• カレー好きの天国、日本だからこそ生まれたオリジナルな存在。鎌倉「OXYMORON」

カレーを心から愛する思い、お客様に喜んでもらいたいという純粋な気持ちが「自由」なカレーをつくり出す。陽光が差し込む居心地の良い店内の鎌倉・OXYMORONで、ほっと癒されるようなオリジナリティあふれるカレーを頂いてきました。


一大観光地、湘南・鎌倉の「小町通り」は、連日歩くのにも苦労するほどの大にぎわい。そんなメインストリートの中ほどにある小さな路地の先に、人気のカレー屋「OXYMORON」があります。

先ほどまでの喧騒が嘘のように落ち着いて、陽光差し込む店内はあまりの居心地の良さに驚いてしまうほど。
まさに「鎌倉の穴場」と呼びたいお店で、出会えたのはどんなカレー?

ゆっくりと頂きつつ、店主の村上愛子さんにお話をうかがってきました。

 出典  Funmee!!編集部


新春ムードの残る鎌倉「小町通り」。

取材が午前中の早い時間だったので人出が少ないが、昼前には大混雑に。

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この小道の先にあるのが「OXYMORON」の入る建物。

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階段で2階へ。

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店主・村上愛子さん

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―― 優しそうな笑顔が印象的な村上さんに、まずはお店のお話から伺っていきましょう。

 

村上愛子さん:OXYMORONのオープンは2008年です。その前にも5年ほど、二子玉川でカレー屋をやっていました。夜はバーになるお店を昼間だけ間借りさせてもらっての営業だったので、本当に小さかったし、場所も地下だったんです。


続けていくうちに、昼間にお店をやっているのに、自分が毎日地下にいることがだんだん不自然に感じてきて『地上に出たい!』『光のあるところで働きたい!』と思うようになった。それが新しい場所を探すきっかけでした(笑)


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そんな時、偶然この場所のことを知ったんです。私が初めに見に来た時は、ここにはまだ古いおうちがあって、それを取り壊し、何店舗かのお店が入る施設を新しく作ろうという計画段階だったんです。

お店へと続く小道のある『小町通り』はものすごい喧騒で、日中は歩くのもやっとという感じなんですが、この場所までたどり着いて、そのおうちの2階に上って景色を眺めた時、『ここ、いいな!』って、一目惚れしてしまって。ただ、以前と比べるとはるかに大きいお店ですし、実際に決断するまでも始めるまでもずっとドキドキでした(笑)。

悩みに悩んで、『やっぱり無理なんじゃないか……』って何度もくじけそうになりながら、なんとか形にできて、今では本当に良かったと思ってます。



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開放的な店内で、多くのスタッフさんたちとともに働く。

運命の巡り合わせとしか思えないような素敵な場所でお店を始めた村上さん。

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―― そもそも、カレー屋さんになられたきっかけはどのようなものだったのでしょう? 


もともとカレーが大好きで、カレー屋はずっと昔からの夢だったんです。お店を始める前も、6~7年くらい、毎日のようにカレーを作ったり、お店を食べ歩いたりしてました。周りの友達にもずっと『私、将来カレー屋やるから!』って、自分を追い込んでいた(笑)。


カレーならばどんなタイプのものでも好きで、日本って、そういう人にとって本当にありがたい国なんですよね。いろんな国のスパイス料理を味わえるのはもちろん、独自の進化も遂げていて、和のエッセンスが加えてあったり、そのお店でしか味わえない独創的なカレーを出すお店も多い。本当におもしろいし、どこで食べても勉強になります。

 


――では、そのように恵まれた環境の中、村上さんがたどりついた理想のカレーとは

 

そういう環境だからこそ、逆にいろんなカレーに心移りしてしまって、結局ひとつには決められないっていうのが、私がいたった結論です(笑)。お客さんにもきっといろんな趣味の人がいて、それぞれに好きなタイプのカレーがあるだろうから、『私はこれが好き!』というものが見つかるといいなと思って、OXYMORONではいろんなバリエーションのカレーを出すようにしてるんです。


スパイスの組み合わせから全部作り方が違うので、それぞれの味わいにはかなりの幅があると思いますよ。それからもうひとつ、『ここでしか味わえないカレーを作る』というコンセプトも大切にしています。


お土産用の手作りのお菓子類は、鎌倉の隠れた名物!

 出典  Funmee!!編集部

店内では、実際に使っている食器やアイテムも販売されている。

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それではいよいよ、実際にカレーを頂いてみましょう。

OXYMORONのカレーラインナップは、「チキンカリー」「和風キーマカリー」「スリランカ風マトンカリー」「エスニックそぼろカリー」の4種の定番と、旬の食材を使った「本日のカリー」の、計5種類。
まずは定番の中でも人気が高いという「エスニックそぼろカリー」を頂きます。

エスニックそぼろカリー (おつけものとくるみのお菓子付 ¥1,200)

 出典  Funmee!!編集部

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大きなお皿の中央にご飯が盛られ、その上にたっぷりのそぼろ。周囲にはこれまたたっぷりの薬味4種が惜しみなく盛られています。これはあきらかに、今まで見たことも食べたこともないカレー。

まずはそぼろとご飯を一緒に頂くと、確かにスパイシーでエスニックの風を感じるんですが、同時にどこか懐かしい味わい。ホッとする優しさに包まれます。

次に添えられたパクチー、大葉、ネギ、三つ葉それぞれと一緒に口に運んでみると、どれも絶妙にマッチして、味わいの違いも楽しい。

スパイスや薬味の効果でしょう。食べ進むほどに食欲が湧いてきて、最終的には全ての薬味とカレーを混ぜ合わせ、さらに添えられたレモンも絞って食べてみました。

パクチーと大葉や三つ葉を一緒に食べることなんてこれまでなかったのですが、不思議と邪魔をせず高め合い、究極的に爽やかな風味と軽やかな食感を生み出しています。

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――村上さん、僕の知ってるものとまるで違うんですが、一体どういうカレーなのでしょう?

 

確かに、一般にカレーという言葉からイメージするものとは全く違いますよね。私の中では、スパイス料理=カレーととらえていて、この『エスニックそぼろカリー』はその代表。とはいえ、そんなにたくさんのスパイスを調合しているわけではなく、シンプルな組み合わせを心がけています。


このメニューなら、コショウをたっぷりと効かせつつ豚そぼろを炒め、 ナンプラーを使ってタイやベトナム寄りの味に。薬味は、パクチー、大葉、ネギ、三つ葉です。もし嫌いなものがあったら、言ってもらえれば他のものに替えますよ。



スパイスを使った料理=カレー。
本格カレーの世界に飛び込んでみてからよく聞く言葉です。

カレーって、本当に自由なんですね!

こちらはこの日の「本日のカリー」 豚と白菜のマイルドカリー (おつけものとくるみのお菓子付 ¥1,200)

 出典  Funmee!!編集部

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甘味のあるトロッとした優しい味は、昔から知っているような懐かしさがあります。

ただし、豚肉や白菜といった素材自体の旨味とコク深さがとても特徴的。

ほっこりとした和風カレーのようでいて、ものすごい存在感です。

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――こちらのメニューはどのようなきっかけで生まれたのでしょうか?


以前、『白菜のクリーム煮』を食べていて、『あ、これカレーにしたい!』と思いついたメニューです。たっぷりの玉ネギと豚肉を柔らかく煮込んで、焦がしバターで炒めたゆり根をアクセントに、主役である白菜の旨味を引き出しました。冬って白菜が美味しい季節じゃないですか? そんな旬の味を堪能しつつ、ホッと温まれるようなカレーを作りたいなって。


私、本当にカレーが好きなので、他の料理を食べていても、『ここにあのスパイスを合わせたら……』って妄想しちゃうんですよね(笑)。例えばうちの定番『和風キーマカリー』は、ゴボウやニンジンなどの根菜と豚ひき肉を使っているんですが、実はとん汁を作っている時に思いついたメニュー。だからお味噌も使っていて、お子さんでも美味しく食べてもらえるような、優しい味付けになっていると思いますよ。


 出典  Funmee!!編集部


カレーの辛さは普通〜激激辛まで選べる他、辛味スパイスをもらって自分で調節することもでき、ハードな刺激を求める方もご安心。


OXYMORONでは、カレーに合わせる付け合わせもまた、人気のメニューなんだそう。
ニンジンをドレッシングで和えた「にんじんのラペ」、数種の豆を使った「豆のマリネ」、それから鮮やかな紫色が目を引く「紫キャベツのコールスロー」の3種類。

せっかくなので盛り合わせを頼んでみると、どれも丁寧な味わいでおいしい!

箸休め的に食べるのもいいし、薬味たっぷりの「そぼろカリー」なら、合わせて食べてもまた感動です。

カレーのおいしさの可能性をさらに広げてくれる魔法のメニュー!

3種のもり合わせ(¥800) ※単品はそれぞれ¥400

 出典  Funmee!!編集部


――こちらのメニューについても教えてください。


ワインビネガーと、たっぷりのスパイスを効かせた『紫キャベツのコールスロー』は、この中でも一番特徴的かもしれないですね。お客さんが見た時に「わぁ!」って、小さな喜びを感じてもらえたら嬉しいなと思って、色どりや盛り付けも意識したいなと。それからちょっとしたデザートとして、うちで作っている『くるみのお菓子』もお付けしています。

カレーの美味しいお店って日本中にたくさんあるので、私は常に、どこかにあるものではなく、オリジナルのものを考えること、それから、いかにお客さんに温かい気持ちで帰っていただけるかを意識したいと思っていて。

 

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一包みの自家製「くるみのお菓子」が食後に嬉しい。

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お土産にも買って帰れます。


以上、鎌倉小町通り近くの、素敵すぎるお店「OXYMORON」さんのご紹介でした。
4種類の定番カレーの他、いつ行っても楽しみな日替わりカレー、さらには、デザートやドリンクも豊富です。

「もっと近所にあったらなぁ……」と悔しくなってしまう名店。

ごちそうさまでした!

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それにしても、本格カレーの世界って、膨大な種類のスパイスと食材の組み合わせが勝負と思ってしまいがちです。

でも「自身のカレーへの愛を昇華し、想いを込めてお客さんに還元する」という村上さんのようなアプローチもあるんですね。

今後もカレー道、精進していきたいと思います。


OXYMORON komachi(オクシモロン コマチ)


住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下1-5-38 2F

電話番号:0467-73-8626

営業時間:11:00~18:00(LO 17:30)

定休日:水曜定休

URL: http://www.oxymoron.jp/

Funmee!!ライター
パリッコ

DJ・トラックメイカー/漫画家・イラストレーター/居酒屋ライター/他。雑誌「酒場人」監修。
Twitter:paricco
HP:http://www.lbt-web.com/paricco/



DJ・トラックメイカー/漫画家・イラストレーター/居酒屋ライター/他。雑誌「酒場人」監修。
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