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サルでも語れる!?  トレイルランニング最新事情
【オトナの夏アウトドア】︎

サルでも語れる!? トレイルランニング最新事情


山のなかを駆けるトレイルランニングは、いまや400以上の大会が全国各地で開催されてるほど人気の高いアウトドアスポーツのひとつですが、初心者は「どこで?」、「何が必要?」、「危険では?」と疑問が浮かぶことでしょう。


今回は、トレイルランニングのイベントを数多く手掛けるアドベンチャーディバズ代表の北村ポーリンさんに、未経験者や初心者の疑問や不安にすべてお答えいただきます。これさえ読めばすぐにトレイルランニングが始められる、完璧入門ガイドです!



トレイルランニングビギナーのためのQ&A


――トレイルランニングの醍醐味とは?

トレイルランニングの魅力は、なにより自然に囲まれて走る心地よさ! 樹林帯のやわらかな土の道を走ったり、稜線上の広い空の下で絶景を見渡しながら走ったり。また、私は下りが大好きです。風を切って駆け下りる爽快感は、多くの人に体験してほしいと思っています。もちろん、トレイルランナーのなかには、登りが好きな人もたくさんいますよ。



やわらかな土の道を、スピーディに駆け下りる! この楽しさを一度味わってしまうと、病みつきになること必至
 出典  アドベンチャーディバズ
やわらかな土の道を、スピーディに駆け下りる! この楽しさを一度味わってしまうと、病みつきになること必至


――ロードでのランとトレイルでのランのおもな違いは?

硬い岩のトレイルもありますが、基本的に山ではやわらかな土や砂利のトレイルが多いので、アスファルトよりも身体への負担が少ないです。ただ山に入る場合は、街では起こりえないさまざまなリスクがあります。自分の身体を守るために、最低限の装備や知識は身に付けたうえで楽しんでほしいですね。




――技術や体力はどれくらい必要?

歩いたり走ったりすることができるなら、特別な技術や体力は必要ありません。山歩きそのものに慣れていなければ、無理矢理全コースを走るのではなく、登りは歩いて平坦な道と下りだけ走ってみてください。下りでも、岩や木の根が露出して走りにくい場所があったら、慣れるまでは歩いて通過すればよいのです。経験を積んで、体力がついてきたら、距離が長いコースや標高の高い山でのランに挑戦してみましょう!




――初心者がひとりで山を走ったら危険?

最初はできるだけ経験者と一緒に山に入りましょう。クマとの遭遇、天候の急変や道迷いによる遭難など、山では予測できないトラブルに遭うことも。

初心者の場合、ひとりでこのような事態に直面したときに正しい判断ができない可能性があります。まわりに経験者がいなければ、最初は講習会やイベントへの参加がおすすめです。自分では気づけなかったことも教えてもらえますし、安心して山でのトレイルランニングを楽しむことができます。私たちのイベントでもそうですが、イベントにはひとりで参加している人が多いので、仲間を作る機会にもなりますよ。



アドベンチャーディバズのイベントにて。夏、奥多摩を走りながら川にダイブしてはしゃぐ参加者たち
 出典  アドベンチャーディバズ
アドベンチャーディバズのイベントにて。夏、奥多摩を走りながら川にダイブしてはしゃぐ参加者たち


――山を走る上でとくに気をつけるべきことは?

トレイルのコースは、ハイカーと共有して使う場所です。すれ違うときはスピードを落としたり、ハイカーに声をかけて驚かせないようにしたりする配慮がとても大事。あとは、狭い道ですれ違うときに登りの人を優先することだったり、トレイル以外の場所を踏み荒らさないようにすることなど、ハイカーもランナーも関係なく守るべき山のルールは、ぜひ頭に入れておいて走ってくださいね。



 出典  Funmee!!編集部


――初心者はどの場所から走りはじめるのがよい?

標識がしっかりしていて、整備されたトレイルで走ることをおすすめします。トレイルを通過する人がいるようなある程度メジャーな場所であれば、万が一動けなくなったときも発見される確率が高まるのでより安心です。あとは、距離が短く累計標高差が少ないコースを選ぶこと。まずは自分の体力に合わせて、無理なく楽しめるコースで山に体を慣らしていきましょう。



杉の木立の脇に伸びるフラットなトレイル。勾配がなく、適度に明るいため視界もよく、走りやすい
 出典  アドベンチャーディバズ
杉の木立の脇に伸びるフラットなトレイル。勾配がなく、適度に明るいため視界もよく、走りやすい


――走るのを避けた方がよい場所はある?

東京都の高尾山は、ハイカーや観光客が多く訪れますが、じつはトレイルランナーにも人気が高いスポットで、山頂周辺などは混雑しています。混雑している箇所は割り切って歩いて、人が少なくなってきたらまた走り出すなどの工夫をしましょう。さらに3,000m以上の山々など標高が高いコース、また長すぎるコースやエスケープルートがないコースも、初心者のうちは避けた方がよいかもしれません。




――街でのランニングの場合と、装備はなにが違う?

街でのランニングと大きく異なる装備は、レインウエア、バックパック、シューズの3つ。雨風から身を守れるレインウエアは、晴れ予報でも必携のアイテムですし、トレイルランニング専用バックパックはフィットしてとても走りやすいので、ぜひ揃えて欲しいアイテムです。


乾いた砂や濡れた木の根があるトレイルはとても滑りやすいのですが、専用シューズで走れば街用よりもグリップ力が高いので走りやすいです。さらに街用のシューズよりも衝撃吸収力が高いモデルがほとんどなので、岩など地面からの突き上げをやわらげて足の疲労を軽減してくれます。


乾いた砂や濡れた木の根があるトレイルはとても滑りやすい。トレラン専用シューズではグリップ力が高いので走りやすい
 出典  Funmee!!編集部
乾いた砂や濡れた木の根があるトレイルはとても滑りやすい。トレラン専用シューズではグリップ力が高いので走りやすい


――初心者におすすめの国内レースは? 

毎年6月に開催される「“ROCKIN’ BEAR” 黒姫トレイルランニングレース」は、13kmのカテゴリーもあって初心者ランナーに人気が高いレースです。

 

10月開催の「斑尾フォレストトレイル」は美しいブナの森の中を走れるレースで、10年以上続いている大人気レースのひとつ。

 

「霧島えびの高原エクストリームトレイル」は、ショートでも距離が37kmありハードではありますが、雄大な山並に囲まれて走れる魅力的なレースでおすすめです。

 

さらにステップアップしたら「UTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)」、「信越五岳トレイルランニングレース」、「ハセツネ(長谷川恒男)カップ 日本山岳耐久レース」など、国内最高峰のレースに参加するのも、経験を積んでいけば夢ではありません。



九州の国立公園・霧島の大自然を満喫しながら走れる「霧島えびの高原エクストリームトレイル」。このような地方で開催されるレースに参加しつつ、グルメや温泉もセットで楽しむというランナーも多い
 出典  霧島えびの高原Extremeトレイル
九州の国立公園・霧島の大自然を満喫しながら走れる「霧島えびの高原エクストリームトレイル」。このような地方で開催されるレースに参加しつつ、グルメや温泉もセットで楽しむというランナーも多い

トレイルランニングを始められる! 必要装備まるわかり

レインウエア


天候の急変が起こりうる山では、天気予報が晴れでも、防水性のあるレインウエアの携行が必須になります。トレイルランニングはとくに運動量が多いので、防水性に加え高い防水透湿性をもつレインウエアを選ぶことが肝心です。




 出典  ザ・ノース・フェイス
 出典  ザ・ノース・フェイス

7デニールという極薄の防水透湿素材「ハイベント(R)フライウェイト」を使用した、ザ・ノース・フェイスの最軽量モデル。レース時、ゼッケンを付けたTシャツの上に羽織っても透けて見えるカラーリングのフーディ、パンツのスリムなシルエットなど、トレイルランナーのためにデザインされた機能が盛り込まれています。

ザ・ノース・フェイス/ストライクトレイルフーディ(メンズ)

サイズ:S,M,L,XL

重量:110g(Lサイズ)





ザ・ノース・フェイス/ストライクトレイルパンツ(ユニセックス)

サイズ:WS、WM、WL、S、M、L、XL

重量:115g(Lサイズ)



Tシャツ


気温が低い時期や場所では、少し立ち止まっただけで汗冷えする可能性があります。そこでアンダーウエア選びのポイントとなるのが、通気性&速乾性に優れていること。また動きを妨げない、体にフィットしたデザインのものを選びましょう。




 出典  マウンテンハードウェア


マウンテンハードウェア/フォトンショートスリーブ(メンズ)


マウンテンハードウェアの独自テクノロジー「ウィックQ」で体をドライにキープすることが可能。アジアンフィットで、日本人ランナーによりフィットしたデザインも魅力です。


サイズ:S,M,L,XL

重量(目安):123g(Mサイズ)




パンツ


パンツには、さまざまな丈のモデルが各社から販売されていますが、夏場にトレイルランニングを楽しむ人には、ショート丈を好む人が多い傾向にあります。通気性や速乾性に優れることや動きやすいことに加えて、トレイルランナー用に開発されたモデルにはさらにひと工夫が施されています。




 出典  ザ・ノース・フェイス


ザ・ノース・フェイス/フライウエイトトレイルショーツ


ウエストラインに高ストレッチ素材を使用した6つのメッシュポケットを配備。補給食や小物を手軽に収納することができます。


サイズ:S,M,L,XL

重量:   95g(Lサイズ)




ソックス


吸湿速乾性に優れることに加え、足裏のアーチをサポートしてくれる機能を備えたモデルなら、さらに快適なトレイルランニングを楽しむことができます。




 出典  C3fit

C3fit/ペーパーファイバーアーチサポートショートソックス(ユニセックス)


高機能タイツでおなじみのC3fitがトレイルランナーのために開発したこちらは、紙糸繊維を使用したドライな履き心地が特徴的なソックスです。足裏の内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチをサポートして、着地時の衝撃吸収力とばねの役割による推進力を確保。履くだけで、パフォーマンスが向上すること間違いなしの一着です。


サイズ:S,M,L,XL




トレラン用シューズ


トレイルランニングのアイテム選びにおいて、もっとも重要になってくるのがシューズです。ファンランなのか、レースなのか、使うシーンに合わせて機能の優先順位は変わってきます。最初の一足なら、アウトソールのグリップ力、ミッドソールの衝撃吸収力、そしてアッパー部分の通気性がしっかりと確保されたモデルを選びましょう。




 出典  コロンビア


コロンビア モントレイル/メンズ バハダⅢ


そこでおすすめなのが、コロンビア モントレイルのロングセラーシリーズ「バハダ」の最新モデル。整備された土や砂のトレイルを快適に走れるようデザインされた一足です。


サイズ:25~29, 30cm

重量(目安): 290g(片足)




サンバイザー&キャップ


晴天時の紫外線対策として必要となるサンバイザー&キャップ。レインウエアのフードをかぶったときに視界を確保できるなど、雨天時にも意外と便利なアイテムです。トレイルランニング用には、通気性とフィット感に優れるものを選びましょう。




 出典  マウンテンハードウェア

マウンテンハードウェア/ディプシートレイルランキャップ


アメリカ西海岸をイメージした「HXTのロゴがポイントのランニングキャップ。軽量で、ツバが柔らかく折りたためるので、ポケットに入れて手軽に持ち運ぶことができます。


サイズ:フリー

重量(目安): 53g

トレラン用バックパック


季節、山の標高、行動時間によって、選ぶべきバックパックの容量は異なります。春~秋、標高1,000m前後の山で数時間のランを楽しむなら、レインウエア・水・行動食・ファーストエイドなど最小限の荷物を入れられる、10L前後の容量でOK。




 出典  ドイター


ドイター/アドベンチャーライト8


8L、14L、20Lのサイズ展開があるドイターのアドベンチャーライトは、いずれも背面通気性に優れた快適なモデル。上下にスライドで調整できるチェストストラップ、行動食を収納できる大ぶりのヒップベルトポケットなど、トレイルランニング時に便利な機能が搭載されています。


サイズ:40×20×13 (高さ×幅×奥行) cm

重量:540g

容量:8L




ファーストエイドセット


山での不測の事態に備えて、ファーストエイドキットは必ず携行してほしい装備のひとつ。絆創膏、エマージェンシーシート、ポイズンリムーバー、常備薬など、自分にとって最低限必要となるものを揃えましょう。




 出典  ドイター


ドイター/ファーストエイドキット アクティブ


メッシュポケットや仕切りがあり小物を整理するのに便利な収納バッグです。このほか、サイズ違いの2つのモデルが展開しています。


サイズ:9×12×5 (高さ×幅×奥行) cm

重量:60g




ヘッドランプ


山での行動時間が数時間だとしても、天候の急変やケガなどで停滞する可能性があるので、ヘッドランプはマストアイテムです。登山で使っているものがあればそれを代用すれば良いですが、トレイルランナーの利便性を考えて開発されたモデルもあります。




 出典  マイルストーン


マイルストーン/トレイルマスター


2018年8月販売のモデル。濃霧時に威力を発揮する2段階のフォグランプ、しなやかで耐久性に優れるステンレスワイヤーをダイヤルで調整できる、クイックダイヤルシステムを採用しています。


サイズ:約 幅35×高さ40×奥行35mm(フロント)、約幅60×高さ80×奥行40mm(リア)

重量:約180g(電池込)

明るさ: 約 850ルーメン(最大・ブースト時)




 出典 アドベンチャーディバズ


◾️監修:北村ポーリン


アドベンチャーディバズ代表。カナダ出身の日系3世。2008年にアドベンチャーディバズを立ち上げ、「自然の中へ飛び出そう! 一歩踏み出して冒険しよう!」と初心者でも参加しやすいトレイルランニングやテント泊登山などの楽しい講習会やツアーを企画開催。個人活動としてアドベンチャーレースへの出場経験は多数あり、OMM、分水嶺、PTLなど国内外の長距離トレイルレースにも積極的に参加。ウィルダネス・ファーストエイド(WFA)資格も取得。


https://www.adventure-divas.com/




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文:松元麻希(Maki Matsumoto)

メインカット:Adobe Stock




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マリンライフ
2018年8月7日
Funmee!!編集部
Funmee!!編集部

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