【ザ・使い込んでる部】#34 自作するほど好きが詰まった釣具「スプーン」


使い続けるには理由がある。愛し続けられるのには想いがある。そんな趣味にまつわるこだわりの“私物”を紹介する「ザ・使い込んでる部」。

 

今回は、釣り歴40年以上で現在はエリアフィッシング(管理釣り場)にドハマリしている正 知樹(まさ ともき)さんに、愛用の釣具をご紹介いただきます。



誘ってくれた隣のおじさんに感謝してます、と笑顔の正さん

誘ってくれた隣のおじさんに感謝してます、と笑顔の正さん

 出典  Funmee!!編集部


釣りを始めたのは、小学校4年生の夏。ちょうど父親がアメリカに留学していて不在だった年でした。ふと隣のおじさんが釣りに誘ってくれたんです。きっと、「コイツ寂しそうにしてるなぁ……」と思ったんでしょうかね。近所の相模川に釣りに行きました。川虫を取ってワケわからないままエサを流していたら、いきなりグングン! という初めて経験する魚のアタリがありました。釣れたのは20cmほどのハヤ(ウグイ)でしたが、その一匹で釣りにハマっちゃいました。

 

釣りに対する熱は、大人になるほどに高まっていき、気づけば仕事をしながらほとんど毎週のように琵琶湖でバスボートを乗り回したり、エリアフィッシング(管理釣り場での釣り)にハマってからもトーナメントに出場したりと、釣りの勝負の世界を経験してきました。ここ数年は試合から身を引いて、のんびりとしたスタイルに変わってきて、ほぼ毎週末、エリアフィッシングや近所の河川でルアーフィッシングを楽しんでいます。



ルアーをはじめ、いつも愛用している釣り道具。カメラやゴルフといった趣味アイテムも一緒に水際へ持参する日も

ルアーをはじめ、いつも愛用している釣り道具。カメラやゴルフといった趣味アイテムも一緒に水際へ持参する日も

 出典  Funmee!!編集部


エリアフィッシング歴は、かれこれ13〜14年ほどでしょうか。エリアフィッシングは、魚を放流した池や川で行う釣りのこと。私の場合、ニジマスなどトラウト系の魚を「スプーン」と呼ばれる小さな金属のルアーや、「クランクベイト」というプラスチック製のルアーで釣って楽しんでいます。

 

なかでも自分がハマったのが、スプーンを使った“巻き続ける”釣り。リトリーブと呼ばれるただひたすらに巻き続ける行為を繰り返すだけなのに、やたら難易度が高く、奥深さがあるんです。自分のイメージしたとおりのリトリーブスピードやアクションで、連続して釣れたときの快感は、なにものにも代えがたいです。

 


スプーンは小さく煩雑になりがち。そこで見やすく取り出しやすいような収納グッズもカスタムしています

スプーンは小さく煩雑になりがち。そこで見やすく取り出しやすいような収納グッズもカスタムしています

 出典  Funmee!!編集部


しばらくすると市販品では満足できなくなり、スプーンを自作するようになりました。薄い銅板から切り出し、穴を開けて曲げる。たったそれだけのことなのですが、ほんのわずかな形状の違いでリトリーブアクションが大きく変わる面白さにシビれました。

 

さまざま作るうちに左右非対称の方がいい動きをすることを発見しました。それからは、微妙に左右非対称、でも見た目も美しいカタチで作っています。水を少し逃しながら安定したローリングアクション、超低速でも止まらずにしっかり動く。そんな自分好みのスプーンを目指し、いまも研究を重ねる日々です。

 

そんなとき、釣り具メーカーYARIEから「スプーンを作ってみませんか?」と声をかけていただき、数年前から制作に協力しています。



正さんが協力した釣り具メーカーYARIEのスプーンやクランクベイト

正さんが協力した釣り具メーカーYARIEのスプーンやクランクベイト

 出典  Funmee!!編集部


自分のこだわりが詰まったスプーンが製品化され、釣り仲間たちが当たり前のように使ってくれたり、なかにはそのルアーしか使わないという仲間がいたり。いまでは、釣り場で「あのスプーン使ってますよ!」なんて声をかけてくださる方もいて、本当にうれしいかぎりです。



釣り仲間のリールの整備をすることもしばしば。自分が整備した証に、とお遊びで「T-tune」(知樹のT)というシールを貼るんだとか

釣り仲間のリールの整備をすることもしばしば。自分が整備した証に、とお遊びで「T-tune」(知樹のT)というシールを貼るんだとか

 出典  Funmee!!編集部

ヴィンテージのCardinal33刻印がシブイ

ヴィンテージのCardinal33刻印がシブイ

 出典  Funmee!!編集部


いろいろとこだわりたくなる性分なのですが、なかでも気に入っているのが、このリール「ABU Cardinal 33」。子どもの頃に憧れていたスウェーデン製のリールです。昔は、ABUのリールはかなり高価でとても手に入れることが出来ませんでしたが、いつか手に入れてやる!と心に誓っていたもの。いま買えば、それほど高いものではありませんが、“昔欲しかったヤツ”を大人になって手に入れるよろこびは格別ですね。



A.H.P.Lのブラックバス用ルアー。その名も“萌ちゃん”

A.H.P.Lのブラックバス用ルアー。その名も“萌ちゃん”

 出典  Funmee!!編集部


エリアフィッシング以外で楽しんでいるのがバス釣り。バス釣りは私の釣りの原点です。昔はワームと呼ばれるものをよく使っていましたが、最近は写真のようなルアーもよく使います。これでブラックバスを釣るたびに、「お前、こんなので釣れちゃっていいのか?」と魚に突っ込みたくなるくらいおもしろい!



首から下がるネックレスも釣り用に自身でカスタマイズしたもの。ピンセットやハサミなどの道具がまるでアクセサリーのチャームのようにセットされています

首から下がるネックレスも釣り用に自身でカスタマイズしたもの。ピンセットやハサミなどの道具がまるでアクセサリーのチャームのようにセットされています

 出典  Funmee!!編集部

 

40年以上も釣りを続けられた理由は、“極められない”からでしょうか。プロが必ず釣れるわけではないし、初心者が一番大きな魚を釣るときもある。釣りの対象となる魚種に対し、それぞれ複数の釣り方がある場合も多いです。その奥は相当深いです。自然を相手にしている以上、こういうゴールが見えない、極めきれないところが、悔しさであり、楽しさでもあります。



いまはひとりより仲間たちと一緒に釣りをするのが楽しいという正さん

いまはひとりより仲間たちと一緒に釣りをするのが楽しいという正さん

 出典  Funmee!!編集部


最近では、すっかりエリアフィッシングがメインとなって、魚種もスタイルも固定していますが、仲の良い友人たちと釣りをするのが楽しくて仕方ありません。缶コーヒーというささやかな賞品を賭けたオヤジたちの本気の釣り勝負は、当分終わりそうにありません(笑)。



「ルアーマガジン マス王 エリアトラウト究極本」(内外出版社)

クランクベイトやスプーンなどマス釣りの最前線を集めたムック。

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■プロフィール

正 知樹さん(まさ ともき)さん

 

神奈川県出身、50歳代。都内の会社に勤務するかたわら、週に1度は釣りを楽しむ。そのほか服飾関係、カメラ、ゴルフと多彩な趣味を楽しんでいますが、小学生で始めた釣りが最もロングランな趣味となっています。

 

 

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文:山田裕子(Yuko Yamada)

写真:斉藤純平(Jumpei Saito)

 


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Funmee!!編集部

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