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#18 シトロエンCX(ディテール編)
趣味人ジドウシャ部

#18 シトロエンCX(ディテール編)


クルマの新旧や機能だけでなく、趣味性の高いクルマ、さまざまな趣味への汎用性が高いクルマを紹介するこの連載。今回紹介するシトロエンCXは、フランス・シトロエン社が製造したフラッグシップモデルです。

 

随所に見ることができる「シトロエンらしさ」を愉しむことができるCXは、ファンも多く、現存台数も決して少なくありません。そんなシトロエンCXのボディ各所をじっくりと見ていきましょう。



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シトロエン最大の特徴「ハイドロニューマチック」


駐車中のCXは、車高が驚くほど低いです。もし街で見かけた場合、多くの人が「故障か改造して下げているのでは?」と勘違いしそうなほど。

 

これは、先代DSでも採用された「ハイドロニューマチック」という油圧機構を採用しているためで実は正常な姿なのです。



リアタイヤを覆うフェンダースカートが停車中の車高の低さをより強調します。走っている写真と比べると車高の差がよくわかります
 出典  Funmee!!編集部
リアタイヤを覆うフェンダースカートが停車中の車高の低さをより強調します。走っている写真と比べると車高の差がよくわかります


CXはエンジンの回転を使って油圧ポンプを作動させて、ブレーキやパワーセンタリングステアリング(※)などの制御を行っています。

 

(※パワーセンタリングステアリング:ハンドルから手を離すと自動的に直進状態に戻ろうとする機構)

 

さらにサスペンションは、この作動油と窒素ガスを組み合わせることで、「雲に乗っているよう」と表現されるほど、最上級の乗り心地を実現しています。またサスペンションは4段階の車高調整を設定できる機構になっています。



CXの乗り心地は現代のクルマに比肩する非常に滑らかなものです
 出典  Funmee!!編集部
CXの乗り心地は現代のクルマに比肩する非常に滑らかなものです


そのため、エンジンを切ると油圧が抜けて徐々に車高が下がってしまい写真のような状態になるのです。特にリアホイールはフェンダースカートが備わるため、より車高の低さが強調されます。



ボディ各部のディテールに感じるシトロエンらしさ


流麗な曲線で構成されたCXのボディには、さまざまな工夫が施されています。例えばリアウインドウは、中央が凹んだ形状の逆カーブを描く独特な形状となっていますが、これは空力的なデザインであるとともに、リアワイパーがなくても水滴が走行風で流れるための形状なのです。

 

リアウインドウにはもうひとつ秘密があります。スペック編で紹介した通り、リアウインドウは固定式で、その後部のみがトランクとして開くため、窓枠のクローム部分にトランクヒンジが隠されているのです。



リアガラスは中央が凹んだ形状を採用しています。よく見ると窓枠がトランクヒンジになっています
 出典  Funmee!!編集部
リアガラスは中央が凹んだ形状を採用しています。よく見ると窓枠がトランクヒンジになっています


またドアハンドルはシンプルな長方形のデザインで、これに組み合わされるボディのプレスラインは正円。また長円形のプッシュボタンがフラッシュサーフェンスになっているなど、当時の他国の自動車とはひと味違ったデザインが魅力です。



ドアハンドルすらスタイリッシュ。細かな部分にもデザイン性を感じます
 出典  Funmee!!編集部
ドアハンドルすらスタイリッシュ。細かな部分にもデザイン性を感じます


一方インテリアに目を向けると、フラッグシップモデルらしい豪華な内装を誇ります。特にリアシートに関してはレッグスペースもかなり広く、快適です。今回の取材車両では、シートを一度張り替えているそうですが、当時からレザーシートが装備されていました。



フラッグシップモデルに相応しい豪華なリアシートは現代でも通用する広さを誇ります
 出典  Funmee!!編集部
フラッグシップモデルに相応しい豪華なリアシートは現代でも通用する広さを誇ります


取材車両は右ハンドルになります。当時新車で輸入されたディーラーは左ハンドルだったため、右ハンドルはありません。この車両は、イギリスからの並行輸入車です。日本国内でも右ハンドルは非常に少ないそうです。



1本スポークのステアリングが個性的なダッシュボード周り。センターコンソールにオーディオが備わります
 出典  Funmee!!編集部
1本スポークのステアリングが個性的なダッシュボード周り。センターコンソールにオーディオが備わります


ステアリングは6時の位置一箇所で支持する独特のデザインを採用しています。直進時にステアリング上半分にスポークがないため、メーターはもちろん、ワーニングランプなども含めたメータークラスター内の視認性は非常に高く、走行中に見えないということはほとんどありません。ちなみに右ハンドルですが、イギリス仕様となるため、スピードメーターはキロ表示併記のマイル表示となります。

 

どうしても普段乗りにするとなるとハードルが高そうなイメージがあるビンテージ・フランス車ですが、右ハンドルなだけでなく、クラシックシトロエンの専門店JAVEL(ジャベル)によって最新のインジェクション制御機能を加えたエンジンも搭載するこのシトロエンCXは、普段乗りできる数少ない車両といえるでしょう。



シリーズ1では回転ドラム式だったスピードメーターも、今回取材したシリーズ2では一般的なデザインになりました
 出典  Funmee!!編集部
シリーズ1では回転ドラム式だったスピードメーターも、今回取材したシリーズ2では一般的なデザインになりました
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■取材協力

JAVEL


フランス車のなかでもシトロエンだけを扱う専門店。ハイドロニューマチックを備えたDS、SM、CX、GBなどクラシックシトロエンを得意とするだけでなく、近年の車両ではC6、C5、C4などのディーゼルモデルも取り扱っている。また同社で販売する車両には年代によって1~3年という長期保証が備わるだけでなく、積極的に排ガス浄化対策などに取り組んでおり、安心してシトロエンに乗れる体制を整えている。

 

東京都品川区荏原2-18-10

TEL:03-3784-5051

営業時間:9:00〜18:00

休み:月曜、第2・第4日曜、祝日

 

 

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文&写真:勝村大輔(Daisuke Katsumura)



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2018年1月24日
Funmee!!編集部
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