「無いなら作っちゃおう!」。街から生まれた二子玉川のクラフトビール


ビール好きのみならず、一般の間でも市民権を得た感のあるクラフトビール。

 

なかでも、東京都内で発展著しい二子玉川で生まれた地域密着型地ビール「ふたこビール」は、今大きな注目を集める銘柄のひとつです。

 

このビールを手がける「ふたこ麦麦公社」代表の市原尚子さんに、活動の原点とビールの魅力をうかがいました。



二子玉川に足りないものは、ゆるキャラと地ビール!?

現在、展開している基本の4種。季節限定のフレーバーが加わることもある

 出典  Funmee!!編集部


―― 二子玉川に地ビールができたことに驚いた方も多いと思います。「ふたこビール」は、どのように生まれたのですか?

 

私たちのビールは、街から生まれたビールなんです。3年ほど前に地域住民の集まりのなかで、二子玉川の将来像を話し合う機会があり、「住民の夢を叶えられる街にしよう」という声が上がりました。そこで、やりたいことをなんでも提案していくなかで、自由に出したアイデアが「二子玉川にも地ビールがあったらいいよね」というもので。

 

 

―― 子どもの夏休みの研究のように(笑)。その場で思いついたんですか?

 

もともと、お買い物をして夕ご飯を作る前に軽く一杯飲んでおしゃべりする「夕暮れ女子会」という集まりがあって。そこで「二子玉川に足りないのは、地ビールとゆるキャラだよね!」と、いつも盛り上がってはいたんです。でも、まさかこんなことになろうとは、その時は考えもしませんでした。

 

 

―― では、初めはここで作って、こういうビールにして、という具体的な計画性のあるものではなかった?

 

そうなんです。はじめは本当におもしろがっていただけで……。私はもちろん、周りにもビール作りの経験どころか、知識すらも何もないところから始まったんです。



知識も技術もゼロからのビール作り

麦を煮て、ホップと水を入れて、酵母を加える。ビール作りの工程はいたってシンプル

 提供  市原尚子さん


―― 現在、メンバーは何名ほどいらっしゃるのでしょう?

 

代表の私と副代表の小林の2名だけです。私たちは息子のサッカーがきっかけで知り合いました。小林は元々はガラス作家で、平日は経理の仕事をしています。私は編集の仕事をしています。

 

 

―― おふたりとも、まったくビールとは無縁のお仕事だったんですね。始めるにあたり、何か足がかりやツテはあったのですか。

 

何もなかったのですが、ちょうどタイミングは良かったんです。というのも、息子たちが中学に上がったので、週末をビールの勉強をする時間に当てることができました。ビアパブに行ったり、ブルーワリーを回ったり。ゼロからビール作りの知識を学びました。

 

 

―― ビール作りは教則本などで学べるものではないのですね。

 

当時は、自分たちで調べられる資料なんて、ほとんどありませんでした。「どうやって作るのか」、「どんな機材が必要か」、「どこに行けばそろうのか」など、今思うと素人丸出しの質問をして回っていました。でも、どこに行っても、皆さん包み隠さず教えてくれました。その親切心というか、開かれた感じは「ビールならでは」かもしれないですね。



ビールがあれば、みんな友だちになれる!

「ふたこ麦麦公社」代表・市原尚子さん。「ふたこビール」は、二子玉川では玉川タカシマヤS・Cやライズ東急ストアなどで手に入る

 出典  Funmee!!編集部


―― 「ビールならでは」の魅力について、もう少し伺いたいです。

 

ビールって、すごくカジュアルな飲み物なんです。行く先々で感じたのは、ビールがあれば、知らない人同士でも友だちになれるということ。隣の人と乾杯をしてみたり、「交換して味見しようよ」とか、ビールが自然とコミュニケーションを生み出すんです。

 

 

―― 確かに、「とりあえずビールで乾杯!」というイメージからも、ビールはコミュニケーションツールかもしれません。

 

もともと私自身、子どもがいるし、それほど飲み歩くような経験はありませんでしたが、動き出して初めて「ビールの力ってすごい!」って思い知らされたんです。この時に、改めて「ビール作りをやってみよう」と強く思いました。

 

 

―― 実際に会社として動き出すまでに、どれくらいかかりましたか?

 

初めの提案をしたのが、3年前の夏。勉強して回るなかで、まずは別の工場でオリジナルを作ってもらう「ファントム」という方法(クラフトビール業界でのOEM的手法)を取ることに決めました。

 

提案から半年後の冬に、私たちは「ふたこ麦麦公社」として法人化をして、本格的にスタートしました。2月5日。「ふたこの日」ですね(以下、次回につづく)。




■プロフィール

市原尚子さん

「ふたこ麦麦公社」代表。二子玉川に暮らし、働きながら、ビール作り経験ゼロから立ち上げた地域密着型のクラフトビール「ふたこビール」が、大きな注目を集める。一児の母として、子育てにも奮闘中。


 

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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:池田圭

写真:宇佐美博之

 

 

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Funmee!!編集部

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