ドゥーパ!初代編集長・脇野修平さんが必要だと感じる「DIY」という名のライフスタイル


隔月発行の本誌のほか、テーマごとにノウハウをまとめたムックシリーズを展開しているDIY雑誌『ドゥーパ!』。その初代編集長である脇野修平さんに、DIYの楽しみを語っていただきました。

かつてはお父さんの趣味“日曜大工”のイメージが強かったDIYですが、最近は男性だけでなく、女性のあいだでも楽しむ人が増えてきました。

そんなDIY業界に初めて定期刊行誌『ドゥーパ!』を誕生させ、DIYの魅力を発信し続けているドゥーパ!初代編集長・脇野修平さん。誌面だけにとどまらず、房総の森に「ドゥーパ!工房」なるDIYのベース基地を開設し、ワークショップなども展開しています。

今回は脇野さんのDIY作品が並ぶ「ドゥーパ!工房」におじゃまして、DIYの魅力や楽しみ方をうかがいました。

庭をリビングに!「ガーデンリビングDIY」が楽しい!

脇野さんの秘密基地に入ると、すぐ目に飛び込んでくるのは宙に浮かぶツリーハウス

 出典  Funmee!!編集部


――最近のブームで“DIY女子“をはじめ、いろいろな人がDIYを楽しむようになってきましたね。

 

でもDIYとひと口に言っても、さまざまなスタイルがあるんです。家のリペアやメンテナンスを行う「生活DIY」。発展途上国などで、やらないと死んでしまうからやる「サバイバルDIY」。そして、楽しみながらモノを作る「エンターテインメントDIY」。

 

ボクらのように、ピザ窯やツリーハウスなどを作って楽しんでいるスタイルは、この「エンターテインメントDIY」です。



手作りのビザ窯

 出典  Funmee!!編集部


――確かにトイレの補修をするのもDIYなら、家具などを自作するのもDIYですね。

 

そんなエンターテインメントDIYのなかで、ボクが好きなのは「ガーデンリビングDIY」。庭をリビング空間としてとらえ、テーブルやチェア、デッキなんかを作って生活を楽しむんです。

 

ミリ単位で寸法を合わせる「木工」のように緻密な世界でもなく、庭の植栽を愛でる「ガーデンDIY」とも違う。どこかキャンプっぽくて、アバウトなDIYです。

 


現代に必要な「DIY」というアナログなスタイル

まるでカラフルなミノムシのようなツリーハウス

 出典  Funmee!!編集部


――ではこの「ドゥーパ!工房」も、ガーデンリビングDIYを楽しむために作ったベース基地なんですね?

 

房総にこの470坪の土地を購入したのは、森を間伐しながら里山を維持していくことへの憧れからでした。週末に通いながら楽しめればと探した、ボク個人のための遊び場だったんです。

 

もともと母屋はあったので、DIYの拠点として資材や工具を置いたり、仲間との宴会場に使えればいいなと思っていたんですけれど、今ではドゥーパ!の工房です(笑)



 出典  Funmee!!編集部


――でも、好きなことが仕事になっているというのは、人がうらやむライフスタイルですよね。

 

好きなことが仕事になったのか、仕事が好きなことになったのか、今となってはわかりません。でも、たしかにこれまで自分が興味を持った「車」「キャンプ」「DIY」をテーマに雑誌を作ってきました。

 

でも単純に好きだからやる、というのではなく「自分がこの年齢になったら、どんなことをやりたいのだろう?」と考え、それを仕事にしていました。いわば、その年齢になって楽しむための先行投資みたいなものですかね。

 


――20年前の先行投資が、今の「ドゥーパ!工房」につながったのですね。ここにはたくさんの小屋やツリーハウスなどが並んでいますが、最初に作ったのは何ですか?


この場所で最初に作ったのは、母屋の横にある工房です。数多く取材をしていたので、作り方は知っていたのですが、自分で作ったのはこれがはじめてでした。「小屋って、自分で作れるんだ!」という、モノを作ったときの喜びと達成感がありましたね。

はじめて作った小屋は、工具の収納場所に

 出典  Funmee!!編集部


――このときは、ご家族も手伝いに来てくれたのですか?

 

3人いる息子のうち2人は、1日ずつ手伝ってくれたかな? 外壁のペイントは妻と一緒にやりました。使いやすい道具と普通の体力さえあれば、意外と誰でもできるんですよ。

 

作品の出来の半分は道具で決まる。電動工具やチェーンソーなどを使えば、女性でも楽に作れるんです。ピザ窯作りのワークショップを行ったときも、女性の参加者が2名いました。今までは家で棚を作っていた女性が、DIYにハマるとピザ窯まで作るようになるんです。

 


――どんな人がDIYの魅力にハマっていくんでしょうか?

 

田舎に住んでいる人のほうが、DIYを楽しむ環境に恵まれているので、そんな人たちがハマると思いがちですが、逆に都会に住む人のほうがDIYに興味を持つんです。

 

世の中はデジタル化して便利にはなっている反面、人はDIYやキャンプといったアナログなものでバランスを取ろうとしているんだと思います。だから田舎の人はあまり興味を持たないんじゃないですか。

 

ワークショップでツリーハウスも作ったのですが、参加した人のほとんどが都会に住む人でしたね。


「DIY」とは、人生を豊かにする「ライフスタイル」

チェーンソーで丸太を切る脇野さん

 出典  Funmee!!編集部


――単にほしいモノが売っていないから、自分で作ってしまおうという発想ではなく、普段の生活とも密接な関係があるんですね。

 

「DIY」とは「ライフスタイル」だと思っています。つまり暮らし方、暮らしへの向き合い方です。それはどんなことかというと、暮らしのなかに「作る」「創る」「造る」というシーンを取り入れて、人生を豊かにすることです。

 

デジタル化、あるいはブラックボックス化した暮らしのなかに「創る」「造る」「作る」というアナログ的な時間を取り入れることで、リアルな痛み(ケガをしたり、疲れたり)や喜び、達成感が得られる。それはバーチャルな世界の対極にあるものです。

 

だからこそ、必要な過ごし方なんだと思うのです。


 出典  Funmee!!編集部


――日ごろバーチャルなデジタル環境に置かれていると、リアルなアナログがほしくなることは事実ですね。

 

でもそれは潜在的なことで、みんなそんな難しいことを思ってDIYを楽しんでいるわけではないですよ。

 

DIYが楽しいのは自分だけでなく、まわりを巻き込むことができることも大きいと思います。作ることを手伝ってくれたり、完成したことを喜んでくれたり、できたモノを楽しんでくれたり、できあがりをほめてくれたり……。

 

ホームパーティなどで料理を作って、みんなに振る舞うのと同じかもしれないですね。そんな感覚で、DIYをもっと生活に取り込んで、豊かな生活を楽しんでもらいたいですね。

 



■プロフィール

ドゥーパ!マネージングディレクター

脇野修平さん

 

2017年11月で創刊20周年を迎える、週末DIY・手作りライフマガジン『ドゥーパ!』(学研プラス刊)の初代編集長。80~90年代にはオフロードバイク雑誌『ガルル』やオートキャンプ雑誌『ガルヴィ』を創刊し、各分野の一時代を築く。著書に『わんぱく一家のアフリカ大冒険2万キロ』(実業之日本社刊)などがある。

http://dopa.jp/

 


Funmee!!ライター
牛島 義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。
以降、アウトドアを中心に、グッズ、クルマ、旅行など、レジャー関連を中心に、さまざまなジャンルで執筆活動している。
今日も明日も『ゆる~い生活』
http://ussie.at.webry.info/

アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。
以降、アウトドアを中心に、グッズ、クルマ、旅行など、レジャー関連を中心に、さまざまなジャンルで執筆活動している。
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