【ヘンアイ国産自動車の会】#02 スバル・アルシオーネSVX(邂逅編)


最近は路上で見かける機会も少なくなった、でも鮮烈に記憶に残る、少し変わった魅力的な日本発のクルマたち。そんなクルマとの毎日を楽しんでいるオーナーさんに愛車の魅力を語ってもらう「ヘンアイ国産自動車の会」。今回は「スバル・アルシオーネSVX」です。



アルシオーネSVXは父の憧れだったクルマ


独創的なメカニズムにこだわり続け、「WRX STI」や「BRZ」のようにクルマ好きから熱く支持される現行車も多いスバルのクルマたち。もちろん、過去にも多くの名車を生み出してきました。菊地章訓さんが愛する「スバル・アルシオーネSVX」も、スバルの歴史を語るなら必ずその名前が挙がる一台です。1991年にデビューし、1996年に生産が中止されました。クルマとしてのデキは国内外問わず評価が高かったものの、高額な価格設定とバブル崩壊後という時期もあり、日本では6,000台未満しか売れていない希少車です。



菊池さんの父親が憧れていた、SVX

 出典  Funmee!!編集部


三人兄弟の長男として、首都圏近郊の街で育った菊地さん。父はクルマ好きで、普段の生活はもちろん、旅行なども電車やバスではなく、マイカーで行くことが多かったそう。菊地家のクルマを買い換えるとき、候補車を家族みなで見に行ったこともよく覚えています。「父は運転免許を取ったのが意外に遅かったのと、ウチは六人家族だったせいもあり、大人数で乗れるファミリーカー的な車種が多かったですね。でもスポーツカーに乗りたいという気持ちはあったようで、『いつかアルシオーネSVXに乗りたいな』と父が言っていたのは覚えています」と、菊地さんはそんな父の影響も受け、当然のようにクルマ好きになりました。



アルシオーネSVXが思い出させてくれた、親子の絆


そんな菊地さんが免許取得後、初めて買ったクルマはステーションワゴンの「日産・ルネッサ」でした。友達や家族と出かける機会が多かったため、自然と人や荷物をのせやすいクルマになっていたとか。しかし年齢を重ね、大人数のためにクルマを出すことも減り「次はスポーツカーにしようかな」と漠然と考えます。そこで思い出したのが、人を乗せるには向かない、2ドアクーペのアルシオーネSVX。残念ながら早くに亡くしてしまった父が興味を持っていた、あのクルマに乗ってみようか……と。2014年のことでした。



ナンバーは父親の誕生日

 出典  Funmee!!編集部


菊地さんが「アルシオーネSVXに乗ろうかな」と考えた2014年時点では既に20年近く前のクルマで、その辺の中古車店ではなかなかお目にかかれません。そこで菊地さんが訪れたのが、アルシオーネSVXに強いショップとして知られる「K-STAFF」。店頭や工場にずらっと並んだアルシオーネSVXは、他ではまず見られない光景です。昔と同じように一緒にクルマを見に行った母が「カッコいいわね」と呟くのを聞いて、検討していた他のクルマを止め、アルシオーネSVXを買うことを決めました。



人生の相棒だから、とことんこだわりたい!


菊地さんは「どうせ買うなら、後悔しないように自分が欲しい仕様そのもののクルマが欲しかった」といいます。それはアルシオーネSVXの中でも最上位グレードとなる「VL」で色はパールホワイト、そしてオプションのサンルーフが装着されたもの。もともと希少な「VL」に「サンルーフ付き」の時点で厳しいため、さすがになかなか見つかりませんでした。



お気に入りのサンルーフ

 出典  Funmee!!編集部


後日、サンルーフ付きのVLが一台入荷した、という連絡を受けます。しかし、実は菊地さん、SVXの純正パールホワイトにはちょっと不満がありました、それは色調がイマドキのクルマっぽくなく、少しくすんだ印象であること。それなら徹底的に整備しつつ、思い切って自分の理想の色に塗り直してもらおう、と決断します。


オーダーは「光岡・オロチのパールホワイトにしてください!」


愛車に乗って、微笑む菊地さん

 出典  Funmee!!編集部

車両全体各部に徹底的に手を入れ、整備をし、オールペイントまでほどこしたため、さすがに時間もかかりましたが、理想通りのアルシオーネSVXを手に入れた菊地さん。


父が夢にまで見たアルシオーネSVXで、母を助手席に乗せ、今では思い出を語り合いながら走り続けているそうです。


■プロフィール

菊地章訓さん


1986年(昭和61年)生まれ、神奈川県川崎市在住

コーヒーや紅茶を中心としてさまざまな食品を扱う商社にお勤めのサラリーマン。父の影響を受け、子どもの頃からのクルマ好き。週末は目的地を決めず、SVXでふらりと出かけることも多いとか。



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文:大坪知樹(Tomoki Otsubo)

写真:澤田聖司(Seiji Sawada)

取材協力:K-STAFF



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Funmee!!編集部

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