【カメラ好き必読】自然風景写真家が直伝!絶景の見つけ方&撮影の仕方


日本各地を巡り、数々の絶景を撮影する自然風景写真家・西岡潔さん。そのどれもが「ここにこんな絶景があったんだ」と思わせる、見たことのないシーンばかり。


地図にも載っていない場所から絶景を見つけ出す西岡さんに、見つけ方や心構えを教えていただきました。



美しい風景は“気になる”の向こう側にある


―― 絶景写真を撮影する時は、大体場所の目星をつけているんですか?


そうですね。目星というほどではありませんが、出かけた時に気になる脇道や地名を覚えておく感じです。

 


―― そこへ向かう?


はい。「ここだけ自然林が残っているな」とか、地名が“大石”なら、「この近くのどこかに巨石があるのかな」とか。そんな場所を覚えておいて後から改めて行くことが多いです。



沖縄県国頭郡本部町

 撮影  西岡潔


―― 山深い場所や遠方だと、改めて行くのはそれなりの情熱が必要ですね。


風景のよさそうな、気になる場所があると無性に行きたくなってしまうので……。それを情熱というのでしょうか(笑)。

 


―― もしくは、写真家としての本能みたいなものですかね。


僕は写真家になる前にアジア圏を旅して回ったんですが、村から村へ移動するバスから見える景色に、気になるところがたくさんあったんです。それを写真に収めたい。でも「停めて!」というわけにもいきませんよね。今も「気になる風景」を求めてしまうのは、きっとその反動でしょう。



 出典  Funmee!!編集部

地図から風景や暮らしをイメージ


―― その気になる場所へ改めて行く時、どのくらい下調べするんですか?


Yahoo!の地図やGoogleマップの航空写真で「あの辺りだったかな」と辿るくらいです。ときにはより詳細な国土地理院の25,000分の1地図と照らし合わせることもあります。できるだけ軽装にするため、そのポイント周辺の地図だけプリントアウトして、折りたたんでいつでも取り出せるポケットに入れていきます。



そのポイント周辺の地図だけプリントアウトして、ポケットに入れていく

 出典  Funmee!!編集部


―― 地図ではどんなところに注目しますか?


川の流れや高低差からその地域の風景をイメージします。それからその地域に暮らす人々の痕跡などにも注目します。

 


―― かなりしっかり調べられるのですね。


地図上に気になる神社や地名があれば、ちゃんと調べることもありますが、普段は調べつくすのではなく、行った後で気になった場所を調べるつもりで準備します。それくらいの方が、自然の奥深くで神社や人工壁、いにしえから人々に大切にされてきた巨石などに出会ったときの驚きが大きくなっていい写真が撮れます。

 

人里離れた山奥にひっそりと残る神社や巨石などに出会うと、人と自然の力のバランスの妙を感じられます。



 出典  Funmee!!編集部

機動性ある格好で、撮影をより満喫しよう


―― 絶景ポイントを目指す時は、どんな格好で撮影に行くのがいいですか?


登山をする時の格好がやはり機能的。不安定な場所を歩くこともあるので、靴は大切です。グリップの効くものでしっかり足に合うものを選びます。

 


―― カメラバッグは、どんなものがいいでしょう?


僕はnewswearの「デジタルチェストベスト」を愛用しています。これは戦場カメラマンなどが愛用しているバッグで身体にフィットするベスト型。背負うことも、斜めがけにすることもできて山や森の中を移動しやすく、撮りたい瞬間にスムーズに撮影できます。ショルダーだと前かがみで岩を登ったりする時に身体から離れてぶら下がってしまいます。カメラや機材が少なければウエストバッグをしっかり身体に固定するのもいいと思いますよ。



newswearの「デジタルチェストベスト」

 出典  Funmee!!編集部


―― 絶景を撮影する時は決まったカメラを使うんですか?


今日はミラーレス一眼を持参しましたが、普段作品を作る時は自作カメラを使います。市販されているものは機能満載で優秀なのですが、必要のない機能も多い。だから、必要な機能だけを組み合わせたカメラを作ったんです。



フィルムでもデジタルでも使える自作カメラ。撮影内容によって、使い分けている。

 出典  Funmee!!編集部


―― これが自作カメラですか!? ……すごくシンプルですね。


はい(笑)。このカメラ、実はフィルムでもデジタルでも撮れて、しかもすごくいい写真に仕上がるんですよ。

 


―― なるほど。


もし、これから始めたいという人ならば、軽量であることを重視してミラーレス一眼がおすすめ。可動式モニターパネルを搭載した機種ならば、足元からのローアングルや、高く持ち上げて撮影がしやすく、より自由度の高い撮影を楽しめます。レンズは、一眼レフカメラであれば50mmを基本の一本にしておけば大丈夫です。50mmは自分の目で見た感じに一番近いので、そこからイメージを膨らませていきましょう。



可動式モニターを見ながらローアングルで

 出典  Funmee!!編集部

 出典  Funmee!!編集部

直感を信じてシャッターを切ろう

直感を信じて、撮影へ向かう西岡さん

 出典  Funmee!!編集部


―― 撮影場所を見つけたら、構図や角度などを吟味しますか?


「あっ」と思ったその感覚を信じて撮ります。そのままの素直な気持ちで撮ると、自分だけの一枚になるはずです。誰もが訪れる観光地や見慣れた場所であっても、自分なりの角度を見つけると新鮮な写真になります。

 


―― いつも気をつけていることはありますか?


まず必ず気をつけていることが、「目的地を目指さない」ことです。

 


―― 目指さないのですか!?


はい(笑)。つまり目的地を設定して撮影に臨みますが、その途中、気になる脇道があれば必ずそこへ進むようにしているのです。そうすると地図にも載っていないところで、知らなかった情報や見たこともない景色に出会うことがある。まさに“誰も知らない自分だけの発見”です。


―― なるほど。


そうしていると、たいてい目的地にはたどり着かないけど、いい写真が撮れるものです。ただし、基本的に一人で行動するので、崖から落ちたりすると上がれない。携帯電話も圏外であることが多いので、危険な場所には立ち入らない判断も大事です。




 出典  Funmee!!編集部


―― 危険を伴うこともあるなか、それでも自然に入り込む、絶景の吸引力のようなものは何なのでしょうか?


道中、寄り道をしながら自然の中を進み、素敵な風景と出会い、写真に収めることでしょう。これからも積極的に寄り道していきます(笑)。





■プロフィール

西岡潔さん

自然風景写真家。1976年生まれ。大阪市出身。ファッションデザインの道から一転、写真家に。神戸、東京を経て2015年9月、奈良県吉野郡東吉野村に移住。書籍、雑誌、コマーシャルと幅広く活動。代表作は「マトマニ」。2012年度三木淳賞奨励賞受賞。2013年キャノンフォトグラファーズセッションファイナリスト。

 

 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:堤 律子 (Ritsuko Tsutsumi)

写真:安河内 聡(Satoshi Yasukochi)

 


■免責

山や森などで個人の敷地へ立ち入って撮影する場合は、持ち主へ許可を得ましょう。



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Funmee!!編集部

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