

フレーム:アロイ

フォーク:カーボン

メインコンポーネント:シマノ ソラ

変速段数:18スピード

リム:アレックス AT470

重量:―

 


ビアンキのロードバイクに跨り、1998年、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア制覇を成し遂げたマルコ・パンターニ。ツール最強のヒルクライマーとしてその後も多くのレースで活躍したが、ドーピング問題に苛まれ、最後は絶望の中へ……。

その風貌からイル・ピラータ(海賊)と呼んで多くのファンに愛されたサイクリスト、マルコ・パンターニの激動の人生を綴ったドキュメンタリー映画のブルーレイです。


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文:田中 弾(Dan Tanaka)

メイン写真提供:サイクルヨーロッパジャパン



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2018年8月23日
Funmee!!編集部
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