カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学 「自分が知らないことを知りたい、やってみたい!」【後編】

自由な発想でDIYを楽しむ、カリフォルニア工務店の岩切剣一郎さん。
後編では、プロフェッショナルならではのアドバイスやDIYに欠かせない道具、そして趣味のある人生の楽しさについてとことん語ってくれました。

カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学「かっこいいものがないなら、自分で作ればいい」【前編】

DIYを極めたい人に提言! キーワードは「インプット」と「ロジック」

 出典  Funmee!!編集部
――岩切さんがプロとしてDIYを行う上で、心がけていることは?

岩切剣一郎さん:発想の引き出しをどれだけ持てるか、ですかね。
そういう意味ではDIYはアウトプットだけど、様々な手法や技術、イメージをインプットすることも同じくらい大切。


――なるほど。具体的にはどのようにインプットしているんですか?

これはとてもシンプルで、空間にせよプロダクトにせよ、「いいな」「気持ち良いな」と感じたものを、ロジカルに分解していくんです。
そうしていくと、気持ち良さの方程式が浮かび上がる。その方程式を自分のものづくりの場で活用すればいいんです。


――DIYを極めると、センスだけでなくロジックも必要になってくるんですね。

だからこそ、様々なものを見て、感じることが大切。
僕なんか、飲食店でもいいな、と思うものがあったら触ったり叩いたりしていますよ。
日本では「お店は家とは違うもの」という意識が強い気がします。
でも、全然そんなことはない。カッコイイものがあれば、そしてそれが周りになければ、自分でつくってしまえばいいんですよ。
「なければつくってしまえ」――これがDIYの基本です。


――DIYの根底には、まさに自己があるんですね。ただ、DIYは様々な趣味の中でも最初のハードルが高い気がします。

工具でモノを留めたりカタチを変えたり…それがDIYのすべてではありません。
色を塗ったり、壁紙を貼ったりするのも立派なDIY。
大事なのは、まず、「こういうものができたら便利だ・快適だ」という発想を持つことで、あとは、できる範囲で自分のペースで楽しんでもらえればいいんじゃないかな。


一番大切なことは、どうすればワクワクするか想像すること。

――ちなみに、DIYをする上で、愛用品ってあるんですか?


もちろん。メジャー、印をつけるペン、電動ドライバー。ドライバーはブラック・アンド・デッカーのEVOマルチツールを6年くらい使っています。

先端を変えれば穴を開けたり研磨できたり空気入れになったりして、これがあるだけで作業効率はだいぶ違うんですよ。

カメラも必須。どうしようか迷っている時は撮影して、ホームセンターに行くとアイデアが湧きます。

あとは仮止めしたり印になるマスキングテープ、それに引っ掛けたり留めたりできるビス。

ここらへんがあれば大体のことはできますよ。



 出典  Funmee!!編集部

 出典  Funmee!!編集部

――では、モノではなく、マインドで大切にしていることを教えてください。


一番大事なのは、想像するということ。

「こうであったらいいな、ワクワクするな」と考えて、それを実現していく過程こそがDIYの醍醐味。

想像して、それに合致するのがあれば買ってもいいと思うんですよ。

すべてつくるってなると息苦しいでしょ。

もちろん、少しでも“やった感”があったほうが充実度は違うと思いますけど。

想像して、気軽に楽しむこと。それがDIYのキモじゃないかな。



――これからつくってみたいものはありますか?


そうだなあ……だいたいのものはつくってみたけど、今は水道のホースをまきとるモノあるじゃないですか。

あれは家の外にあって見えてしまうものだから、かっこいいものをつくってみたいと思っています。

例えばアメリカだとタイヤのホイールとかにホースをひっかけたりしているんです。



下を向かないで歩くことで、やりたいことは見つかる。 岩切流・趣味のある人生の楽しみ方

 出典  Funmee!!編集部

――DIYにかぎらず、岩切さんは多趣味ですよね。


そうですね。サーフィン、バイク、スノーボード、ゴルフにクルマなど、人よりは多いかもしれません。



――岩切さんにとって趣味とは何なんでしょうか?


あまり「趣味」という特別な意識もなくて、趣味も仕事もやりたいことをやっているだけですね。気になることをやってみた結果で、どちらも生活の流れの中にあるもの。たぶん、根源は、「自分が知らないことを知りたい、やってみたい」という好奇心なんです。

自分がやってみないと語れないし、やることで世界を広げ、生活を豊かにすると考えています。



――そういう「気になること」の情報はどういうふうにキャッチするんですか?


大切なのは「下を向いて歩かないこと」。

自分は同時に複数のことをやるんです。街を歩いていても、あちこちから情報を吸収しています。

それが自分の新しいやりたいことにつながっていく。

いつ死ぬかわからないですからね。

やれることやっておかないと、後悔するんで(笑)。



カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学「かっこいいものがないなら、自分で作ればいい」【前編】


■プロフィール

カリフォルニア工務店

クリエイティブ・ディレクター

岩切剣一郎さん


お堅いイメージの一級建築士ながら、根っからのカリフォルニアスタイルを体現するクリエイティブ・ディレクター。カリフォルニア工務店を取り仕切り、住宅設計からカフェの内装、ガレージ作りまで全国津々浦々を駆け巡る。「カッコいいモノがないなら作ってしまえ!」というロックな思考の持ち主。

http://www.cal-co.jp//


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企画・文・編集協力:枻(エイ)出版社

写真:柳田由人(Yoshito Yanagida)・藤田慎一郎(Shinichiro Fujita)