「集めるより愛でたい」愛好家がひと目惚れした万年筆たち


「万年筆への思いは女性に恋する感覚と近い」と語る、“万年筆フェチ”の河野仁さん。


「集めるつもりはないけれど、あまりに魅力的で手に入れてきてしまった」と語る彼に、たくさんのコレクションの中から特にお気に入りの4本を教えていただきました!



万年筆愛好家が語る、お気に入りの万年筆たち

イタリアの自然を1本で表現する、アウロラ「マーレ・アドリア」

軸に合わせて選ぶというインクの色も、透明感のある美しい青。

 出典  Funmee!!編集部


太陽に照らされた青いアドリア海をイメージして作られたアウロラ製の、その名も「マーレ・アドリア」。


微かに透き通る軸は角度によってさまざまな表情があり、インクの動きも見ることができます。持っている万年筆にはすべて平等に愛情を注ぎたいと考えている河野さんですが、ついつい贔屓して手に取ってしまうのだそうです。



万年筆の定番!ペリカンの「スーベレーン」

定番だけど、一生付き合えるスーベレーン

 出典  Funmee!!編集部


次に紹介するのは、ペリカンの定番シリーズ「スーベレーン」。ドイツ語で「優れもの」という意味で、万年筆をはじめて購入する人にもおすすめの一本なんだとか。


「定番のメーカーですが、この縞の感じがたまらなく好きです。ペリカンの万年筆ならではのクチバシの形をしたクリップも可愛らしいし、ペン先にもペリカンが描かれているんです」


河野さんはペン先の太さを変えて複数持っているそうです。

王道モンブランの「トルストイ」

軸の部分にシルバーの打ち出し加工が施されているのが印象的

 出典  Funmee!!編集部


ペリカンと並び、万年筆といえばこれという王道ブランド、モンブラン。1992年から限定品として世界中の文学家の名前が付けられた「作家シリーズ」が毎年発売されています。


その中でも河野さんが惚れたのが「レフ・トルストイ」。『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などで知られる思想家・文豪であるトルストイをイメージして、作られた万年筆です。青と銀色の配色はトルストイが初めて出版した本の装丁と同じ配色で、打ち出し加工がほどこされた銀のボディは生涯をかけて人類愛を説いた彼の敬虔な心のよう。


前編で紹介した通り“女性を見るように”万年筆を選ぶ河野さんが唯一「かっこいい」と評した1本です。



日本独特の"わびさび"を感じる、中屋万年筆「漆シリーズ」

碧は青と緑の中間色。日本ならでは色味は本能がくすぐられる

 出典  Funmee!!編集部


これまで紹介してきたものと異なり、袴や着物のような異彩を放つのが中屋万年筆のシガーモデル。特に河野さんのお気に入りはまるで漆器のような雰囲気を醸し出す『碧溜』。日本の伝統工芸である輪島塗りで仕上げられ、独特な色味が印象的な1本は、雑誌『趣味の文具箱』(エイ出版社)の誌面で見つけて、ひと目惚れしたものだそう。


「記事ではこの万年筆が宿の隅に品良く置かれて、その佇まいに胸を鷲掴みにされたんです」



いずれは娘にも。万年筆があれば未来も楽しみ!


日々たくさんの愛情を注がれている河野さんの万年筆たち。まだ中学生と小学生という娘さんたちにも幼い頃からに万年筆に触れ合っているそう。


そんな娘さんたちの大切な記念日のために、河野さんはペリカンの万年筆を買っておいてあるとのこと。2015年に限定で発売されたスーベレーンシリーズのピンク軸。やはり女性に人気で、いまは販売されていないのだとか。「気にいるかどうかは別だけどね」と照れ笑いを浮かべながらもプレゼントする日が来るのを楽しみにしている様子でした。



目をキラキラ輝かせながら愛用品を語る河野さん

 出典  Funmee!!編集部


運命の万年筆に出会った瞬間に胸がときめき、筆を走らせる快感を得る。また日記を書くことで、過去を振り返る喜びがあり、プレゼントとして未来への希望を抱くこともできる。万年筆は1本でたくさんの幸せを感じられる、味わい深いものでした。




■プロフィール

河野仁さん

1966年 岡山県倉敷市生まれ 家電メーカーのインダストリアルデザイナーを経て、1993年スズキジムニーパーツメーカー及び新車コンプリートカー販売を行うアピオ株式会社へ。2005年より同社代表取締役社長。ジムニーはもちろんオートバイツーリングやキャンプ。写真。シングルモルトと蕎麦好きにくわえて50歳からはじめた「書道」そして最近では急激に「日本酒」とより日本について興味が深まる日々。ライフスタイルのキーワードは「毎日が夏休み」。



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ライター: たなかもみこ(Momiko Tanaka)

写真:澤田聖司(Seiji Sawada)



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Funmee!!編集部

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