メダカ専門店「めだか夢や」・馬場浩司さんが教える“目からウロコ”なメダカ飼育の始め方


体長2cmほど、日本に昔から棲む小さな魚・メダカが今、いろいろな姿へ変化し「観賞用メダカ」という新しい趣味の世界を作りだしました。


場所をとらず世話もカンタンで気軽に始められ、産卵や孵化も楽しめるメダカ飼育ですが、いくつかつまずきがちなポイントがあるのだとか。


飼育のポイントや便利な道具などとあわせて、飼育を始めるカンドコロをメダカ専門店「めだか夢や」オーナー・馬場浩司さんに聞きました。



器はなんでもOK!まずは数匹から育ててみよう

 出典  Funmee!!編集部


―― 先日、知人からメダカをいただきまして、まずは何から始めればいいでしょうか。


始めたばかりの人がつまずきがちなのが、育てる器の広さ! 当然、広いほど多くの数を育てられます。器が小さいと暮らしにくいのかメダカ同士がけんかして弱ってしまいます。でも数匹といった感じなら、100円均一で売ってる手ごろなサイズのガラス器でもちゃんと育つからおもしろいですよ。


私の店では底に穴のない園芸用プランターを使って育てています。もちろん水鉢やガラスの器などでも育ちますし、プラスチックの衣装ケースなども使えます。それからよく「トロ舟」と呼ばれるコンクリなどを混ぜる桶を使うとたくさん飼えますよ。うちの店には普通はこんな使い方しないものばかりがあります(笑)



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―― エアポンプとかあったほうがいいのでしょうか。


メダカは水が汚れないよう気を付けてさえいれば、エアポンプは無くても育ちます。水がフンなどで汚れてきたら水替えをしてあげましょう。



―― 水ですね、気を付けます。これから飼いたいと思った人へのアドバイスはありますか。


メダカには日本に昔から棲むクロメダカやヒメダカなどと、最近増えてきた観賞用メダカの2つに分けられます。もしはじめて飼おうと思っているなら、観賞用メダカの販売をしている店へ行き、「ミックス」と呼ばれるものをチェックするとおもしろいでしょう。



―― ミックスってつまり雑種ですか?


ミックスとは交配の途中で選別から漏れたメダカのことで、例えばヒレの長い「ヒレナガ」の基準値には長さが満たないものや、ラメの鱗を持った「ラメ」と呼ぶにはラメが少ないものなどです。育種目的には使わないためリーズナブルですが、見た目は十分美しいですし、ミックスからさらに美しいメダカが生まれる可能性もあります。



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次のステップで“自分だけ”の美しいメダカを生み出してみよう!

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―― 飼育するだけなら、今すぐに始められそうですね。ブリーディングや繁殖は難しそうなイメージですが……。


そんなこともないですよ。普通の飼育に加え、目的をもって雌雄を組み合わせることと、生まれたメダカの特徴を読み取ることをするだけです。メダカを育てて愛でるだけで飽き足りなくなったら、ぜひ挑戦してみてください。



―― はい。さきほど聞いた水以外に、育てる上でのポイントはありますか。


メダカは小さな動くものを餌と勘違いして食べてしまいます。だから、生まれたばかりの子どもが標的になりがち。



―― 自分の卵や子を食べちゃうんですね!


そうなんです。だから本来、卵は水草に産み付けるものですが、移動させやすい人工の産卵床を使って、卵がついた段階で別の水槽で孵化させるといいでしょう。



人工の産卵床。これに産卵させ、他の水槽で孵化させる。

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オレンジ色のプチプチが産み付けられたメダカの卵!

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―― なるほど、それが孵化したあとはどうすればいいですか。


孵化は順番にしていくので、稚魚が育つスピードの速いメダカは孵化したタイミングによって器を変えていった方がいいです。そうしたら、育ち具合をみながら餌やりと水替えを繰り返す感じですね。



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―― わかりました。なんだかやれそうな気がしてきました。


個人的には、メダカの繁殖ってガーデニングと似ているんじゃないかなと思っています。餌をあげて、水替えをして、産卵しやすい環境をつくって、稚魚の世話をして。その結果、自分だけの姿をしたメダカを生み出せるなんておもしろいでしょう。



―― なるほど。馬場さんがこれから生み出したいメダカは、どんなものですか?


このメダカを見てください。



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―― わぁっ、真っ黒。これ、ヒレも黒いですね。


これは「オロチ」というかっこいい名前がついた黒いヒレナガです。今、愛好家の間でたいへん人気が高い。僕はこのメダカのもっともっと黒いものを作ってみたいですね。でも、焦らないで、何世代かでうまく出ればいいなと思っています。




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めだか夢やオリジナルの飼育アイテム

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―― ところで馬場さんが先ほどから使っているアミ、とても使いやすそうですね


ありがとうございます。実はこれ、ウチのオリジナルなんです(笑)。メダカにぴったり合うアミってなかなかなくて、それなら作ってしまおうと知り合いの職人さんにお願いして作りました。育てている容器の大きさや、水の深さに合わせてアミのサイズを変えています。アミの縁の部分は熱圧着して厚みを薄く仕上げていただいています。



―― 便利そうですね。


その他、自分が育てたメダカを記録しておくためのアクリル水槽も作りました。



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―― 撮影用水槽! インスタとかにアップしやすそうです(笑)


ぜひ、使ってください(笑)。明るい色のメダカは黒の水槽を使い、暗い色のメダカは白の水槽を使うと、メダカの特徴がわかりやすいです。



―― 専門店を開いて、オリジナルグッズを作り……。そこまでハマってしまうメダカの魅力って、なんでしょうか?


第一に、飼育用の道具がシンプルで、気軽に始められ、手間がかからないこと。それに、水槽を選ばないので、人それぞれのスタイルで楽しめるのも魅力だと思います。昔ながらのスタイルなら睡蓮鉢に入れて上から眺めるのもいいですし、横から眺めたほうが美しい観賞用のメダカならアクアリウムにするのもいいですよね。


さらに、ブリーディングして今までにないメダカを生み出すとなると、研究のしがいがあるし、成果がきちんと出るのも楽しいです。ただ、生き物ですから、もちろんいつも思い通りにいくわけではありません。


こうなったらいいな、とのんびり構えて臨むといいと思います。いずれにしろ、メダカっているだけで癒しになるので、一度飼育してみてもらいたいですね。




■ プロフィール

馬場浩司さん

メダカ育種家、メダカ専門店「めだか夢や」オーナー。

日本メダカ協会の理事、メダカ愛好家団体・観賞メダカ愛好会の発起人の一人。メダカの展示会などを開催し、観賞用メダカの普及活動に努める。書籍『メダカ生活はじめませんか?』(ナツメ社)監修。


めだか夢や

千葉県柏市逆井1849-24

TEL:090-2727‐0066



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企画・編集協力:枻(エイ)出版社

文:井上綾乃(Ayano Inoue)

写真:増川浩二(Koji Masukawa)



■免責

育種された観賞用メダカに限らず、すべてのメダカを河川や湖沼へ放すことは、その地域の生態系を壊しかねません。

決して行わないでください。



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Funmee!!編集部

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